根に関連した俳句の例をまとめました。
根を含む俳句例
鴬や根笹をつたふ湯立/素牛
水仙の根に降たまる霰哉/吟江
俎板に人参の根の寒さ哉/沾圃
神杉の太根を頼み雪残る/林翔
泊り山枕の寒き木根かな/蘆白
箒目に水仙浄し欅の根/西山泊雲
遠走る十薬の根の雨催/綾部仁喜
筍の根の紫の五月かな/野村喜舟
菊根分素描の力貯へよ/宮坂静生
菫艸杉の古根に咲入し/加舎白雄
斧憩めおく雪晴の欅の根/飴山實
枯くさや薮根の椿落る迄/炭太祇
送行や白波洗ふ柳の根/山本洋子
先方の心根ゆかし蕪漬/高澤良一
切ためや花の根にそふ薄氷/自笑
土を掴む松の一根冬旱/加藤楸邨
埋火に根ぶとの痛む夜明かな/村
大木を離れて根這ふ春の土/虚子
旅遠き人を心に菊根分/山田弘子
小鋏の付根の鈴や薺爪/山田梅屋
俳句例:21句目~
山の根に箒の及ぶ花樒/綾部仁喜
峰雲の根の海坂の濃く流る/篠原
年歩む大樟の根の砧石/岸原清行
掘起す蕪の根そゝくしくれ哉/吟江
撫子の根に寄る水や夕河原/泉鏡花
きざはしに浮根息づく除夜篝/原裕
竹の根のもつるる水や蜷結び/誦箒
若草に根をワすれたる柳かな/蕪村
冷々と雲に根は無し更衣/渡邊水巴
松が根に小草花さく秋隣/正岡子規
松風も家督にしたり葛根掘/三津人
豊作の根の強情に八つ頭/大熊輝一
末枯や根からも枯れる虫の声/也有
冬入日松の根崖にとりすがり/林翔
降る雨に濡れ~菊の根分かな/二松
訝れば根ごしの蔓の細胡瓜/森鴎外
行舟に岸根をうつや春の水/炭太祇
水温む泥に茜や菖蒲の根/西山泊雲
春待つや根越の芭蕉雪がこひ/杉風
七五三辺り走れる欅の根/高澤良一
俳句例:41句目~
根開きの靄立つ梢の尾白鷲/畠友子
蝶の影掘り起す根株磊塊と/瀧春一
耳の根に襟を重ねて冬籠/浜田酒堂
糟糠を根に埋め妻に桃の花/中拓夫
冬泉毛細根も子らも集ふ/香西照雄
水仙や机上の一書菜根譚/遠藤梧逸
智慧桜黄金諸根轟轟悦予/夏石番矢
袋よりのぞける髭根薬掘/東出善次
根を包む紙を貰ふや花菫/井上井月
椨芽吹く木因の墓根に抱き/佐藤忍
蕗の根のうすもも色や土の春/青圃
竹の根が岬を縛る朧かな/大屋達治
蓬莱に根松包むや昔ぶり/正岡子規
松の根を掃き清めして海開/中拓夫
瀧壺へ根こそぎの水枯谺/宮坂静生
青蘆の根のゆるみなき日雷/岡本眸
菊根分名札は妻の歌文字/鈴木花蓑
初詣扇びらきに大樹の根/辻田克巳
菊根分停年近き手が乾き/草間時彦
海鼠噛み運鈍根の根に執す/下田稔
俳句例:61句目~
菊根分して教頭と校僕と/粟賀風因
あら凉し裾吹蚊屋も根なし草/蕪村
茶を飮で菊の根分の疲哉/正岡子規
老僕の独りを好み菊根分/矢部居中
童顔の故人も来よや菊根分/上村占
根こそぎの夏草流れ日本海/下田稔
囀や松の根もとの泣羅漢/河野静雲
枯くさの根ほり葉ほりや雪転/麗白
石畳電柱の根をかこみ冬/香西照雄
根つめて歳月逝かす日日草/大牧広
萩が根に月さし入りて風細し/樗良
石庭の根締根締の雪の下/江上多荻
大寒や松と根を組む岳樺/清水道子
母の忌の赤根を太く春野菜/下田稔
六夜祭神杉の根に蚊遣香/海野/勲
柔かき土に太き根萩根分/鈴木穀雨
昔女菊の根分くる跣足哉/正岡子規
根にもたぬこころや神の削懸/千影
母小言根で竹抱く皮一枚/香西照雄
雪解谷樹根ささやき初めたり/蒼石
俳句例:81句目~
根に残る力や雪の枯尾花/藤野古白
雀らと日の中にをり菊根分/小島健
其の藤の古根や秋のやどり草/荷兮
山ケ根に沈める靄や朝曇/西山泊雲
山谷や牡丹根分の只一寺/池田義朗
山焼の煙の上の根なし雲/高浜虚子
溝川に芹の根あらふ雪解水/中勘助
川霧や白樺の根の濯ぐ影/小池文子
百千鳥寺に根を張る大蘇鉄/原礼子
危険物貯蔵庫前で菊根分/武野宝泉
竹の根の浮上がりきし日雷/小島健
白菊や貝を根に置く蜑が宿/野彼/
兼六園松が根を見て氷水/高澤良一
草山に矢の根拾ふや時鳥/会津八一
手の力そゆる根はなし蕪引/千代女
鬼灯の根に汚れ出る蝸牛/右城暮石
芹の根を洗ひし溝に剃刀も/川端茅舎
松が根や暗き処にゆふけ草/子規句集
花は根にもと荒の萩や土龍/椎本才麿
松の根にとどく海鳴り夏薊/小出文子