鴉(一般)に関連した俳句の例をまとめました。
鴉(一般)を含む俳句例
塗畦に尾をつけてゐる烏かな
鳩の恋烏の恋や春の雨/一茶
責暗し鵜縄返って群烏/調和
鴉啼いてわたしも一人/山頭火
八十を一期と決めし烏曇/原裕
夜烏や暁かけて今日の月/萬客
春の雨烏の足に泡のつく/素檗
夏空の冷え透明ぞ岳鴉/有働亨
風の中からかあかあ鴉/山頭火
ゆきどけや深山曇を啼烏/暁台
鷺烏雀の水もぬるみけり/一茶
霜白し烏のかしら帰り花/言水
野烏の腹に蹴て行春の水/敬雨
真夏蛇猫烏眼が腥い/岡あきら
初雪や鴉の色の狂ふほど/千代尼
露葎鴉のあそぶ松少し/石田波郷
お正月の鴉かあかあ/種田山頭火
横柄な遠野鴉に畦青む/高澤良一
海の家取り外しをり磯烏/上野泰
鳴交す鴉の嘴の霞かな/野村喜舟
俳句例:21句目~
亡命に似て岸壁の鴉追う/三谷昭
吹越や烏一羽を引攫ひ/相馬沙緻
濁流の木深き雨に川鴉/飯田蛇笏
裏山に鴉収めて会陽寺/宮津昭彦
御火焼の盛ものとるな群烏/智月
水無月や烏ばかりの嗽/石川桂郎
柿盗む鴉の渦の只中に/古舘曹人
橋渡す烏に恥じよ逢夜の鳥/調甫
呼び換す阿呆鴉や札納/野村喜舟
川烏川上遠く笑いけり/二村典子
襖絵の鴉夜長を躍り居る/原石鼎
萱刈の脊を越え鴉力声/村越化石
壺暗く烏啼く日の春の雲/桂信子
枯たかと烏の居れば梅の花/子鳳
松高し月夜烏も放生会/加舎白雄
本の上に烏囃せる草相撲/太藤玲
啼きに来る鴉に年の改まる/原裕
畦道を鴉のあるく祭笛/椎橋清翠
万歳や金春を出て烏森/竹村秋竹
墓原の鴉きこゆや氷店/渡辺水巴
俳句例:41句目~
鰊群来深山鴉も鰊場へ/野西幸来
磯鴉秋の女を遊ばしむ/石塚友二
嘴するや榛高枝の秋鴉/飯田蛇笏
α/β/γ/緑野の鴉/津田清子
時烏二つの橋を淀の景/広瀬惟然
大木を枯らす鴉や秋の暮/原月舟
ほのぼのと鴉黒むや窓の春/野坡
大雪を嘆く鴉の舌赤し/西村公鳳
鶏の如烏遊べり宮落葉/西山泊雲
女手に垣繕へば鳴く鴉/大津信子
鳶烏闘ひ落ちぬ濃山吹/前田普羅
名月に鴉は声を呑まれけり/智月
寒流に朝焼けの蘭川鴉/飯田蛇笏
烏渡る骨壺ほどの漆筒/古舘曹人
簗狙ふ鴉遠見の羽休め/川島双樹
紙鳶の上飛ぶ鴉浮いた/北原白秋
廃船にあつまる鴉受難週/下田稔
烏渡る風音二つ三つ過ぎぬ/原裕
足革のむくひゑるる烏かな/調鶴
牡蠣殼が光る鴉の散歩道/藤井亘
俳句例:61句目~
鴉落ちてゆく大雨の椿山/原田喬
早朝より鴉争ふ春の岬/津田清子
苗しろを見て居る森の烏哉/支考
臘八の香煙くぐり烏猫/渡辺鳴水
紅の羽根さゝれけり烏凧/伊藤観
春一番人犬鴉田に出でぬ/秋澤猛
春風や鴉に啼かる塞神/吉田鴻司
烏帰る櫓に二十六夜神/古舘曹人
盆の月烏が帰る空の道/高木晴子
烏麦怒濤のごとく荒び熟る/青邨
烏飛んでそこに通草のありにけり
青かりし鴉の卵春休/山田みづえ
東風鴉影より重く地をあゆむ/凍
烏羽玉の闇は美し花篝/藤木紫風
中空の鴉見送る単衣かな/岩田昌寿
蝕甚の天の墓石となる鴉/横山白虹
片羽を上げて鴉や麦の畦/橋本鶏二
牢獄の翔たざる鴉暮の春/石原舟月
人去つて鴉来りぬ花の山/寺田寅彦
山陰や烏入来る星むかえ/向井去来
俳句例:81句目~
何やらに鴉群がる枯野哉/寺田寅彦
行秋や誰が身の上の鴉鳴/小栗風葉
回廊の終りは烏揚羽かな/柿本多映
凶作田鴉に葛の花ざかり/飯田龍太
畦塗るを鴉感心して眺む/西東三鬼
出来秋の大きな声の昼鴉/三木照恵
初霜を鴉のわたる佛國寺/三好達治
十二月いつも後ろに鴉いる/遠藤煌
又来たと鴉おもふや小田の雁/支考
反りあがる鴉の羽や氷の上/中田剛
嘴に髭ある烏柿に飽く/阿波野青畝
登窯延ぶるに鴉ゐる冬木/茂里正治
登高やみな紺の羽に谷鴉/皆吉爽雨
裸婦像の仰ぐ大樹に恋鴉/大島民郎
凩やとまり烏の横にゆく/井上井月
けい~と夜鴉渡る砧かな/内田百間
長老に鴉のなるゝ彼岸哉/角田竹冷
烏猫うろ~するや秋の寺/高木晴子
鴉には首吊るによき冬木立/安西篤
七夕の夢のうきはし烏鵲かな/宗鑑