十三に関連した俳句の例をまとめました。
十三を含む俳句例
鮭飯の鮭の精霊十三夜/鬼房
寒菊の会鉢十三四/喜谷六花
分校の机十三冬休/渡辺翠村
飛雁の影や凡そ十三夜/成文
炉框も窯の神も十三夜/春樹
黍畑の近道来ませ十三夜/紅緑
牛買と泊る島宿十三夜/上村占
苔の露十三塚の螢かな/泉鏡花
吾妻に峠十三もみぢ晴/上村占
帆柱のならべば暗し十三夜/峠
十三夜背高泡立草に/京極杞陽
台湾を当推量や十三夜/炭太祇
貧厨の大根膾十三夜/田中冬二
橋脚を慕ふ漣十三夜/毛塚静枝
午前二時群の上の十三夜/鈴木映
古社宅障子十三枚洗ふ/山田弘子
節客や九十三騎の打ち揃ひ/琴二
物事の満るはいやし十三夜/宋阿
三浦には九十三騎や墓参り/乙州
歯固や十三人の大家族/浜口今夜
俳句例:21句目~
十三夜柊の花香り出す/吉見春子
月高き頃を酔ひけり十三夜/篠原
市中は海の音かな十三夜/斎藤玄
掃苔や十三代は盲なる/安積素顔
十三湖濁る大景蜆汁/蓬田紀枝子
夢一字書いて十三詣かな/松井子
十三束三伏の花菖蒲哉/川崎展宏
十三夜水の島原水屋敷/黒田杏子
十三の年より咲て姥桜/正岡子規
哲学の道も疎水も十三夜/高野良
一葉といふ名は若し十三夜/龍男
嗜むは草木の薬十三夜/後藤夜半
雄鶏の上る框や十三夜/山本洋子
新生姜十三娘の厨事/渡辺ふみ夫
漢方の百の抽斗十三夜/有馬朗人
帯〆の翁の面テ十三夜/渡辺桂子
豆喰らふ月毛の駒に十三夜/几董
薄蒲團十三錢の旅籠哉/正岡子規
前山の闇裏山の十三夜/福田蓼汀
忘れ潮光る渚や十三夜/山本歩禅
俳句例:41句目~
表から出汐告来つ十三夜/炭太祇
戸隠の麦蒔早し十三夜/西本一都
茶の花に約るひかり十三夜/槐太
色鯉の色の見えゐる十三夜/澄雄
浅草は風の中なる十三夜/高篤三
終航の螢の曲を十三夜/福田蓼汀
十三夜廊下暗きに寺箒/松山足羽
物遠に垣結ふ人の十三夜/安東次男
柿右衛門十三代の木守柿/稲荷島人
東方に満月うすし十三州/渡辺水巴
川のような男ばかりの十三夜/篠原
故郷去る十三日の月の宵/下村梅子
十三夜松の間に見えわたる/齋藤玄
名月や十三円の家に住む/夏目漱石
十三陵眠らしめ山粧へる/西村和子
とろとろと寝る烏あり十三夜/杜口
十三夜船の窓より人の顔/菖蒲あや
十三湖土用蜆の濁りあり/矢島渚男
十三の長き袂や詣でけり/野村泊月
十三夜逗子の翁を媼訪ふ/黒田杏子
俳句例:61句目~
ふと薫る襟元傘の十三夜/野澤節子
九月十三日の夜とかやうけ給はりて
十三夜陸に白鯨横たはり/熊谷愛子
みちのくの如く寒しや十三夜/青邨
花人に押され十三詣かな/高濱虚子
花の雨十三詣見ずに去ぬ/西山泊雲
振袖に肩上げ愛し十三詣/三澤律乃
幇間の後貰ひあり十三夜/今泉貞鳳
十人の十三夜行木曾谷ヘ/皆吉爽雨
半島が黒光りして十三夜/坪内稔典
高原は草より眠る十三夜/井沢正江
駅前の一の鳥居の十三夜/山本洋子
飴舐めて孤独擬や十三夜/佐藤鬼房
水栗の雫しにけり十三夜/尾崎紅葉
飛ぶ雁の影や凡に十三夜/五車反古
靄明りして十三夜泉鳴る/吉野義子
竹寺の竹のはづれの十三夜/岸田稚
水引草に月光詰ぶ十三夜/遠藤梧逸
一葉に十三夜あり後の月/富安風生
善光寺詣でがへりの十三夜/上村占
俳句例:81句目~
あの頃の影踏む遊び十三夜/林三栄
万葉の千曲に還る十三夜/西本一都
爐框に置く盃や十三夜/松本たかし
露座仏の肩美しき十三夜/西本一都
十三夜抽斗引けば真葛原/斎藤愼爾
雁も田に居馴染む頃や十三夜/抱一
飾らねど十三本の槍の主/京極杞陽
陸橋に見送る尾灯十三夜/西村和子
灯しても父母遠し十三夜/橋本恭子
鎮もりて村青々と十三夜/太田淳子
銃先に猪出て暗し十三夜/内山亜川
十三夜旅に仰ぎし疲れかな/杉本寛
人去つて仔猫寄りくる十三夜/照子
金襴の円柱冷ゆる十三夜/羽部洞然
漠々と雲白かりき十三夜/相馬遷子
野仏の片頬照らす十三夜/山本英昭
風の盆十三石橋渡らむか/谷中隆子
大仏殿小窓開きて十三夜/斎藤夏風
庭草の二三供へて十三夜/高澤良一
庭裾を洗ふ潮や十三夜/大木さつき