焦げに関連した俳句の例をまとめました。
焦げを含む俳句例
朴葉味噌焦げたる匂鱗雲/旭
秋蝉や征服少女焦げ臭し/岸田稚
刀鍛つ火花に焦げし簟/荏原京子
文の端焦げて局の火桶かな/鉄虎
虫焦げし火花美し虫篝/高濱虚子
山の日に焦げて草刈る麻衣/上村占
蒲焼の串の焦げめや西鶴忌/龍岡晋
吾亦紅紅の焦げたる山日和/森澄雄
暁や火串に焦げし草の花/正岡子規
神木の洞の焦げ居る青嵐/竹中龍青
焦げ飯の匂う日暮の木煉瓦/穴井太
夕凪や山の横顔焦げ臭し/藤倉哲夫
梅雨さむし鬼の焦げたる鬼瓦/楸邨
芥火に沈丁焦げぬ暮の春/飯田蛇笏
縁日のソース焦げをる頬被/高島征夫
跳炭に焦げし鞴を祀りけり/黒木青苔
焼鳥の串まで焦げて酔迅し/高澤良一
尻焦げし柚味噌の釜や古畳/子規句集
空蝉の爪先少し焦げてをり/高澤良一
海の日に少し焦げたる冬椿/高浜虚子
俳句例:21句目～
巣は焦げて秋蜂無慚天蒼く/飯田蛇笏
焼跡に秘中の菫焦げゐたり/鷹羽狩行
春窮の焦げ癖つきし鍋洗ふ/荻野/操
蕗味噌の焦げ弟の忌と思ふ/角野良生
晩菊の霜に焦げつつ姿かな/草間時彦
人焼きし匂ひに焦げて寒卵/吉田紫乃
蕗の薹焚火に焦げし花開く/茨木和生
田楽の串皆同じところ焦げ/三隅含咲
球根の焦げ残りたる焚火跡/右城暮石
朴葉味噌焦げる高山祭かな/浅場英彦
父恋ひの母やバターの焦げ煙/金子晉
黒焦げの鴉とびたつ夏断かな/北光星
橡の殻橡の実焦げし焚火跡/茨木和生
苔庭も烏揚羽も焦げてゐる/柿本多映
三月果つる鎧戸雀焦げ色に/成田千空
人日や端の焦げたる火伏札/関戸靖子
燒跡の柱焦げて立つ寒さ哉/正岡子規
野火に焦げし宿の廂や蕨汁/吉田冬葉
釜飯の焦げを握れば風薫る/武田和郎
鍋物に焦げつく葱や獺祭忌/石川桂郎
俳句例:41句目～
開帳の仏は焦げて在しけり/村井渓雪
冬椿咲き焦げ落つる春の如/高浜虚子
鮎焦げて磧一国なせりけり/吉田紫乃
初鮎や少し焦げたる化粧塩/都筑智子
鯛焼の背鰭の焦げて麦の秋/松村多美
卓上を飛ぶ福建語鶏焦げる/伊丹公子
焦げ臭き踏切渡る大暑の日/浜喜久美
向日葵の焦げて了りし初嵐/石川桂郎
土用入り天麩羅箸の先焦げて/荒巷樹
売店に醤油の焦げし山開き/山下一冬
焼山の焦げ目曼陀羅日表に/高澤良一
夏の月焦げる匂を曳き昇る/村本畔秀
紅裏の少し焦げたる懐炉哉/星野麦人
妻よ子よ黒焦げ秋刀食膳に/村山古郷
遮莫焦げすぎし目刺かな/久保田万太郎
越中の田が焦げくさし鵙日和/本宮哲郎
けんちんの煮汁焦げ付く自在鉤/酒井武
蛇穴を出づ焦げ臭きところより/岸田稚
もの言へば雑炊焦げの舌にがし/草田男
やゝ焦げし面輪に笠や祭人/大橋櫻坡子
俳句例:61句目～
焦げ癖や松茸飯を炊きしより/木村草女
葉のさきや雪に焦げたる薺粥/室生犀星
草餅の焦げて父の世匂ひけり/平賀扶人
草紅葉焦げて鰻の餌の終り/百合山羽公
草の骨野焼のあとに焦げながら/上村占
人混みに飴の焦げる香宵閻魔/伊藤京子
焼藷の焦げ色粗辞で包む厚意/香西照雄
仙人掌の夜花や病焦げつくか/石田波郷
侘しさや炬燵に焦げる蜘の糸/黒柳召波
公を焼く杉箸のすぐ焦げて/鳥越すみ子
火に焦げし土よ春なる母子草/右城暮石
胸を打つ麦秋の波焦げ臭し/櫻井ハル子
磔像や虚空に朴の実の焦げて/堀口星眠
日に焦げて産毛が痒し桃と腕/宮津昭彦
焦げ穴の大き日覆や鋳物町/高野喜八郎
真ん中に焦げ痕のある春田かな/本井英
田楽の少し焦げたる串の先/山崎ひさを
天日に焦げそむ橡の花きよら/亀井糸游
春雨や檜は霜に焦げながら/芥川龍之介
焦げくさき町を離れし写楽かな/穴井太
俳句例:81句目～
喪の家に祝福の如餅焦げぬ/殿村菟絲子
朝のパンほどよく焦げて初嵐/富安風生
焼き饅頭焦げて秩父の祭来る/下山宏子
末黒野に兎の糞の焦げてをり/蒸野弘平
川上の空まづ焦げて鵜舟かな/籾山梓月
末黒野の焦げし巌の威風かな/菅原敏郎
縄文の土器に焦げ跡そぞろ寒/長田群青
少年の背の焦げ色に畑返す/高垣美恵子
物売のやうやく去りぬ目刺焦げ/金子潮
焦げ臭き農夫の肩やくつわ虫/那須淳男
炭焼きし跡に焦げたる竹箒/瀧澤伊代次
焦げくさきみ仏も在り驟雨くる/穴井太
原爆に焦げし頬も癒え卒業す/宮武寒々
燕去ぬ西日に焦げし畳かな/金尾梅の門
強東風や焦げ目の残る芦の節/高澤良一
焦げくさき雉子の二声緑立つ/福永耕二
母の日や焦げ目少なき炊飯器/西村英子
酉の市焦げし醤油の香の中に/山本光胤
拘りのパンの焦げ目やパリー祭/関礼子
野火の跡頭焦げたる土筆出づ/鳥海高志
