泥/に関連した俳句の例をまとめました。
泥/を含む俳句例
俎の泥庵色や山桜/小川軽舟
盃に泥な落しそむら燕/芭蕉
雨の中泥手を洗ふ/尾崎放哉
芋掘りし泥足脛は美しく/静塔
底泥に水縦横や杜若/西山泊雲
盃に泥な落しそ群燕/松尾芭蕉
紺紙金銀泥経残花冷/黒田杏子
公照の泥佛あり花祭/塩川雄三
泥亀や苗代水の畦づたひ/史邦
春泥や屋の荷の鯛鰆/野村喜舟
泥眼や瞋恚の炎薪能/川崎展宏
さくら紅葉相模の泥に下駄穿つ
逢引の春泥靴先に少し/角光雄
恋仇川泥暑き路上たり/三谷昭
泥勝に足跡勝に春の川/正岡子規
露座仏の田植の泥を流す雨/青邨
泥舟に富士の筆太飾米/向山隆峰
弔うに燕一羽の口の泥/和田悟朗
泥染の泥田の小畦蜆蝶/木村蕪城
泥池に一条の滝横蔵寺/長村雄作
俳句例:21句目~
春泥に傾く芝居幟かな/富安風生
春泥にこぼれ小鰈市場/高濱年尾
泥深く蛤ひそむ余寒哉/正岡子規
秋暑し泥の乾きし築地塀/桂信子
春泥や一学童の松葉杖/河野静雲
放吟や高校生に春の泥/石橋秀野
春泥や村の家々ほど遠き/上村占
何あさる人ぞ冬田の泥浅く/五城
横町の春泥地獄燈をつらね/青畝
建長寺様の御僧春泥に/岩田由美
寺子屋に傘多し春の泥/松瀬青々
塔の前金堂の前春の泥/高濱虚子
春泥を體くねらせ女来る/上村占
燕や泥をべたりと紙の上/森鴎外
泥葱の大束供ふ初庚申/古川京子
春泥を体くねらせ女来る/上村占
春泥の靴ぬぎ拝む延暦寺/関多美
古葎美しかりし春の泥/石田波郷
門前に泥舟つなぐ柳哉/寺田寅彦
空蝉の眼に泥や乾きたる/小澤實
俳句例:41句目~
苗代泥膝頭まで女かな/菅原師竹
銀泥に撫子薄き扇かな/野村喜舟
枯蓮や泥の深さの烏貝/野村喜舟
春泥の足下堂々出合滝/石川邦照
秋祭過ぎしは昨日塀の泥/桂信子
春泥の芯まだ固し女坂/幸治燕居
春泥の自転車あふれ湖へ/石寒太
泥眼を初秋の風通りけり/桂信子
雨垂の泥にさびたり金盞花/松菊
牛市や赤い椿が泥の上/蘭草慶子
初燕渡良瀬川の泥咥ふ/曽根/満
金泥の額の古びや冬籠/会津八一
金泥の水の落日鳰くぐる/桂信子
泥運ぶ燕律儀に栢山村/高澤良一
泥障しけ爰ぞひばりの聞所/蕪村
水口の泥が走りて夏祭/綾部仁喜
泥汗に眦ただれ田草取/大熊輝一
泥の中高野聖は裏返り/廣瀬盆城
塩引や蝦夷の泥迄祝はるゝ/一茶
軍扇の裏の白泥蟻地獄/吉田紫乃
俳句例:61句目~
春泥の坂盤門へ人続く/川崎展宏
紺紙なる金泥の蘭秋扇/高浜虚子
盆過の紺紙金泥日課経/斉藤夏風
大旱や泥泉地獄ふつふつと/誓子
白梅や紺地金泥一切経/長谷川櫂
茎立や泥靴乾く薪の上/石塚友二
春泥に船長の靴新しき/岡田耕治
蟇跳びかへりたる泥煙/鈴木貞雄
春泥に歩きなやめる遠会釈/立子
定紋の金泥の艶光悦忌/足立幸信
泥亀に人だかりする柳かな/可長
泥亀の鴫に這ひよる夕かな/其角
白蓮の一茎高し泥の上/田村梛子
泥付きて床し烏芋は何の玉/乙二
春泥や車ひしめく畳市/下村ひろし
種まきや狩出したる泥鼠/正岡子規
春泥や裸祭の揉みし跡/櫛田と志子
泥舟の二つ竝んで川寒し/正岡子規
春泥や絵は豊国に陥りて/尾崎迷堂
泥舟の荷重をふっと三尺寝/鈴木明
俳句例:81句目~
泥舟の遅々と行くなり行々子/寒江
泥舟や三艘ならぶ春の雨/正岡子規
春泥や石と思ひし雀とび/佐野良太
春泥や猫背教師の大鞄/久保木信也
春泥や爪先で訪ふ母校跡/小原良枝
春興や黒板塀のすその泥/岩永佐保
春泥や嘴を浄めて枝に鳥/石井露月
春近し雪にて拭ふ靴の泥/沢木欣一
春泥の鹿の足跡乾きけり/湯田文子
春泥の靴溢れをり珠算塾/塩田晴江
時ぞ早苗庄屋の息子泥をふむ/露言
春泥の靴憚らず来りけり/坊城中子
階段に泥足乾く涅槃かな/角田竹冷
春泥の道が一筋夜を貫く/右城暮石
枯蓮や地獄の如く泥の中/市川和孝
泥藍に着痩せて後の更衣/千賀静子
椿咲く鯉泥中に腹を埋め/星野昌彦
機町の泥に汗ばむ冬帽子/宮武寒々
春泥の昨日はここに馬の市/本多邁
此頃や泥龜居らず秋の水/正岡子規