忌日に関連した俳句の例をまとめました。
忌日を含む俳句例
新宮に忌日八月十二日/黒田杏子
婆殿の忌日忘れそ蓬餅/正岡子規
頼政の忌日もしらで網代守/也有
筆のもの忌日ながらや虫払/召波
返り咲く花石鼎の忌日来る/原裕
俳諧の忌日は多し萩の露/高浜虚子
忌日あり碑あり梅若物語/高浜虚子
守武の昔を今に忌日かな/高浜虚子
先づ母の忌日を記す初暦/後藤春翠
茄子咲き順三郎の忌日なり/宮下登
小豆煮る父の忌日や冬暖/田中冬二
納豆汁僧に参らす妻忌日/柴田松雪
母の忌日筍飯を思ひ出に/加島蜂龍
露草に大きな雫師の忌日/影島智子
柊の花咲く頃か母の忌日/伊藤敬子
身に一つ加へし忌日初朧/目迫秩父
秋袷忌日の月もこえにけり/及川貞
鰯雲人は忌日を綴りゆく/殿村菟絲子
忌日とて西行桜ちりにけり/青木月斗
桜餅母の忌日は誰も知らぬ/青木良繁
俳句例:21句目~
旅心わきて芭蕉の忌日なる/浅賀君女
底紅の花に傅く忌日かな/後藤比奈夫
忌日なき遊女の墓や虎落笛/正岡照世
甘藷粥や父の忌日の膳低く/石川桂郎
猫汚れをり漱石の忌日なり/清水忠彦
心閑子規の忌日を迎へたる/高浜虚子
父酔へり母の忌日の冷酒に/菖蒲あや
忌日なり又冴え返る風の音/正岡子規
良寛の忌日の故か暖かし/相生垣瓜人
たぶん木の忌日寒がる裏の山/鈴木明
春泥や忌日の寺の坂がかり/石塚友二
花冷ゆる戦艦大和忌日かな/和田知子
茄子汁に村の者よる忌日哉/正岡子規
ひろしまの忌日や高く飛べる蝶/原裕
草々の筆の達磨も忌日かな/菅原師竹
草の餅母の忌日を忘れまじ/椎橋清翠
滝壺の忌日ふちどる落椿/文挟夫佐恵
菓子赤く茶の花白き忌日哉/正岡子規
蜩や忌日をいつも此の寺に/中川四明
軸掛けて椿活けたる忌日哉/正岡子規
俳句例:41句目~
重陽の節句と思ふ忌日かな/稲畑汀子
龍胆の一色抱きて忌日なり/都筑智子
雨性の母の忌日の花の雨/秋元不死男
露けさの指の先まで一忌日/岩岡中正
万太郎忌日の竹や軒を貫く/石川桂郎
泊雲の大きな写真忌日かな/京極紀陽
俳諧の忌日の中の子規忌かな/上村占
河童の子河童の親の忌日かな/上村占
兄の忌日の暑き枕を裏返す/北野民夫
冬苺母の忌日の近づけり/柳瀬都津子
十二月心に留む忌日あり/小島阿具里
十月の母の忌日や虹かかる/佐藤和子
古暦夫の忌日の残りゐて/小浜十四子
四月六日蜀山人が忌日なり/加藤郁乎
氷柱の芯に日籠る父の忌日/津田清子
秋彼岸にも忌日にも遅れしが/高濱虚子
秋の夜や遅れ参じて忌日吟/下村ひろし
石の上の春日やさしき忌日かな/杉本寛
おとうとの梅一輪の忌日かな/赤尾恵以
猫抱いて永井荷風の忌日なり/増成栗人
俳句例:61句目~
梅若忌日も暮れがちの鼓かな/飯田蛇笏
なき母の忌日と知るや網代守/夏目漱石
父の忌日青々と来て田水沸く/岩淵稲花
桜桃といへば親しき忌日なる/矢島渚男
父さみし母の忌日の栗むきて/菖蒲あや
湯豆腐や兄弟だけの一忌日/渡辺いえ子
もみぢ葉よ忌日の後にま一日/立花北枝
わが齢とどく芭蕉の忌日かな/後藤夜半
渡る鳥なくて忌日の磯暮るる/小室善弘
ルナールの忌日の雨や蝸牛/山田みづえ
一山の石蕗が忌日を濃きものに/今村青
枯草に日あたるははの忌日かな/西山誠
夾竹桃おなじ忌日の墓ならぶ/朝倉和江
娘らにレノンの忌日葱匂ふ/中戸川朝人
哥川忌と云へる露けき一忌日/伊藤柏翠
呑竜忌日陰も風のわたりけり/松橋利雄
吾が齢とどく芭蕉の忌日かな/後藤夜半
冬菊や忌日にのこす二三輪/大橋櫻坡子
老猿の忌日を栗の落ちにけり/正岡子規
老鴬や忌日過ぎたる花手桶/大谷碧雲居
俳句例:81句目~
夜べ挿せし芒に修す忌日かな/富田木歩
芋水車かけて忌日の客を待つ/竹崎紫泉
芝を焼く匂ひの中の忌日かな/田村照子
母の雛飾る忌日の巡り来て/山田みどり
冬の雷鳴るも樗牛の忌日かな/工藤金一
夕焼を父と思へり父の忌日/山口波津女
墓もなき母の忌日の野菊咲く/菖蒲あや
草の絮空へ吹きあげ忌日昏る/伊藤京子
朝日さす忌日の硯すりにけり/室生犀星
忌日近づきし巣林子の墓前/後藤比奈夫
蒼猫忌とはわが忌日夏の雨/大木あまり
蚕豆の旬を忌日に母亡くす/鳥居美智子
母好みし紅梅昏れて忌日暮る/大野林火
俊寛の忌日の風ぞ狂ほしき/相生垣瓜人
嵯峨山や去来の忌日人知らず/松瀬青々
忌日また雨に濡れたる貴船菊/横田杜葉
連翹忌日陰に生きて光源たり/香西照雄
料足に栗まいらする忌日かな/黒柳召波
師と吾の間に落葉の忌日かな/草間時彦
金木犀夫の忌日を帯かたく/前田佐吉子