椎に関連した俳句の例をまとめました。
椎を含む俳句例
一門に志あり椎若葉/桂信子
釣鐘に椎の礫や秋の風/几董
片陰や椎をこぼるゝ軒雀/波郷
蜩や几を圧す椎の影/正岡子規
頭痛する八専中や椎の花/程己
椎拾ふ横河の児の暇かな/蕪村
十月や鶏頭の雨椎の風/岸田稚
三十の髪の衰へ椎落葉/栗原米作
立寄ば椎はふりきぬ雨舎/炭太祇
椎の花同病友達眸に深く/斎藤玄
夏の椎幻住庵に雨の音/児玉輝代
朝夕の椎の花降る大社/河野ヒロ
丸盆の椎にむかしの音聞む/蕪村
椎の木の中金塊の春の月/上野泰
椎き採氷の辺を登校児/木村蕪城
涼しさや共に米かむ椎が本/如行
椎の木に凩強し十二月/正岡子規
行水や椎高々と古庵/東洋城千句
兄弟や一つ袋に椎拾ふ/村田橙重
椎夏木當麻を謡ふ二重顎/竹中宏
俳句例:21句目~
観覧車より春荒の椎の梢/辻桃子
椎の花日雇妻の額狭し/岩田昌寿
乳鋲の光る赤門椎若葉/我部敬子
刻惜み刻山裾の椎拾ふ/高木晴子
椎の影蝉鳴く椽の柱哉/正岡子規
時鳥椎は車を外れけり/正岡子規
浅草寺真昼花椎匂ひけり/杉本寛
昼点す給食室や椎落葉/高田洋子
風光る椎樫の空恍惚と/石塚友二
心にも一所一隅椎匂ふ/岩淵喜代子
浜離宮とは昔名よ椎若葉/藤村藤羽
あたたかき夜の椎の風椎の家/直人
父の樫母の桐わが椎若葉/中山一路
犬多き坂の日暮や椎若葉/藤田湘子
下品下生の仏親しや椎の花/滝春一
風摶つてわが血騒がす椎若葉/耕二
椎柴のはづれはづれや秋の露/維駒
新緑の椎の最も昂れる/百合山羽公
新緑の樟よ椎よと打仰ぐ/高木晴子
匂ひ来る方へ明るく椎の花/浅賀木
俳句例:41句目~
包丁は水にて傷み椎の花/長谷川櫂
秋雨や蜉蝣上下す椎の蔭/西山泊雲
春雷の闇より椎のたちさわぐ/龍太
つり鐘に椎の礫や秋の風/高井几董
山門の一歩に匂ふ椎の花/村井信子
旅人のこころにも似よ椎の花/芭蕉
はつきりと椎の落葉の音一つ/風生
椎樫の露ぬるる日の初火鉢/瀧春一
月光の椎樫梢許しあふ/中戸川朝人
苔咲きて幻住庵趾椎の雨/飯田蛇笏
村々に椎の花かな法然忌/永田耕衣
椎樫も祝福す桃紅らむを/石田波郷
東京の椎や欅や夏果てぬ/石田波郷
椎の花人もすさめぬにほひ哉/蕪村
椎樫を踏みこぼしてや渡り鳥/吾仲
ゆふづつや椎柴おろす牛の声/梅雅
椎の花疲れて何も考へぬ/行方克巳
椎の花神も漢の匂ひせり/角川春樹
町騒を隔て大樹の椎の花/塩田晴江
椎狩の女の群れや誰が山/渡辺波空
俳句例:61句目~
遠き闇詰まりやすらぐ椎の花/原裕
花椎は和蘭陀坂の前髪か/堀口星眠
世の人のしらぬ花あり深山椎/園女
花椎や妻乗せ軽き車椅子/安江緑翠
花椎や連休無為に鼻毛伸び/杉本寛
先づ頼む椎の木もあり夏木立/芭蕉
初秋の椎の木下る蚊喰鳥/萩原麦草
椎の影蔽ひ盡して池寒し/寺田寅彦
椎の木に鶯鳴くや五月晴/正岡子規
椎風なく昼照草の盛かな/正岡子規
楢櫟樫椎炭に焼かれけり/尾崎迷堂
椎の木の古葉若葉や時鳥/松藤夏山
秋高き椎の木末に日蝕す/正岡子規
使はれぬ非常階段椎落葉/大西一冬
法師蝉椎の大樹の大覚寺/桑島/蟆
隣から椎覆ふ庵の土用哉/小澤碧童
椎落葉夜はふかき翳横顔に/近藤実
十日ばかり鶯遅し椎の雨/正岡子規
半島の椎椨打ちて春の雹/高澤良一
満月に水の量感椎匂ふ/和田耕三郎
俳句例:81句目~
満月の闇分ちあふ椎と樫/永方裕子
雲水に掃除地獄の椎落葉/冨山青沂
椎の実の沈める川に嗽ぐ/勝又一透
椎の露の朝の気清し墓参/西山泊雲
堂縁に僧立ち客は椎拾ふ/杉浦冷石
椎の実の落て音せよ檜笠/高井几董
熊野詣や一山の椎花粉噴く/辻桃子
椎の実や卵塔並ぶ苔の上/寺田寅彦
父母や椎樫の冬チカチカす/森澄雄
青きひかり椎樫に満ち冬構/滝春一
椎の実を拾ひにもどる乾門/室展子
片蔭や椎をこぼるる軒雀/石田波郷
首塚は椎匂ふより雨ほそし/有働亨
椎の実降る磐井の森の乱語/穴井太
椎の實に雀を嚇す烏かな/正岡子規
椎の實を探す槻の落葉哉/正岡子規
椎の葉の盛物多し後の雛/尾崎紅葉
天心へ光もみあげ夏の椎/平井照敏
女の子交りて淋し椎拾ふ/渡辺水巴
百日の夏を間近に椎の群/岩田昌寿