猫の子/子猫に関連した俳句の例をまとめました。
猫の子/子猫を含む俳句例
猫の子に胸とゞろかす蟇/村上鬼城
人去つて仔猫寄りくる十三夜/照子
子猫鳴く遠に足柄箱根山/古舘曹人
掌にのせて子猫の品定め/富安風生
耕耘機始動の闇に子猫かな/今井聖
仔猫寝る弘法市の大皿に/小中はまこ
大寺に障子はる日の猫子猫/三好達治
九体仏親猫仔猫とほりけり/細川加賀
九体佛親猫仔猫とほりけり/細川加賀
閑適や子猫を膝に山を見て/富安風生
猫の子は壁の隅々廻りけり/増田龍雨
寵愛の子猫の鈴の鳴り通し/高浜虚子
猫の子をのこし楸邨逝き給ふ/原田喬
猫の子が道の一町先へ来て/山口誓子
戯るる子猫を叱る目の笑ふ/井上秀甫
学問の胡坐の膝の子猫かな/日野草城
拾ひたるよりの仔猫の物語/高浜虚子
捨られて子猫鳴けり霜の中/松瀬青々
猫の子の眷族ふゑて玉の春/正岡子規
猫の子の爪硬からず草若葉/富安風生
俳句例:21句目~
猫の子の巾着なぶる涼み哉/向井去来
眉目悪き方を選びぬ捨仔猫/本橋美和
葉がくれの瓜と寝ころぶ子猫哉/一茶
秋蚊帳に仔猫も家の人の員/石塚友二
空港に月と猫の子残さるる/加藤秋邨
窓を打つ雨に子猫が虫の息/岸本尚毅
貧乏の生活に子猫加はりぬ/深町丘蜂
貰はれる話を仔猫聞いてをり/上野泰
猫の子のくんづほぐれつ小蝶かな/其角
猫の子の養老院にもらはるゝ/近澤杉車
つまみあぐ猫の子軽し月見草/横山房子
猫の子に嗅がれてゐるや蝸牛/椎本才麿
猫の子のいづれに傅ふ柳かな/会津八一
時同じく鼠の子猫の子が育つ/右城暮石
末の子の子猫に何か諭しゐる/塗師康廣
猫の子が踏むあぶな絵の畳皺/長谷川双
猫の子の育つてゐたり志度詣/岡井省二
もう既に子猫が申す好き嫌ひ/有馬朗人
わが仔猫神父の黒き裾にのる/平畑静塔
猫の子をつまみあげたり長堤に/中田剛
俳句例:41句目~
猫の子や親を距離て眠り居る/村上鬼城
猫の子がちよいと押へるおち葉哉/一茶
麥飯の麥こぼしゐる仔猫かな/後藤夜半
猫の子が往診鞄嗅ぎに来し/福島杜子夫
猫の子として存在す痛烈に/鈴木六林男
花合歓や生れし仔猫みな育て/羽部洞然
猫の子や尼僧の掌なる巨き鍵/小池文子
蟻が過ぎ猫の子が過ぎ楸邨過ぐ/今井聖
行商に貰はれてゆく子猫かな/亀田牧女
猫の子は菫の花をねぶりけり/松瀬青々
猫の子や秤にかかりつつじやれる/一茶
迷ひ来し仔猫のなつき夏休/刈谷次郎丸
砂山の草あるところ仔猫の屍/成田千空
仔猫すでに捨猫の相ほうせん花/野沢節子
仔猫の目下りてくる手を映しをり/丸山工
仔猫らにあたたかき飯月出づる/中山純子
猫の子のまつはるを蹴て畳掃く/清原枴童
仔猫遣る霜解けしるき小社宅/殿村莵絲子
初啼の江戸家子猫でござゐます/筑紫磐井
唾をのみ犬も仔猫を愛憐しむや/木津柳芽
俳句例:61句目~
猫の子や尼に飼はれて垣のうち/飯田蛇笏
猫の子の襖あけよと鳴きにけり/増田龍雨
子猫の名われに教へて呼びにけり/上村占
猫の子の膳に随き来る旅籠かな/松藤夏山
子猫見て親猫の居ぬ鳳仙花/長谷川零餘子
猫の子に障子のうちもよき日和/下村槐太
流水を見てゐる秋の子猫かな/高橋淡路女
この仔猫すこし眇に生れけり/加藤三七子
つきまとふ子猫をりけり初荷市/鈴木昭次
猫の子の素通りしたる憤怒佛/北見さとる
薫風や子猫下り次ぐ庭草に/長谷川かな女
百代の過客しんがりに猫の子も/加藤楸邨
猫の子の人に知られてもらはれし/上村占
裏方にあはれ飼はるる仔猫かな/野村喜舟
親に似し子猫一つをのこしけり/河野静雲
捨てられて猫の子顔の重たけれ/加藤楸邨
貰はるる子猫に決まる運不運/八牧美喜子
猫嫌ひなどと言ひつつ子猫抱く/稲畑汀子
貰ひ来し子猫にリボンとりあへず/上村占
捨仔猫不憫を掛けてならぬなり/山田弘子
俳句例:81句目~
迷ひ来し子猫垣根にそひ逃げる/高木晴子
捨仔猫見捨てし罪を負ひ帰る/橋本多佳子
髭撥ねて仔猫も化粧覚えける/住谷不未央
蟋蟀をこはさず咥へくる子猫/赤松けい子
猫の子のもらはれて来し小島かな/山本洋子
猫の子は何処に泣き居り草を刈る/西山泊雲
猫の子や今朝又死ちて籠の中/長谷川零余子
猫の子や今朝又死ちて籠の中/長谷川零餘子
猫の子をくんずほぐれつ胡蝶かな/宝井其角
猫の子を叱れば何か啼きにけり/高橋淡路女
およそあはれに猫の子の啼きにけり/安住敦
かたまりの中より子猫覚めてきし/森田桃村
くすぐつたいぞ円空仏に子猫の手/加藤楸邨
つなぎ飼ふ子猫に胡洞おぼろ濃し/田中英子
二三疋子猫産れし侘居かな/吉武月二郎句集
紙とんでゐしにはあらず子猫かな/星野立子
仔猫の臍探しあぐねて日脚延ぶ/殿村莵絲子
肩の上にいつも仔猫や菊いぢり/五十嵐播水
脱ぎ捨てしものの中より仔猫かな/小原啄葉
芥子を見る懐に抱く子猫かな/長谷川零餘子