十に関連した俳句の例をまとめました。
十を含む俳句例
碓の十梃だてや寒造/召波
十斗班女が閨の蚕かな/亀友
元日の炭売十の指黒し/其角
色恋の話も上手十夜僧/堤魄黎
苞にする十の命や寒鶏卵/太祇
十方へ光を放つ福寿草/高原桐
碓の十挺だてや寒づくり/召波
宗紋の提灯点る十夜寺/久保寥
陽炎や幾十丈の大鯨/正岡子規
綿きせて十程若し菊の花/一茶
鴨啼や弓矢を捨て十余年/去来
十本の指間鋭き初日の出/奥俊
鶯の一声雀の十声哉/正岡子規
十方に里の道あり大根引/乙由
椽下に箒十本牡丹寺/藤岡筑邨
囀や方十間の富戸港/草間時彦
更衣十は若しと声上る/角光雄
十方にとどく筧や安居寺/篠原
十畳に少し暗しや冬灯/上野泰
十煙炎天に立て羊追ふ/下村梅子
俳句例:21句目~
一握の髪美しき十夜婆/近藤一鴻
牛車十程ならぶ枯野哉/正岡子規
侘助や十村の門に藁積まれ/柏禎
油燈の人にしたしき十夜哉/蕪村
お取越藪十町の中へ僧/岩井三青
樒売家も十夜のともしかな/白雄
十里堤上櫨悉く紅葉す/寺田寅彦
睡蓮や十尺筧渡したり/石川桂郎
提灯の紋の葵や十夜寺/河野静雲
唯今は十国峠時雨をる/高木晴子
冴返る音や霰の十粒程/正岡子規
この後は五風十雨と鰯引/上村占
花作る十戸の村や冬構/平井小雨
我恋は婆になりたる十夜哉/蓼太
花萱草部落十戸に忘れ汐/杉本寛
蜩や夕日の坐敷十の影/正岡子規
初凪や十戸十舟江に映り/堀葦男
初天神裏に十枚ほど枯田/堀古蝶
たばしるや十符の樽菰玉霰/松滴
岡崎の野道人なし十夜過ぎ/蝶夢
俳句例:41句目~
苞にする十の命や寒鷄卵/炭太祇
郭公一声毎に十里づつ/正岡子規
鴨啼くや弓矢を捨て十余年/去来
初鶏や頂上一戸谿十戸/近藤一鴻
姑の鬼もこもれる十夜かな/閑鵞
大津絵の十哲苦吟芋嵐/田中英子
風邪引て冬季十則定めけり/瀾水
纜は隠岐へ十里の春霰/庄司圭吾
白妙に十方くれのさくら哉/旨原
雨の中労ありて十夜かな/島美代
門前の家は寐てゐる十夜哉/月居
運び来る僧皆若し十夜粥/原石鼎
梅一枝莟十まり月のなか/中田剛
薮入よ十銭禿の少年よ/大庭紫逢
裃に威儀の講衆十夜寺/三輪温子
浪黒き鰻十荷や放生会/黒柳召波
少年の毛穴十方寒の闇/飯田龍太
十ばかり雨の痕ある日傘哉/桂花
夏椿黄泉比良坂十方に/攝津幸彦
一息に十貫坂上姉の恋/斎藤冬海
俳句例:61句目~
歌麿の十幾枚と丸火桶/京極杞陽
菜畠を通してくれる十夜哉/一茶
十丈の杉六尺の薄かな/正岡子規
十丈の蓮開くや筆の尖/正岡子規
人去て暁くらき十夜かな/炭太祇
紀州弁交る説法十夜僧/嶋倉睦代
百畳に善男善女十夜講/高澤良一
十国や一国ほどの霧の中/篠崎淑
下京の果の果にも十夜かな/許六
渓わたる鴬十声夕仙丈/近藤一鴻
隧道を出でゝ十里の青田哉/斜汀
土蜘蛛の裔にて候十夜粥/秦/夕美
回廊の下に薪積む十夜寺/関根悦子
露草や父に老後の庭十坪/高橋悦男
四明庵の門も賑ふ十夜哉/中川四明
寒天煮る十石釜の蓋荒ぶ/板谷芳浄
十夜鉦昼も聞えて真如堂/平川名潮
芍薬に十まりの鶏肋の作/下村槐太
寺裏に雨の藁塚十ばかり/江藤都月
十夜講堂上埋む凡夫の頭/高澤良一
俳句例:81句目~
小鳴門の十軒ばかり秋祭/西本一都
十夜経終りて僧の深き礼/奥/三郎
十夜粥注ぐ雲水の指太し/山下/功
川沿ひに阿波十ヶ寺や青嵐/久保龍
十夜粥押頂いて熱からず/市川虚空
十夜粥ぬくし本堂八方透き/桂信子
十夜法要囃す鉦方念仏方/高澤良一
ばせを忌や十人寄れば十ヶ国/一茶
十夜寺空より雀降り来たり/岸田稚
幾十の切株の上の春の月/大野林火
十能に飯の引火や鮟鱇鍋/籾山柑子
十夜僧粛と引声阿弥陀経/高澤良一
金色の風十方に銀杏散る/狹川青史
蕉門十哲指折り唱ふ黴の中/小澤實
手毬唄十は深雪の十日町/大井戸辿
木道の果て十方の若葉風/松本照子
鎌倉の十橋十井しぐれけり/原礼子
藩邸に鯛十疋やお買初/金子せん女
十夜僧女の業を説きにけり/中火臣
天くだる一筋の瀧十方空/川崎展宏