教師に関連した俳句の例をまとめました。
教師を含む俳句例
冴返り礼儀全き老教師/林翔
花に虻教師の愛は均等に/樋笠文
夏痩も子自慢も似て貧教師/林翔
汗の旅生徒教師を敬はず/楠節子
教室は教師の砦いわし雲/樋笠文
清貧は教師の誇り更衣/浅野右橘
新教師若葉楓に羞らふや/森澄雄
芽木太し年少教師顔赧らむ/子郷
初鏡手話試みて教師たり/浜明史
武蔵野の教師となりし玉霰/日原傳
露の土父も教師として死にき/林翔
苗代に映る教師の引越荷/木村蕪城
檀特の花さく窓や教師館/寺田寅彦
夜桜に僻地教師の小酒盛/田中静竜
尺蠖や教師の他に能もなし/樋笠文
教室の教師鶇の空を見る/広瀬直人
鰯雲好きで一生教師する/辻田克巳
半農の教師に八十八夜霜/福田蓼汀
花林檎貧しき旅の教師たち/飴山実
新任教師の自転車に寝袋/鈴木清子
俳句例:21句目~
陽炎や体育教師屈折せり/攝津幸彦
麦笛や作家志望の村教師/福田清人
梅雨深し教師が好む梅干飴/穴井太
黍嵐教師休暇をただ眠る/大野林火
教師臭青野に消えて若い教師/林翔
一教師たかが青天白月ぞ/香西照雄
春泥や猫背教師の大鞄/久保木信也
卒業子去れり窓辺に教師暮れ/林翔
軍服に似し麻服や一教師/岩田由美
教師若し草虱つけ教壇に/村田白峰
身を振つて走す老教師鬚に雪/林翔
水虫を厭ひて跣足一教師/金山有紘
地の窪に臀埋め一教師と枯野/原裕
夏薊玉砕知らぬ教師満つ/宗像/隆
春休み素浪人めく一教師/松本英夫
沈丁は白く田舎教師の墓/広井栄子
大綿を払ひ生涯教師の手/今瀬剛一
豆撒の鬼に教師ら借出さる/樋笠文
天職の田舎教師や草の花/赤木悦子
穀象や妹の生活の教師の賦/杉本寛
俳句例:41句目~
白脛に春風新進女教師よ/藤本節子
焼鳥や銀の髪もつ露語教師/日原傳
炉明に一刀伝ふ今は教師/斉藤夏風
女教師の肌焦す夏来りけり/樋笠文
女教師の髪白くなる桜吹雪/楠節子
蛍火や僻地住ひの教師我/田中静竜
中学の教師の渾名虎釣る/藤松遊子
久女忌や会に三人教師妻/大畑峰子
人日の分校教師茶わん酒/佐藤古城
滝あふる近視痩骨の教師らに/林翔
教師みな疲れ易くて鳥曇/行方克己
草虱教師女の愚にかへる/高萩正子
婚遅き女教師と雪合戦/東福寺碧水
朝蛙夜蛙教師病みつづく/木村蕪城
宿直の教師に炎えて蛍籠/安田晃子
女教師が水洟すする皆笑ふ/楠節子
青嵐を女教師吾は傘で耐ふ/津田清子
雪間歩む女教師よ婚期過ぐ/戸川稲村
おのれ然も僻地教師か胼薬/木村蕪城
雪達磨遅刻教師を迎へけり/南光翠峰
俳句例:61句目~
雛市に帽たゞよふも一教師/石田勝彦
極月の教師袋を鳴らされぬ/宮坂静生
春禽やよろひ戸閉して教師館/及川貞
雁瘡や水戸学はげむ一教師/宮武寒々
雁渡し自ら捨てし教師恋ふ/茂里正治
野蒜摘む山の新任教師かな/奥村直女
遠足やつねの鞄の教師たち/福永耕二
遠足の列に切字となる教師/能村研三
春嵐教師いくたび手を洗ふ/伊藤通明
柳絮飛ぶ若き教師の殉難碑/竹村隆雄
底冷にたへて僻地の教師我/田中静竜
柳絮とぶ田舎教師の全身に/天野/明
恋訥と語る教師や花袋の忌/高野邦夫
走り寄りしは女教師や日射病/森田峠
スキー履き分校教師出勤す/三宅句生
行く雁や舳倉へ渡る新教師/泊/康夫
蝸牛や家を出づれば教師の貌/樋笠文
蜜豆も食べ下町の教師たり/村松紅花
春寒や流寓の教師箱ためて/昆ふさ子
遅刻教師に八方まぶし初氷/福永耕二
俳句例:81句目~
一教師たりし彼の日の冬の鵙/熊田邨
一隅に夜学教師の梅雨の傘/沢木欣一
人日の夜の服寝敷く教師たり/淵脇護
虹の野の校舎教師ら白髪に/橋本鶏二
児を預け教師に徹す草青む/伊東宏晃
八丈太鼓教師の打てる盆休/高澤良一
冬の爪死んで十年教師過ぐ/宮坂静生
若竹抜く若杉一幹村の教師/香西照雄
村人に南瓜盗まれ教師住む/木村蕪城
教壇にあがらず寒く教師立つ/森田峠
初蛙若き女教師手を汚す/田川飛旅子
卒業の胴上げ軽き教師かな/森本綾女
村あげて教師を送る花の雨/時野穂邨
教師の名負うて働く蟻も居む/樋笠文
童顔の教師なりけり黍嵐/星野麦丘人
花の日々此教師にな失ありそ/草田男
女教師に縁談二つ休暇明け/角田拾翠
花の上の禍星教師遅き退出/木村蕪城
女教師ののらくら過す三ヶ日/楠節子
反戦教師の短い赴任春の雪/樫谷雅道