骨に関連した俳句の例をまとめました。
骨を含む俳句例
夏痩の我骨探る寝覚哉/蓼太
擂鉢に骨付入れつ初鰹/喜舟
骨の鮭朧の月夜遡れ/石川青狼
唇と骨を熱して焚火跡/斎藤玄
首の骨嶺にうらむや郭公/卜習
骨高き外くろ節や簟/矢田挿雲
骨きえて兜に残る秋の声/樗良
雁や骨壷にある花結/古舘曹人
小骨切る父の上手や鱧料理/洞
裸子よ汝も翳もつ肩の骨/林翔
雪ちるや梅の垣根のの骨/巴水
山や箱根蛇骨乱て花卯木/黄吻
枯山の脊骨腰骨春めきぬ/林翔
流木は海の骨片鳥帰る/横山悠子
流木の骨狼藉の出水渓/福田蓼汀
紅葉の養鰻池の骨と皮/中村和弘
川骨や撥に凋る夜半楽/服部嵐雪
一遍の眉骨高し山桜/塩澤美津女
父の骨一片もらひ雀の子/辻桃子
下萌える蝙蝠傘の骨の数/徳弘純
俳句例:21句目~
烏渡る骨壺ほどの漆筒/古舘曹人
の骨復活祭の皿に影と/宮津昭彦
寒雲や尻骨隆く張りて牛/有働亨
隠亡がほめし一骨山桜/嶋田麻紀
熊の鼻骨まだ軟かし蓼の風/林翔
首尾一貫骨美しく桜鯛/戸恒東人
骨骸の寸運びかな薄氷/永田耕衣
親鸞の分骨堂の蟻地獄/新村富代
良寛の顴骨高し冬怒濤/武井清子
大空に散骨の灰瓜育つ/桑原三郎
暁の骨に露置く焼場哉/正岡子規
新堀の河童の床の骨哉/内田百間
仏桑花兵の骨いま星の砂/白鳥峻
曉の骨に露置く燒場哉/正岡子規
遠足の列恐竜の骨の下/山尾玉藻
灼熱の星屑であり父の骨/徳弘純
散骨を帝もしたり山桜/茨木和生
佗助を骨色にまで寒の暮/斎藤玄
花の昼白光放つ骨拾ふ/内藤吐天
骨壺に入る春色の喉仏/篠遠良子
俳句例:41句目~
塵塚や扇の骨に秋の蝶/正岡子規
骨拾ふ人にしたしき菫かな/蕪村
風葬の骨片残し鳥雲に/細川朝子
骨拾ふとき冬川の音絶えし/原裕
料峭や骨をのこして兎汁/日原傳
草螢光るや骨の山の上/真鍋呉夫
斑鳩の骨並ぶかに霜柱/佐川広治
穏亡がほめし一骨山桜/嶋田麻紀
竜骨の直下日本の土囁く/三谷昭
埋骨す近江北摂鳥雲に/大橋敦子
淡雪や岩骨酒二合ほど/田中裕明
椿落つ墓標は寺に骨は野に/林翔
石川骨是も女の風なりけり/和鶴
仙骨の一先達や山開き/山内星水
一声は骨を秘めたり時鳥/金子晋
戦災の墓骨立す霜の海/石原八束
東拝めば小骨透く鳥獣/竹本健司
蓮の骨哀は美女の屍哉/服部嵐雪
廃船の竜骨白き草紅葉/行方克己
なな草や次手に叩く鳥の骨/桃隣
俳句例:61句目~
桜しべ降る一将に万骨に/林十九楼
□中に鮎の骨ある枯山河/鈴木鷹夫
雪の朝病者が残すの骨/田川飛旅子
友の骨洗ふ波かも桜貝/小佐田哲男
父の骨拾ふ埋火拾ふかに/影島智子
稲妻に障子の骨の現るゝ/前田鳴仙
そぞろ寒鶏の骨打つ台所/武田寅彦
鮎の骨喉にありぬ最澄忌/鈴木鷹夫
箸は二本骨揚げも栗飯も/鈴木鷹夫
秋風や骨の白さの竹人形/鷹羽狩行
和歌の骨槇たつ山の夕哉/榎本其角
秋風や骨の白さの磧石/片山由美子
高稲架も馬埒も骨水芭蕉/野沢節子
秋風や煩悩重く骨軽し/成瀬櫻桃子
囀りを天の楽とし骨納む/岸風三樓
銀漢の流れや白き骨の白/正木美和
晩鐘や鶫噛む音骨伝ひ/中戸川朝人
野道寒し骨壺袖にかき抱く/上村占
骨酒に菜は三河の隙間風/鈴木鷹夫
骨還り深夜の如し夕桜/殿村菟絲子
俳句例:81句目~
骨蒸や呼子の舟に年の塵/古舘曹人
野紺菊骨となりゆく烟濃し/高橋有
野の霜に腐れる何のの骨/石塚友二
秋霖に骨の音する鉋屑/山田みのる
更衣貝殻骨をひらくかな/大島雄作
夕焼の道骨壷をかかへ来る/瀧春一
外にありや扇の骨の紋處/正岡子規
骨熱くあげきて寒の白椿/石原舟月
竜骨や夜の匂ひもつ鱗雲/河野南畦
骨灰の熱しと影を踏み遊び/徳弘純
貧乏の骨や洗はむ春の山/会津八一
貝拾い石拾いわが骨軋む/吉川真実
毒茸の下や誰が骨星が岡/正岡子規
記号論学んだ朝に骨となる/流智明
大脳の回り骨ある雁の声/桑原三郎
すり減りし骨を嘆きつ春の宵/原裕
骨惜しみせず魂送る川仏/茨木和生
大鍋に鶏の骨煮る花の雨/西村和子
そゞろ寒鶏の骨打つ台所/寺田寅彦
骨屑のごとき冬日や黒怒濤/齋藤玄