髪洗ふに関連した俳句の例をまとめました。
髪洗ふを含む俳句例
樽神輿髪洗橋渡り行く/龍雨
短夜や未だ濡色の洗ひ髪/嘯山
髪洗ふ女百態その一つ/高浜虚子
稗蒔の嵐及べり洗ひ髪/日野草城
手術後の初の入浴髪洗ふ/新純子
洗ひ髪母に女の匂ひして/岡本眸
洗ひ髪夜空の如く美しや/上野泰
夜も流る雲の分身髪洗ふ/原和子
天空に鳥別るるや洗い髪/藺草慶子
あぎとあげ洗ひし髪を梳り/上野泰
彗星を待つ少年の洗ひ髪/杉山久子
病床の黒髪断ちて髪洗ふ/庄野禧恵
髪洗ふ人通りたる廊下かな/原石鼎
髪梳いて硯を洗ふ歌娘/鈴鹿野風呂
髪洗ふ女の乳房機嫌よく/石原八束
髪洗ふ沼の乙女や菱の花/片岡奈王
命得て一筋ごとに髪洗ふ/三好潤子
悲しみの諦めとなる髪洗ふ/上野泰
髪洗ふ落著く迄の二三日/稲畑汀子
月光に青むまで髪洗ひをり/加藤紅
俳句例:21句目~
寝たきりの母の短き髪洗ふ/林照江
黒潮の人にもなり髪洗う/中村竹子
洗ひ髪身ぐるみ匂ふ姉妹/大塚品子
嵐のあと短くなった髪洗う/大高翔
浮世絵の女は長き髪洗ふ/松尾静子
七曜の一曜きめて髪洗ふ/鈴木真砂女
裏切を聞きたる耳を髪洗ふ/林みち子
葬果てぬばたまの闇髪洗ふ/松村多美
地球儀の裏側に来て髪洗ふ/佐川広治
洗ひ髪夜も緑なす雨降れり/嶋田麻紀
荒星を傾け洗ひ髪を乾す/蓬田紀枝子
花の闇海に浸して髪洗わん/対馬康子
船室の一隅に髪洗ひをる/夏井いつき
紅梅に臈たけて見ゆ洗ひ髪/伊藤松宇
奔放に生きて悔あり髪洗ふ/木田千女
髪洗ふ長崎の忌の水つかひ/朝倉和江
妻として八とせの洗ひ髪束ね/上野泰
泳ぎし髪洗ふ遠杉も日焼いろ/中拓夫
髪洗ふ遂に子のなき固乳房/品川鈴子
髪洗ふ胸奥に瀧鳴りやまず/坂巻純子
俳句例:41句目~
洗い髪裏の松山濃くなりぬ/鳴戸奈菜
病髪洗ふ逆さに夏の怒濤見て/城佑三
洗い髪風に遊ばせ吾娘十八/楠本憲吉
川に俯向きて丈なす髪洗ふ/品川鈴子
髪洗ふ眼つむれば夜のごと/浦野芳南
無造作に束ねて軽し洗ひ髪/吉崎ふみ
髪洗ふ水草の花白がちに/柴田白葉女
髪洗ふ母には嘘がつき易く/齋藤朗笛
髪洗ふ少女や射程距離内に/宮武寒々
洗ひ髪ならべて月に姉妹/柴田白葉女
涼しさや藁で束ねし洗ひ髪/井上井月
旅の髪洗ふ卯の花腐しかな/小林康治
五十なほ待つ心あり髪洗ふ/大石悦子
髪洗ふ五月の風の井のほとり/及川貞
雫して思ひ晴れざる洗ひ髪/鈴木まゆ
洗ひ髪日の前を雲通り過ぎ/岩田由美
洗ひ髪ひたいの汗の美しく/星野立子
六月の手応えうすき髪洗ふ/久野兆子
洗ひ髪かわく夕雲金色に/柴田白葉女
涙することはまだ先髪洗ふ/小池和子
俳句例:61句目~
洗ひ髪沈めて水を豊かにす/三好潤子
金星に触りし髪を洗うなり/五島高資
洗ひ髪巻いて湯もみに来し女/上村占
豊かとも乏しともなき洗ひ髪/上野泰
砂漠より戻りし髪を洗ひけり/藺草慶子
洗ひ髪垂れし背筋の冷たけれ/品川鈴子
いとほしむほどの丈なき髪洗ふ/檜紀代
耳たぶを花のごとくに洗ひ髪/鷹羽狩行
腰張つて大つごもりの髪洗ふ/菖蒲あや
お百度を踏みて乾けり洗ひ髪/品川鈴子
薄命の叔母似と云はれ洗ひ髪/有馬籌子
被爆忌のいのち素直に髪洗ふ/中尾杏子
親の縁薄かりし梅雨の髪洗ふ/佐野美智
関所越ゆ洗ひざらしの髪束ね/川島千枝
除夜の鐘聞きつつ長き髪洗ふ/中村節代
ながかりしことは昔よ髪洗ふ/下村梅子
ぬばたまのくろ髪洗ふ星祭/高橋淡路女
髪洗ふ女体限界まで曲げて/竹中碧水史
ねんごろに戀のいのちの髪洗ふ/上村占
風花や受洗の朝の髪梳かる/古賀まり子
俳句例:81句目~
洗ひ髪月に晒して寝惜しめる/西村和子
髪洗うしばらくは死の闇とあり/徳弘純
髪洗うたび流されていく純情/対馬康子
まだ云うてなき里帰り髪洗ふ/野島時子
髪洗うまでの優柔不断かな/宇多喜代子
髪洗ひゐて茫々の山河かな/鷲谷七菜子
髪洗ひゐる身ひとつに天の川/石原八束
髪洗ふいま宙返りする途中/恩田侑布子
髪洗ふたび流されていく純情/対馬康子
ミサイルの射程の裡の髪洗う/出口善子
髪洗ふもうむづかしく考へず/尾熊靖子
母と今死にたしと思ふ髪洗ふ/坂巻純子
髪洗ふ夜の羅馬びと歌ひ過ぎ/小池文子
先帝祭過ぎきりきりと髪洗ふ/坂巻純子
洗ひ髪吹かれ南十字星仰ぐ/大木さつき
半夏生所在なければ髪洗ふ/岩鼻十三女
卯の花や一握となる洗ひ髪/鷲谷七菜子
髪洗ふ手術を明日の胸しづめ/朝倉和江
髪洗ふ月下のいまは雫の木/小檜山繁子
喜びにつけ憂きにつけ髪洗ふ/高浜虚子