青春に関連した俳句の例をまとめました。
青春を含む俳句例
青春の隊長の葬寒林に/杉本寛
甦る青春の日々明易き/安原葉
晩年の青春切符星祭/三浦すゑ
冬草や耳たぶ汚れなき青春/爽波
菊坂は母の青春散紅葉/村松/堅
わが妻に永き青春桜餅/沢木欣一
鰯雲わが青春の万華鏡/鷹羽狩行
鯉幟わが青春に戦あり/伊東宏晃
軍帽は夫の青春衣育て/市川弥栄乃
青春のほろびし灰に落椿/仙田洋子
青春のあるとき暗し鳥兜/有光令子
古書市に青春探す小春かな/有働亨
殺戮もて終へし青春鵙猛る/鉄之介
色褪せし我が青春の白絣/田中義孝
四方太忌や未だ青春の志/田中寒楼
青春を焦土の中に広島忌/重本泰彦
青春の殻を残して卒業す/斉藤良子
夢捨てぬ限り青春初鏡/安河内登志
嫁がねば長き青春青蜜柑/大橋敦子
青春の辞書の汚れや雪催/寺井谷子
俳句例:21句目~
青春の裸浸りて淵青葉/池内友次郎
早春は青春に似て水韻く/中村明子
昔真神の深雪匂ひの青春楡峠/林桂
生涯を青春として更衣/梶山千鶴子
十二月八日青春欠け初めし/森洋子
共学を知らぬ青春漱石忌/荒井書子
青春の目鼻飛ばして大嚏/攝津幸彦
演劇にかけし青春卒業す/山崎和代
いつまでを青春といふ夏衣/高橋悦男
美男蔓いま青春といふ色に/山田弘子
せがまれて語る青春鳥雲に/仲村青彦
青春忌遠雷スワン家の方へ/藤原月彦
青春を培ひし書を曝しゐる/古高厚子
青春や酒量ふえても背に翼/江里昭彦
青春も人も遥けし夕の野火/飯泉葉子
青春の苦き珈琲ゼリー食む/成田郁子
青春と口紅でかく狂ひ咲き/和田季洋
海見ゆるかぎり青春豆の花/菖蒲あや
我ら知らぬ母の青春母子草/寺井谷子
青春の晩年の子規芥子坊主/金子兜太
俳句例:41句目~
青春の想ひをはこぶ沈丁花/雨宮抱星
焚火火の粉吾の青春永きかな/草田男
青春の十年の張り初浅間/松田ひろむ
失ひし青春のごと虹消ゆる/常石芝青
吾が青春水蜜桃の薄皮むき/三好潤子
独り身の今も青春日記買ふ/平田節子
青春のまつただ中の日焼顔/寺岡捷子
冬銀河青春容赦なく流れ/上田五千石
曝す書に我が青春の一紙片/東山喝子
青春の楽続きをり今日の月/酒井郁子
消えのこる月と青春草刈女/木下夕爾
青春の真っ只中や鮎跳ねる/中村信吾
月仰ぐいま青春の二人子と/中嶋秀子
青春が晩年の子規芥子坊主/金子兜太
青春のひと刻賭けし大雪渓/角田双柿
林檎噛む歯に青春をかゞやかす/麦南
枯芝に青春もかく翳りたる/木下夕爾
露台よりわが青春の海見えて/星野椿
青春の遠さ雪解のきらびやか/宇咲冬男
青春の音す胡桃を割るたびに/小林康治
俳句例:61句目~
青春は悪夢に似たりたらの花/角田双柿
げんげ田に寝し青春を失へる/田村一翠
ひと息に蝌蚪流れゆく青春も/倉橋羊村
手話びとの青春しづか緑立つ/堀口星眠
亀啼くや青春果てし手を洗ふ/小林康治
仁王永久に青春の貌山の虻/大峯あきら
初袷青春すでに子らのもの/篠田悌二郎
命ある日々が青春薔薇を観に/伊東宏晃
敝衣破帽の青春悔いず西郷忌/山下鴻晴
春の潮わが青春に寮歌あり/和田あきを
書き込みし青春の檄書を曝す/川端/実
月の友青春今もあるごとし/山内年日子
本漁ればいつも青春肩さむし/古沢太穂
校塔の冬日はうすれ青春失せ/岩田昌寿
椿寿忌やわが青春の稽古会/深見けん二
河骨や吾が青春は下駄なりし/藤後左右
炎天に匍匐し走りたる青春/根岸たけを
白地着て子に青春の始まれる/松本明子
百合の列青春開花何時の日ぞ/香西照雄
競漕や青春はがねの脚持てり/田山康子
俳句例:81句目~
青春と云ふ言葉好き春野馳く/本田祐子
羮や銀匙うらゝかに舌青春/松根東洋城
苺つぶす青春に悔なしとせず/千原叡子
草いちご青春暗き沼もありし/山口冬男
草笛を吹いて青春呼びもどす/貴舩恒夫
豊年や飢ゑて過ごせし青春期/八橋隆文
隧道なか坐席疾走しぼくら青春/上月章
青春のいつかな過ぎて氷水/上田五千石
青春のいま静のとき毛糸編む/山田弘子
青春のかけらにも似て桜貝/池上奈々子
青春のただ中の顔スキー負ふ/岡田貞峰
青春のひかりまぶしむ春の沼/金山敏允
青春の日に似て妻と花野ゆく/伊東宏晃
青春の日に比しがたき霜の天/飯田蛇笏
青春の貧はよかりし曝書かな/新明紫明
青春の過ぎにしこころ蝉の殻/福島清恵
青春にサルビアの朱ほどの悔い/岩岡中正
青春はすでに子のもの虹仰ぐ/牛山一庭人
かかる青春塩田に砂撒きちらし/津田清子
病みぬけし子の青春や雪焼す/殿村莵絲子