灯台に関連した俳句の例をまとめました。
灯台を含む俳句例
初凪に岬燈台白一指/誓子
灯台へ心崖なす日の盛/原裕
早梅や懸燈台の薄明り/史邦
沖を見る冬灯台と一老婦/原裕
海は秋燈台を出る厨水/飴山實
燈台の一坪畠荳の花/西谷芳雄
燈台の旗は紺色夏燕/高木晴子
一灯の端島灯台五月闇/森山抱石
灯台の初点の日付渡り鳥/大串章
燈台の点滅に浮く波の花/林照江
初汐や燈台守に産ビが/野村喜舟
燈台の影が日時計汐干狩/藤井旦
灯台に裏表なし風薫る/岩崎照子
きり~す燈台消て鳴にけり/素秋
海碧し灯台官舎椿咲く/飯村弘海
灯台の際まで家並岩燕/山口幸子
燈台の螺旋階段掃納む/高橋紀代
燈台の厚壁のぼる黒揚羽/下田稔
燈台の初点の日付渡り鳥/大串章
貝寄風や古燈台は街中に/脇収子
俳句例:21句目~
葛の花石の燈台明治調/沢木欣一
菜の花や燈台にある明り窓/草堂
茎立や灯台守の捨て畑/高橋悦男
暁の燈台消えて渡り鳥/藤野古白
雪被く旧燈台下潮青し/木村蕪城
灯台の真下に鰤の定置網/辻貞枝
磐石をぬく燈台や夏近し/原石鼎
盤石をぬく燈台や夏近し/原石鼎
白波の浮燈台や春一番/岡本静子
灯台の石の階段春寒し/中谷厚子
残る虫無人燈台影長き/水原春郎
残照に点る灯台神渡し/忽那/保
灯台白し薊秋咲く渚径/倉橋弘躬
燈台の他は暗き灯釣忍/倉田俊三
灯台へ近道のない油照り/窪田久美
灯台に螺旋階あり秋高し/池田秀水
灯台のさふらん畠珠洲岬/沢木欣一
灯台のつけば動きぬ春の闇/星野椿
燈台の影の一本日脚伸ぶ/白井爽風
灯台の一徹の白初景色/片山由美子
俳句例:41句目~
初国旗灯台官舎に灘蒼し/斎藤朗笛
灯台の一眼凝らす盆の海/三好潤子
灯台ははや木苺の花白し/山口青邨
厚着して燈台守の湿布薬/加藤憲曠
燈台の子に木苺の花早し/高野素十
国旗揚ぐ灯台天皇誕生日/松本圭二
灯台の作りし南瓜雨ざらし/森田峠
地吹雪や燈台守の厚眼鏡/加藤憲曠
柳散る川灯台や結びの地/中村苑子
無人灯台ともる十五時春霙/瀧春一
燈台の娘は花園に土用浪/飯田蛇笏
灯台の太胴荒肌台風慣れ/茨木和生
燈台の太胴荒肌颱風慣れ/茨木和生
灯台は低く霧笛は峙てり/高浜虚子
灯台の孤独な佇立吾亦紅/奥平考芦
灯台の日蔭の麦を踏みにけり/篠原
燈台ははや木苺の花白し/山口青邨
燈台に濤のざらつく立夏かな/原裕
灯台は北への起点鳥渡る/尾崎隆則
灯台を女神と仰ぐ葉月潮/西野敦子
俳句例:61句目~
鰹潮とどろき燈台屹立す/中村明子
鞦韆や燈台守の垣のうち/高野素十
霊棚に灯台光が回り来る/三星山彦
灯台は岬のしるし小鳥来る/原汀歩
燈台の亀裂無人の菫濃し/古舘曹人
年新たなり燈台も太陽も/岸風三樓
年迎ふ浮灯台は番外地/畑中とほる
灯台は白き貴婦人聖五月/徳永球石
影を濃く桜紅葉と川燈台/野木桃花
秋日濃し燈台守の事務机/棚山波朗
陽炎の中に燈台上気して/平畑静塔
燈台の下暗がりの磯涼み/鈴木花蓑
追羽子や燈台守の子供達/松藤夏山
かたまりて灯台沖の鰹船/大沢一栄
海の日や岬の灯台開放す/成江雅子
蝿失せぬ燈台までの赫き崖/杉本寛
燈台に低く霧笛は峙てり/高浜虚子
春もやや烈日灯台守の貌/友岡子郷
春一番灯台守を眠らせず/吉年虹二
潮跳ねて孤礁灯台冬の情/友岡子郷
俳句例:81句目~
燈台の高さを飛んで秋燕/細見綾子
航空燈台暑し草山尨然と/渡辺水巴
秋の人白し燈台なほ白し/坊城俊樹
磯菜摘灯台白く抽ん出て/藤木倶子
燈台の闇や帰雁の南より/羅蘇山人
灯台の白たちあがる夏岬/佐藤信子
無造作に燈台守は鱸提げ/景山筍吉
燈台の遠き燈加へ冬銀河/坂本文子
燈台に輪飾のある怒濤かな/飛旅子
燈台の裾風みゆる枯葎/柴田白葉女
燈台の裏窓一本の葱吊す/古館曹人
灯台に八十八夜の雨斜め/松本澄江
生涯を灯台守り石蓴干す/伊東鉦質
狸罠燈台の灯の淡く過ぎ/斎藤梅子
枯芝ふと燈台と墓一線に/香西照雄
燈台も官舎も無人送南風/茨木和生
灯台の眩しく蝶を跳ね返す/鈴木勉
灯台に十一月の濤しぶき/伊藤敬子
梅二月灯台青き灯を点す/加古宗也
燈台へ嶮しき空が菫より/古館曹人