地震に関連した俳句の例をまとめました。
地震を含む俳句例
下萌を催す頃の地震哉/正岡子規
地震て冬帽動く柱かな/正岡子規
一輪の白玉椿夜の地震/松村蒼石
おろし置笈に地震なつ野哉/蕪村
塊に蜂歩み居て地震かな/原月舟
百取の机つ物に春の地震/攝津幸彦
嫁が君地震の予知も司る/鈴木石夫
下萌を催す頃の地震かな/子規句集
地震偲ぶ鐘殷々と寒の暁/久保曲浦
山村に晝の地震や梨の花/内田百間
花嫁の簪も地震春燈下/加藤知世子
地震多き半島國や春寒き/内田百間
地震去つて活断層の冬椿/銀林晴生
地震りて額の動ける夏館/高浜虚子
晩春の地震や志功版画展/栗林千津
朝地震のあと秋晴を極めたり/裸馬
片影に地震の水槽城下町/西本一都
あかつきや地震の後の杜鵑/高井几董
今朝もまた小さき地震金玉/吉井莫生
夷講地震るといふ末座かな/会津八一
俳句例:21句目~
地震つづく夜も泡懐く水中花/星水彦
地震て大地のさける暑かな/正岡子規
地震過ぎし白磁の壺の初燈/岩崎麦秋
文武校地震支へせし冬の壁/西本一都
地震して春の夕の風になる/正岡子規
地震つづく栗駒山の虫の闇/仙田洋子
地震過ぎて夜空に躍る冬の梅/秋櫻子
善光寺地震塚に地震日短か/西本一都
春の地震白き少年光りあふ/攝津幸彦
寒牡丹囲ひ地震の国なりし/西村葉子
今は昔地震を語る火鉢かな/佐藤紅緑
大寒の地震に拾ひし命愛し/金堂淑子
地震の傷深き石仏冬ざるる/坂西千代
盆花を抱へて戻る地震の村/綱川恵子
礼拝中牧師に地震や花大壷/下田明子
筋交ひに塩辛蜻蛉地震終る/西本一都
興もなき地震話や門涼み/楠目橙黄子
星飛ぶや地震列島闇深き/松本津木雄
葛の花地震の断層とも見えず/森田峠
葛の花地震の断層なりといふ/森田峠
俳句例:41句目~
蝙蝠や途次の地震を云ふ女/内田百間
青葡萄地震は土へ戻りけり/幸野白蛾
冷奴地震の起こるメカニズム/高澤良一
地震を機に寒夜の看護交替す/奈良文夫
寒深し十万の地震ふりしかば/西本一都
只一人花見の留守の地震かな/正岡子規
地震予後土塀を砕く東風の牙/吉原文音
地震あとの小鳥聡くて柿の秋/河野南畦
地震あとの瓦礫の土や鳳仙花/野村喜舟
地震なき地へ高々と鳥帰る/五十嵐哲也
地震ありて田螺の歩み逡巡す/内山亜川
地震のあと潮が濁ると鮑海女/中山秋月
地震駈けて万朶鬩げり杏花村/西本一都
地震後の春夜つんざき稲光/吉良比呂武
地震やめば春雷雨を伴ひ来/吉良比呂武
地震の国深夜コスモス咲き乱れ/穴井太
地震の無事喜びあうて初句会/坪野邦子
地震の街空広くして星月夜/稲畑廣太郎
地震はげし雪吊の繩切れ縮み/西本一都
地震来て冬眠の森ゆり覚ます/西東三鬼
俳句例:61句目~
年賀人地震を知らで来りけり/中野三允
千曲江に日霧雨霧地震つづく/西本一都
すさまじや地震に詣でし恐山/松本圭二
春の地震大きな鱗こぼれをり/遠山陽子
どこまでの地震割れの道寒雀/友岡子郷
春の地震白鶏百羽揺すりたる/高澤良一
春寒や舟形の月地震にゆれ/中戸川登美
春眠や身ぬちをくぐる地震の音/浅田巌
地震こぼち川食ひ欠きし枯堤/西本一都
月の船地震の島々灯の乏し/竹内万紗子
山国の地震地すべり秋飼屋/百合山羽公
梅雨の地震過ぐ暗がりに鼠捕/鈴木鷹夫
注連縄を張つて地震の国の春/川崎展宏
黄水仙一せいに咲き地震恐る/横山房子
炉塞いで書読む夜の地震かな/正岡子規
地震やんで門を出づれば霞哉/正岡子規
犀川を渡り地震くる時雨来る/西本一都
生きて会ふ地震一年の臘梅に/五十嵐櫻
ゆれてゐる地震が藤や菊人形/小林拓水
百骸にふるえを残し秋の地震/江里昭彦
俳句例:81句目~
地震激し蘇枋幹より花を噴き/村上愛子
硝子戸の薄い寒さや地震のあと/有働亨
地震さへまじりて二百十日哉/正岡子規
穂芒や地震に裂けたる山の腹/寺田寅彦
地震にまだ驚いてゐる水中花/谷口摩耶
筬欄間日盛の地震わたりけり/宮津昭彦
繭玉に残りて久し夜半の地震/根岸善雄
今死にし母をゆすりて春の地震/岸田稚
地震にも耐へし玉垣さねかづら/森田峠
茶の花を渡る真晝の地震かな/内田百間
地震塚に御開帳餅一トかさね/西本一都
地震して昼寝さめたり蒸暑き/正岡子規
蘭鋳を揺りて昼の地震ありぬ/高澤良一
蜂死して地震過ぎゆく山の音/対馬康子
地震に笠下ろし真田の墓の秋/西本一都
西方に銀河かたむく地震の後/松尾隆信
露けしや地震の創ある石灯籠/市川典子
地震して障子あくれば春の雨/正岡子規
鮟鱇の海底の地震見たる貌/八牧美喜子
巳の刻の地震の照りの若葉かな/野村喜舟