ビール/麦酒に関連した俳句の例をまとめました。
ビール/麦酒を含む俳句例
ビール馬車幻と過ぎ石畳/楠本憲吉
熱燗党麦酒党相半ばして/高澤良一
草の絮漂ふビール祭終ヘ/関森勝夫
一杯のビール何度も乾杯す/林右華
結納のビールに和む夫と婿/村井信子
何は扨置き一杯目のビール/高澤良一
何用も無き貌の生ビール哉/永田耕衣
床の間のビールの壜や冬籠/会津八一
一日が了る麦酒の泡見つめ/高澤良一
ビール溢れ心あふるる言葉あり/林翔
麦酒のむや露台を掩ふ若楓/島田青峰
麦酒つぐや胸中の子も齢五十/及川貞
ビールまづ女に注ぐ熱帯夜/寺岡捷子
長老に係累あらぬビールかな/静良夜
牡鶏の威嚇のビール妻階下/藤後左右
ビール冷ゆ渓流さやに笛となり/原裕
乾杯のビールー気に君親し/石黒泊舟
屋上の風を肴にビール酌む/高澤良一
船上に米寿の母と生ビール/日下美子
札幌の星座美し生ビール/潮原みつる
俳句例:21句目～
ビール館円卓の騎士/女騎士/的野雄
古町にネオン一点ビールの酔/香西照雄
ビール酌み陶工たちの芸談義/大島民郎
教へ子はよきかなビール林立す/森田峠
注ぎぞめの麦酒音あり秋涼し/永井龍男
黒ビール白夜の光すかし飲む/有馬朗人
ビール酌む少々荒き風も佳き/高澤良一
驚くべき長身の来しビール園/近藤潤一
大役を終へてビールの栓を抜く/星野椿
長かりし一日ビールの黄昏色/高澤良一
酌みかはすビール一夜の砂嵐/藺草慶子
ストーヴにビール天國疑はず/石塚友二
若き頃都会派なりし黒ビール/青木新造
義弟とは言葉少なくビール酌む/森田峠
ビールには山の風より海の風/片山幸美
秋雨や地階まで混むビール館/高井北杜
生ビール泡流る見て愉快かな/高濱年尾
生ビール文楽を見し亢ぶりに/石塚友二
生ビール文楽に得し亢ぶりに/石塚友二
嘘ばかりつく男らとビール飲む/岡本眸
俳句例:41句目～
生ビール天蓋汚れ切つたれど/行方克己
人責むる心薄れてビール飲む/佐藤悟朗
乙女らの喉美しくビール飲む/今泉貞鳳
ビール汲み陶工たちの芸談議/大島民郎
乾杯に遅れ静かにビール酌む/須藤常央
ビール泡消ゆ有事法論じゐて/塩川雄三
心昏し昼のビールに卓濡らし/大野林火
この国の出口は一つ麦酒飲む/対馬康子
大声の酒屋のビール届きけり/太田順子
王冠を嵌めビール瓶海に投ぐ/右城暮石
旅といふ心易さのビール飲む/稲畑汀子
ビール発泡言葉無縁の日なりけり/林翔
前言をはや撤回やビール干す/橘夫仁子
ビール呑む男の持てる喉ぼとけ/佐藤都
片なびくビールの泡や秋の風/会津八一
うそばかり言ふ男らとビール飲む/岡本眸
冷え過ぎしビールよ友の栄進よ/草間時彦
かりそめの孤独は愉しビール酌む/杉本零
同郷といふだけの仲ビール干す/佐藤凌山
噴きあげて一万尺の夜のビール/三嶋隆英
俳句例:61句目～
地ビールの店へ連なるバスの客/達山丁字
飲み干せしビールの泡の口笑ふ/星野立子
子の夫を君づけで呼ぶ生ビール/毛塚静枝
屋上に落ち目の人とビール飲む/内田美紗
山上の空気に冷えしビール飲む/右城暮石
手術して一年経つかビール注ぐ/高澤良一
もとも好き青唐がらし生ビール/竹田小時
旅なれば昼のビールを許されよ/永田豊美
旅惜しむ心にビール酌みにけり/西村和子
春夜飲む蒼きビールとは海よ/吉田透思朗
東尋坊美しやビールの泡透けて/高澤良一
河童忌やビール玉光る水の底/山城奈菜恵
泡消えしビール座興の白けゐて/樋口津ぐ
浚渫船見てゐる昼のビールかな/依光陽子
父は息災勤労感謝の日のビール/高田洋子
生ビールこほしきころや宵明り/石塚友二
生ビール運ぶ蝶ネクタイ曲げて/池田秀水
生ビール飲める女になつてゐし/白幡千草
ビールの泡口髯汚す飲みっぷり/高澤良一
一騎見ゆ冬のビールの沁みるたび/徳弘純
俳句例:81句目～
ビールほろ苦し女傑となりきれず/桂信子
甲板に今日愉しまむビール乾す/西村和子
笑ひは通ずビール肥りの小母さんと/林翔
自在鉤に荒彫りの鯉ビール酌む/石川桂郎
花茣蓙を甥と分ちてビール酌む/遠藤梧逸
買初のビール自販機よりごとん/奈良文夫
飲み干せるビールの泡の口笑ふ/星野立子
黒ビール飲み冬の夜の食堂車/長谷川青窓
学徒われ降臨祭麦酒さゝげ飲む/山口青邨
淡々と過ぎたる午後の麦酒かな/角川春樹
生麦酒紙破るごと海苔を食ぶ/木島茶筅子
ビール好き牛乳嫌ひ賞められず/高木晴子
ビール工場からあふれさうな満月/能城檀
里の子等庭に見てゐる麦酒酌む/富安風生
麦酒まず異国にねむる父に注ぐ/穂積曄子
ビール注ぐ泡盛り上り溢れんと/高濱年尾
ビール溢れその手に近き夜の空/桜井博道
ビール瓶二つかち合ひ遠ざかる/細見綾子
麦酒樽の朱のあざやかに夕立す/内藤吐天
ビール苦く葡萄酒渋し薔薇の花/正岡子規
