千年に関連した俳句の例をまとめました。
千年を含む俳句例
千年の幹の塊桜咲く/太田土男
千年の礎を吹く青嵐/臼田亜浪
橙や春をかさねし千年家/山呼
寒鮒に千年かたちよき麓/松澤昭
千年の建物黒し冬木立/正岡子規
千年の緑を松の自在釜/松岡青蘿
冬靄の底に三千年の街/山田弘子
初弓や千年杉の雫して/大竹淑子
千年を飛び一刹の冷奴/古舘曹人
風薫る炉火千年の釜鎖/石川桂郎
秋の声千年杉の梢より/田村恵子
千年の塔の風鐸小鳥来る/石嶌岳
淑気満つ杉千年の男坂/道川虹洋
千年の男銀杏の影涼し/佐藤信子
氏神の千年杉や初詣/水谷純一郎
千年の杉や欅や滝の音/草間時彦
千年の秋の山裾善光寺/高浜虚子
神の蛇楠千年の枝を張り/福島芙美
千年の杉千年の涼湛ヘ/三田きえ子
千年の松に風蘭いま盛り/土屋雅世
俳句例:21句目~
うらうらと千年後も微笑仏/関成美
千年の松をかゝへて雨蛙/正岡子規
千年の楠に手を当つ初詣/園本穹子
千年の楠の大樹の金若葉/高橋悦男
千年の樟息づける春落葉/神山果泉
神将の忿怒千年黴び給ふ/石野冬青
また次の千年京の山眠る/田山康子
神杉の千年の黙冷まじや/森戸光子
秋風や皆千年の物ばかり/正岡子規
空蝉は胎児の容千年樹/伊丹さち子
梟が土笛を吹く千年杉/大塚健一郎
躾糸抜いて千年鶴のまま/永末恵子
朝寒き壷や千年毒ねむり/加藤楸邨
青北風や土偶三千年の黙/矢野忠男
新しき千年紀まづ寝正月/松尾隆信
手鏡の蛇千年の多毛かな/久保純夫
密教の杉千年の露に濡れ/堀井和子
千年の八百比丘尼洞の涼/庄中健吉
千年の冬霧を吸ふ都かな/増田陽一
大三島千年の香の桐の花/武田孝子
俳句例:41句目~
千年の大寺一つ雪野かな/正岡子規
千年の仰臥屈葬まざと寒し/齋藤玄
千年の始めの年の若菜粥/長谷川櫂
千年の手淫につなぐ紫木蓮/高岡修
千年の昔のごとく耕せり/富安風生
千年の杉の花粉を浴び詣づ/滝峻石
いづみ千年湛ふ白きは姫辛夷/及川貞
磨崖仏千年が過ぎ蝶が過ぐ/岸原清行
砂山に千年を待つといふ女/長澤奏子
千年を昨日の如く水澄めり/駒走松恵
百年千年夢見て青き冬景色/寺井谷子
千年の沖行く闇の鯨かな/渡辺誠一郎
行秋や柱に匂ふ千年の朱/水原秋櫻子
万葉の海千年経て布袋草/百合山羽公
三千年先人の声もがり笛/百合山羽公
今年鵙杉の千年根も見せず/和知喜八
千年の煤もはらはず仏だち/正岡子規
千年やそよぐ美貌の夏帽子/攝津幸彦
千年へ一歩踏み出す恵方道/高橋悦男
千年の地軸に座して睡蓮花/宮崎敦子
俳句例:61句目~
千年の寺いつからの蟻地獄/津田清子
千年の節目に唐辛子が真赤/歌津絃子
千年の楠の洞穴したたれり/佐藤豊子
千年桜雨となりゆく闇はらむ/西村琢
千年の樹香かがよふ島の秋/小田房子
千年の露に消えけり足の跡/正岡子規
千年の杉の真すぐや青嵐/加藤知世子
奈良千年伽藍伽藍の時雨哉/正岡子規
千年に一度の亀の鳴くを待つ/原田喬
千年の口伝が生きてお水取/高澤良一
千年を石に問いつつ黒揚羽/久保純夫
花のなか千年の桑黒く立つ/矢島渚男
若葉して千年と言ふ楠大樹/柴原碧水
記念樹の樹齢千年樫若葉/小俣由とり
賀状書く千年さまの誕生日/武田和郎
千年の命よぢれて藤枯るる/高橋悦男
長き夜や千年の後を考へる/子規句集
陸の果てまで千年藤枝分れ/藤川游子
雨故郷千年沼のぬなはかな/小川芋銭
千年の神杉降らす花粉浴び/稲畑汀子
俳句例:81句目~
千年の瘤にひこばえ樟若葉/河野頼人
風音を千年聞きて滴れる/正木ゆう子
魚山の名こゝに千年冬木立/小塙徳女
鳥雲に石は千年答へざる/河原枇杷男
千年を目覚めし馬鐸涼やかに/田上房子
千年家いつごろよりの蟻地獄/平田冬か
千年杉高尾の秋天持ち上げて/川崎慶子
威をもちし千年藤を仰ぎたり/今泉貞鳳
新しき千年ひらく初日かな/佐藤美恵子
晩菊の村の尽きたり千年家/ふけとしこ
樹の洞に千年の闇たきざくら/野澤節子
白南風や仏眼閉ぢしまま千年/小澤克己
この寺の千年椎の雪解かな/大峯あきら
しくるゝや奈良は千年二千年/正岡子規
ひぐらしや千年不滅の御法燈/河野静雲
みほとけの指千年の秋かぞふ/中村明子
初時雨千年を経て邪鬼は邪鬼/吉田渭城
芒枯れて千年の野狐石に化す/正岡子規
千年とひと春かけて鳥堕ちぬ/攝津幸彦
苗木選る千年杉の種といふ/三浦のぼる