竜に関連した俳句の例をまとめました。
竜を含む俳句例
竜神の海千山千大旦/実籾繁
島原も龍の都か霧の海/有闇
竜天に登る前夜の潦/佐藤鬼房
青嵐龍の襖と虎の襖/川崎展宏
龍天に昇る体中かゆし/如月真菜
秋旻や金龍昼の月争ふ/臼田亞浪
龍天に登りし村の大霞/長谷川櫂
龍天に東北人の顎かな/奥坂まや
山百合や水迸る龍の口/正岡子規
竜門へ抜ける古道草虱/清水勝年
襖絵の龍暗澹と夏の山/古舘曹人
巻紙は雲龍文や百千鳥/大石悦子
竜天に昇るに宜し山湖霽る/林翔
天井の竜の見てゐる畳替/後藤章
百千鳥朱壁の龍の蟠る/福田蓼汀
溜息を誘ふ鏡絵九紋竜/高澤良一
火祭の火龍となりて大焔/高澤良一
竜河洞深く夏草力無し/小川原嘘帥
寒垢離に背中の龍の披露かな/一茶
龍の落し畑見にゆくや雲の峯/几董
俳句例:21句目~
父の遺せし陶枕の青き竜/海野迪子
玉階の竜を覆ひて牡丹雪/山本歩禅
西湖航く竜頭鷁首風薫る/松本澄江
盆迄は秋なき門の灯龍哉/服部嵐雪
龍の珠、信じると騙される/孤/舟
睡蓮や竜身巻ける大甕に/下村梅子
竜神の湯への山々炭を焼く/森田峠
落し子の龍の冷たき斑かな/碧梧桐
萬龍が米を磨ぎ居る櫻哉/内田百間
菊供養進む金龍鳩翔たせ/福田蓼汀
花散て龍駕都を出で給ふ/正岡子規
花宿の梁に天明龍の文字/加藤耕子
秋天下一杯に巻く竜頭かな/上野泰
龍淵に潜んで碧き瞳なる/五島高資
竜渕に潜みて深む水の色/戸田白雅
花や雲袖に落ち来る龍頭の声/調鶴
竜淵に潜んで碧き瞳なる/五島高資
竜淵に潜む肩井指圧して/高澤良一
秋風の竜尾の柱水中より/古舘曹人
龍天に昇る黄ばみし琴の爪/辻桃子
俳句例:41句目~
冬の日や龍の落し子長汀/野村喜舟
稲妻に玉を捜るや龍の腮/寺田寅彦
線香の煙の龍の夜寒かな/野村喜舟
棒鱈や雲あらざるに何の竜ぞ/常矩
竜天に黄帝の御衣飜へる/石井露月
竜天に黄帝の御衣翻へる/石井露月
棟竜を踏まへ故宮の春鴉/大島民郎
龍天を窺ふ七郎平桜の湖/小川恭生
初春の竜の土鈴の謎の紋/伊丹公子
竜天に登る兆しの潮湿り/吉井/仁
竜天に登りし池の底曝す/比田誠子
竜天に昇るや秩父暗闇に/小西玲香
龍天に黄帝の御衣翻へる/石井露月
竜門に雪のちらつく鍬始/瀬山一英
夏潮のいま龍眼の渦を巻く/上村占
夕立の龍下りたる裾野哉/正岡子規
初松生れ変らば富士の龍/正岡子規
天井の龍の眼を煮こごりに/桂信子
竜天に昇りて耳の穴痒し/辻田克巳
龍門の花や上戸の土産にせん/芭蕉
俳句例:61句目~
竜穴の神祈らねど花の雨/水谷晴光
奥信濃竜の渡りの鶸千羽/関口恭代
御代ぞ続く屠蘇の大滝竜の口/雪色
龍脳を贈る雛の別れかな/尾崎紅葉
龍を叱す其御睡や夏の雨/正岡子規
竜の字は龍でなくては凧/大橋敦子
欄干の竜も伊万里や風光る/高橋幸子
氷像の竜は夜空に昇り立つ/菊田琴秋
ありねよし龍の背中は山桜/五島高資
湖の雲に乗り来る竜神の眼/伊藤完吾
火祭いま文鎮となる竜の裔/赤尾兜子
炎の龍子露の茅舎や白絣/大石香代子
お堂暗く龍の目凄し木下闇/正岡子規
白雲の龍をつゝむや梅の花/服部嵐雪
短日や通りかかりし龍の壁/遠藤梧逸
たやさゞる竜神の灯や鰊漁/野本淡月
竜の大駄津銛に憤死せり/百合山羽公
竜ふたつもつれ沈みし橋立祭/石寒太
竜潜み淵の水位の定まれり/栗城光雄
竜燈鬼吽の眼の闇に冴ゆ/加藤知世子
俳句例:81句目~
竜踊を見て寝落ちしか大鼾/北野民夫
わが遠近青柳青し龍やさし/阿部完市
竜門の岳吹き晴るる根深汁/森尾仁子
竜頭の滝岩肌に跳ね躍りつつ/滝春一
ヴァギナのなかの龍旱星/高野ムツオ
腰痛に竜の落し子めく歩行/高澤良一
赤城嶺に竜翔の雲初景色/関口ふさの
赤椀に竜も出さうなそば湯かな/一茶
京の町で龍がのぼるや郭公/上島鬼貫
人かならず仏竜門秋気澄む/河野南畦
人垣に春節の龍起ち上がる/小路紫峡
近江路に竜神在す比良八荒/今泉貞鳳
銅蓮の水噴く竜も良夜なる/本田一杉
供神の龍踊かこむ海の眼玉/金子兜太
雨乞の竜神棕櫚の髭もてり/江川信子
電話鳴る大きな音や梅雨龍/星野立子
青年の背丈に竜の壁炎ゆる/古舘曹人
風うけて竜に雪像息を吐く/大西岩夫
鳴き竜を鳴かして堂の秋旱/斎藤絹子
鳴り龍の鳴り上々や初詣/佐々木敏則