遊びに関連した俳句の例をまとめました。
遊びを含む俳句例
山姥の遊びのこして遅桜/蕪村
初鴉暫く空に遊びけり/岸田稚
煤逃の人遊びをる佃島/岩田由美
艫並べ宴のはての遊び舟/杉本寛
漂へるものと遊びて鳰/大石悦子
六曲の屏風に遊び六歌仙/堀政尋
深海に軍艦腐る磯遊び/吉田汀史
山の子のひとり遊びや甲虫/原勲
正月の遊び仕事や店おろし/雪珊
聖賢と遊びて暮れぬ桜の木/原裕
月かくす雲の遊びぬ薪能/岸田稚
照明の色遊びをり作り滝/小島健
祭の子谺遊びの町内湯/高澤良一
母細眼薄明界の野に遊び/桂信子
初扇安鉱泉に遊びけり/鈴木花蓑
六甲の端山に遊び春隣/高濱年尾
七草や神も蓬が島あそび/白/尼
鳥と遊び蝶と狂ひぬ春の夢/五蓬
山遊び我に随ふ春の雲/石井露月
防風や花に倦く日の浜遊び/守渓
俳句例:21句目~
鉦叩夜を煌々と遊び鎚/馬場龍吉
白梅と紅梅天に雲遊び/百瀬美津
道端に遊びし記憶春の暮/岡本眸
幼子の隠れ遊びや蛇苺/川崎展宏
運慶が子供遊びや雪佛/正岡子規
満開の海の岩岩船遊び/山口誓子
藤村の山河に遊び蕪汁/大岡節子
草の花青畝先生遊びし湯/岸田稚
三が日遊びて躍る荷馬かな/木朶
旅鞄宿に預けて磯遊び/佐藤千恵
緑陰に移す雀の遊び砂/中村ケイ子
休日の学校に来て橇遊び/太田土男
佛にも遊び足とや小六月/後藤夜半
竹藪は風の遊び処良寛忌/後藤睦美
寒立馬石蹴り遊びすなり/山本逸夫
寒雀遊び空貨車溜りをり/石塚友二
漱石忌雲碧落に遊びをり/村山古郷
毛糸編み持ちて遊びに女来し/篠原
竃冷えて蝿爽かに遊びけり/原石鼎
美童かな蛇振り廻す遊びして/林桂
俳句例:41句目~
小春日の心遊びて部屋にあり/虚子
冬の雨火箸ともして遊びけり/一茶
昼月や蜂飼に貸す遊び畑/影島智子
熱帯残る人生遊びなさい/嶋田一歩
少年の日も遊びたる城の梅/上村占
秋草や花遊びして琳派の美/林日圓
福壽草肉に痒みの遊びぞめ/竹中宏
凩と遊びきし子に家狭し/中田勘一
出遊びの好きな一羽の寒卵/上村占
水鳥は遊び友禅流さるる/本岡歌子
禅寺へ遊びに来をり冬雀/高澤良一
磯遊び波引くたびに足残り/大牧広
磯遊び御用邸より人の声/徳丸峻二
初風の秋文鳥と遊びけり/横澤放川
磯遊びする子が走り波走る/上野泰
磯千鳥足をぬらして遊びけり/蕪村
半分は遊びの鱚の渚釣り/高澤良一
卍なす大空なれば玉遊び/夏石番矢
月と雲遊び遊ばれ源義忌/高橋克郎
浅草の師走に遊び牛鍋屋/高澤良一
俳句例:61句目~
満月と正月の山遊びけり/北見弟花
叱るまじ泥遊びより水遊/坂口英子
杉山に波郷忌の雲あそびをり/原裕
悉く吊革あそび初日さす/中山良章
上瀞は波の光りて船遊び/鷹羽狩行
良寛の遊びし村の雪景色/太田土男
鯉たちの遊びの跡や秋の風/斎藤玄
魂のひとり遊びの葉鶏頭/坪内稔典
高僧の隠れ遊びや鮎の宿/沢木欣一
石狩の渚に遊び馬肥ゆる/阿部慧月
肱ついて女正月遊びけり/後藤夜半
土産屋の金銀遠し磯遊び/大野林火
山門や盆会の雀遊びをり/村山古郷
骨灰の熱しと影を踏み遊び/徳弘純
山鴉には枯蔓を蹴る遊び/綾部仁喜
真昼間のひとり遊びや冬金/桂信子
海中のと遊びし髪洗ふ/山上カヨ子
岩起こす手力男ゐて磯遊び/森田峠
雪中にゆきを投込遊び哉/服部嵐雪
白靴は今底抜けの遊びやう/大越晶
俳句例:81句目~
あの頃の影踏む遊び十三夜/林三栄
夏休み親威の子と遊びけり/仁平勝
鎌倉の余白で遊び疲れたり/遠藤煌
夏燕橋の松江に遊びけり/大石悦子
明治節百官菊に遊びけり/松藤夏山
鉦叩ひとり遊びの独り言/長田群青
鉄線の花空中に遊び咲く/高木晴子
帰還の父の春耕匂ふ螻蛄遊び/林桂
嫁入や風速計に南風遊び/吉田忠一
干潮に犬遊び居る蘆の角/富田木歩
老年の遊び歩きや十二月/遠藤梧逸
杖も捨ててこや蓬莱の山遊び/暁台
子と遊び夫と語り妻の春/河野静雲
老人を起して春の遊びせむ/仁平勝
白日の透きて遊びし蛇の衣/斎藤玄
遊び子のこゑの漣はるのくれ/林翔
遊び妓火桶囲みて礼者受/後藤夜半
町の子ら雛の宵の鬼遊び/富田木歩
遊びをせんとや白椿白椿/齋藤愼爾
柳鮠白秋もかく遊びし子/阿部小壷