唄に関連した俳句の例をまとめました。
唄を含む俳句例
餅搗を囃す琉球童唄/泉/とし
父の唄母の舞澄む雪の山/原裕
己が身の老松唄へ山田守/柿麿
星冴て寒菊白う成にけり/唄子
唄ひだす童の前へ氷水/日原傳
早死の父の船唄夕桜/佐藤鬼房
月光の波の鍵盤鳰の唄/原柯城
月の出て渚近づく踊唄/岸田稚
子の唄を父が濁しぬ冬霞/原裕
暁に蔵唄きこえ寒造/松尾静子
舞初の唄仕る師匠かな/馬場星斗
突馴れて早むる毬の数へ唄/余瓶
福藁や藪の家より童唄/村山古郷
昔から角は畳屋亥の子唄/浜野茂
田植神唐へ帰ると田植唄/辻桃子
獅子舞に暇乞唄暇笛/加倉井秋を
笹鳴や機嫌雀の唄の中/石塚友二
旱天の夜雲の白き盆の唄/森澄雄
村長の拙き唄やお鉤引/宮田正和
羅のひと墓原に唄ひをり/日原傳
俳句例:21句目~
放下踊紋服に唄司る/中戸川朝人
盆唄の夜風の中の男ごゑ/森澄雄
箸紙に最上舟唄渓紅葉/小原啄葉
合戦の碑ありて田植唄/飛岡光枝
茶摘唄桃の桃山女かな/菅原師竹
木遣唄朗々手斧始かな/小出民子
踊唄藩主を恨む一節も/芳野仙子
山村の祝ぎ唄素朴初鰹/関由紀子
山国の夜は更け易し踊唄/北川草
早死にの父の船唄夕桜/佐藤鬼房
盆唄や潮の満ち来る厳島/林晴美
屋根低き声の籠るや茶摘唄/太祇
黄落の低き唄出づ口閉づる/原裕
螢よぶ昔も今も同じ唄/星野立子
歎き唄郡上踊を挟む軒/石川桂郎
雲晴の羽子つく唄を滾々と/澄雄
雪の夜の岩室甚句廓唄/浜アヤ子
秋興の舟唄下る最上川/高澤良一
媼の唄春挽糸の糸車/宇佐美末女
暗紅の西日や潟の女唄/成田千空
俳句例:41句目~
舟唄の白息あげて最上川/森玲子
鰊唄千の鴎が囃しけり/大滝/信
薄氷や兎をころす童唄/市川千晶
大寒の厨に歌ふ数へ唄/栗原菊枝
麦打唄何度胎内にて聴きし/松本旭
鶴嘴の地固め唄や炎天下/石塚友二
鶲日和誰か山唄口ずさむ/津田清子
辛気やな隣の地唄秋の雨/尾崎紅葉
鰊群来今なし残る浪と唄/福田蓼汀
うつむける雨の花屋の春の唄/原裕
念佛のやうに返して踊唄/黒田杏子
白山のふところ灯し踊唄/宇野慂子
盆の月地唄に強き節廻し/小林迪子
高原の老鷲の唄みづ浅葱/伊藤敬子
皆浮かれ戯け地口の踊唄/高澤良一
馬叱ってそれから唄や山笑ふ/秋灰
万緑や舟唄水に谺して/土屋うさ子
琴唄の八重の潮路に初日さす/綾子
茶摘唄流れ特攻基地の址/吉岡孝三
水無月や絣乙女の湯揉唄/関まさを
俳句例:61句目~
冷酒の少しに母の津軽唄/松原セツ
自在鉤古り盆唄の果に海/伊藤京子
初漁の前や手もみの鯨唄/小関芳江
初蝉や母の唄へる赤い靴/山下良江
鞠唄や障子隔てゝ縁の先/角田竹冷
勿体なや昼寝して聞く田植唄/一茶
北国の正月を待つわらべ唄/今村青
脇壺に泣いて若湯に唄ふかな/林桂
羅着て大正の歌唄ひけり/津上清七
嗄れし声も馴染みの杁唄/佐藤綾子
紅蔵に灯の洩るる雛の唄/鈴木漱玉
唄に歩を合す旅人風の盆/毛塚静枝
青天や谿深きより花見唄/草間時彦
唄はずて娘毬つくねはん寺/泉鏡花
霜の華咲かす厨の妻の唄/杉山岳陽
雨しぶく鞴祭の唄はずむ/佐藤鬼房
童唄母がうたひて雛飾る/福田蓼汀
窓の日や手毬の唄の夢心/石井露月
昔は恋し手毬をつき唄ふ/高木晴子
秋の風都に吹くか唄の声/椎本才麿
俳句例:81句目~
唄一つ己れに聞かす年忘/鈴木鷹夫
神楽舞野の神々の淫唄/櫛原希伊子
祝唄も津軽訛よ花りんご/伊藤京子
唐行の唄や花菜の上の海/岸原清行
牛叱る声も交りて田植唄/西山泊雲
春寒や耕人うたふ海の唄/飯田蛇笏
墓掘りの唄なつかしや逍遥忌/柏禎
里の子や蚯蚓の唄に笛を吹く/一茶
短夜や耳もと過ぐる馬子が唄/成美
酒唄の水に伏見は春寒き/中川四明
毯唄に雪少し降り日暮れたり/幹彦
都忘れ男は一本調子の唄/阿部完市
まり唄や二百を越せば男めき/普羅
みちのくの判官贔屓踊唄/梅村好文
遠すぎる日の恋おもふ唄の秋/林翔
瞽女唄や米山さんに雪解風/杉本寛
追分に唄はありけり秋の暮/齋藤玄
春風や船頭唄ひ櫓が軋り/鎌倉啓三
夜もすがら噴水唄ふ芝生かな/篠原
湯もみ唄谺す山の芒かな/中島月笠