南/に関連した俳句の例をまとめました。
南/を含む俳句例
南に海蛤のすまし汁/林火
風開く南障子や夏桜/調和
南へ南へ旅麦青む/高野素十
蜩や南大手の御門跡/上村占
南に洋ひらけたる七日粥/原裕
海の幸南の国の鯨猟/奥田彩雲
花曇り南に黒しかはら竈/言水
紅楓深し南し西す水の隈/几董
新松子南に海見て育つ/小澤實
麦畑の南に低し朧月/正岡子規
青雲や夕立来る椽南/正岡子規
若水を汲むや南の大河にて/鶴夢
南に武甲据れり鬼打木/荒井正隆
なの花や南は青く日は夕べ/暁台
川は夜も南へ下り薬喰/瀧澤和治
南に海八月の稲を刈る/岡井省二
最南の潮岬の涼しさよ/清尾紀子
よき話鶲つげ来よ南まど/上村占
注連飾南に海ひらけたる/森澄雄
押鮎や南は吉野草の宿/松瀬青々
俳句例:21句目~
梅二本京極どのは南向/浜田酒堂
竹の窗南に秋の山近し/正岡子規
患者皆南枕に月を浴ぶ/染谷十蒙
三星の南廻りや寒の内/石田波郷
下萌に置く古畳南吉忌/長村雄作
淡海の南にそだち燕の子/中田剛
菊畠南の山は上野なり/正岡子規
稻の波南に凌雲閣低し/正岡子規
飾り臼南の窓の雪明り/村上一央
岩木山祀る南麓蕗の雨/宮津昭彦
枝川や南上りに柳鮠/広江八重桜
福寿草女暮しの南窓/村上喜代子
台風が南に二つ目玉焼/鈴木鷹夫
百菊もさくや茶の間の南向/嵐竹
初霞川は南へ流れけり/青木月斗
南壁に雷火一瞬峙ちし/桑田青虎
しぐるゝや南に低き雲の嶺/几菫
雛すむや女の声の南より/原石鼎
西風の南に勝や天の川/中村史邦
北窓を開き南の窓磨く/岸/洋子
俳句例:41句目~
北風に雲は東し南しぬ/京極杞陽
草山や南をけづり麦畑/夏目漱石
北風や南に傾ぐ風師山/佐藤漾人
牛の糞南へ十歩黍の花/田村奎三
南窓や梅一輪の初日影/寺田寅彦
露むぐら南に強き星ひとつ/宮本邦
南の海湧き立てり椿山/松本たかし
南の遅き紅葉に年往けり/西本一都
南の海湧き立てり椿山/松本たかし
南へ耕地伸ぶ帰燕導きて/宮津昭彦
その日々の南隣の柿若葉/京極杞陽
南へ肩ゆるやかに初比叡/村尾梅風
南より春風吹くや東大寺/正岡子規
ひた鳴て南し去りぬ杜宇/寺田寅彦
南窓の雨を聴く夜や郭公/会津八一
南窓椿に開けて直指庵/安村佳津男
ほとゝぎす南さがりに鄙曇り/暁台
南麓に灯の帯展け朧富士/川村紫陽
夏果つる瓶に南の島の砂/安居正浩
夕立や南を見れば雲の峰/正岡子規
俳句例:61句目~
大宮や南がしらに雁の声/黒柳召波
大山の南に不二や渡り鳥/滝井孝作
大木にして南に片紅葉/松本たかし
大江山南ふもとに春深し/佐藤春夫
天の川海の南へ流れけり/正岡子規
乳母車南にならべ芋煮会/三村凪彦
実朝の海を南に白木槿/大木あまり
寄鍋や南も塞ぐ父なりし/大屋達治
先づひらく南を梅の貴方かな/望一
年つまる頬刺の鰺南より/川崎展宏
明月は南に得たり仏頂珠/服部嵐雪
朝の耕し南へ下がる方十間/上林裕
初紅葉南に低く家相なす/岩城久治
杖ひけば黄水仙みな南向/下村槐太
柿若葉丘の南は田もまぶし/秋櫻子
梅さくや馬の糞道江の南/五車反古
北窓は塞ぎ南に海を置き/高木晴子
北風の南にかはる小春哉/正岡子規
南の海湧き立てり椿山/松本たかし
椿照る南くだりに島の坂/荒井正隆
俳句例:81句目~
河越える再会南に海覚え/金子兜太
燈台の闇や帰雁の南より/羅蘇山人
片時雨南に夕日残しけり/山岡正嗣
南にもはつ鴈がねの声すなり/暁台
真帆片帆湖の南は夕立す/寺田寅彦
秋の山南を向いて寺二つ/夏目漱石
稲の穂や南に凌雲閣低し/子規句集
稻の穗や南に凌雲閣低し/正岡子規
稻妻や南に晴れし盆の月/正岡子規
老人と浜を南へ歩むなり/夏石番矢
菊の垣南の山は上野なり/正岡子規
蜆舟の今日南なる去ぬ燕/大谷句佛
陵に菊焚く南ありにけり/山本洋子
陸羯南ここに生れて鳥帰る/辻桃子
南に花すこしある紀三井寺/野村泊月
茄子の馬南々西の星のいろ/森田緑郎
山彦の南はいづち春のくれ/蕪村遺稿
給水塔南茂りの蔦まとひ/中戸川朝人
水仙の島の南にとゞまる日/野村泊月
水仙の南にたはむ一葉かな/会津八一