宴に関連した俳句の例をまとめました。
宴を含む俳句例
人媚て朝宴す新樹陰/暁台
迎春の宴に南十字星/峰山清
盃の七福神や月の宴/西本一都
庭に出て宴半ばの夕桜/森田峠
月交え白木蓮の夜の宴/高澤良一
艫並べ宴のはての遊び舟/杉本寛
雛の宴五十の内侍酔れけり/召波
鷂の宴の跡や名草の芽/荒谷/京
一本は蝮酒なり月の宴/茨木和生
寒月に影遊ばせて野の宴/稲岡長
枯蓮田見て祝婚の宴まつ/堀口星眠
入れ違ふ襖絵花の宴あと/中尾杏子
蚊の影や讌はてたる白襖/西島麦南
天はいま宴の如し鷹柱/大岳水一路
焙り肉に鮮菜雪や春宴/松根東洋城
さかなせよ十二神将花の宴/中勘助
庭草の虫の宴に吾も参ず/高澤良一
湖のホテルの庭の月の宴/木下碧露
花の宴或は剣に躍るかな/内田秋皎
夜桜の宴へ運ぶよ鍋焜炉/北野民夫
俳句例:21句目~
天上に宴ありとや雪やまず/上村占
正徳六丙申弥生の花の宴/野澤節子
宮方や花の御宴の主人役/正岡子規
春夕焼華やぐ中に宴待つ/相馬遷子
宴はてゝ車呼ぶ也春の月/正岡子規
石庭を見来て松茸焼く宴/久米正雄
春愁や結婚被露宴豪華/遠藤若狭男
小淋しき月見の宴や雨曇/正岡子規
行春や狸もすなる夜の宴/高井几董
赤飯に新米とある婚の宴/飯田弘子
月の宴桐箱出でし皿小鉢/品川鈴子
菊暮れぬ菊見の宴の緋毛氈/松藤夏山
おほし立つ雨の御宴や杜若/尾崎紅葉
菊の宴に菊の蒔繪そ心なき/正岡子規
若人の宴青林檎火口に落つ/津田清子
月の宴背中合せに上司ゐて/西田安子
すき者の大臣気疎き月の宴/寺田寅彦
彩なせる花野となりし大宴/渡辺恭子
朧夜の宴の氷菓くづし領く/久米正雄
老櫻のひろがる限り宴かな/和田悟朗
俳句例:41句目~
抜け出でし宴の外の天の川/小林碧郎
納涼の宴がのぼる隅田川/山口超心鬼
雲上のうたげあかるし星祭/橋本榮治
独酌む老師はさみし冬夜宴/河野静雲
二番目の娘みめよし雛の宴/正岡子規
人去りて宴のあとや秋の浜/松野若菜
狂言に鹿おどろきし後宴能/右城暮石
伽羅の御所宴の跡や初紅葉/仁科歌子
冬晴のまつただなかに賀の宴/上村占
大学生最後まで観る後宴能/右城暮石
国中を一望にして花の宴/新子満州男
数の子の黄金重ねし宴かな/鷹羽狩行
初雪に人寒からぬ御宴かな/黒柳召波
月の宴秋津が聲の高きかな/蕪村遺稿
分身の杖を寝かせて花の宴/松宮/昭
月の宴男の船場ことばかな/茨木和生
蕭吹くは大納言なり月の宴/夏目漱石
湾語華語丁々発止と宴暑し/羽田岳水
裸電球吊してよりの花の宴/梅田光憲
婚の宴つづく借景の太平洋/伊丹公子
俳句例:61句目~
夜桜や宴に一品持ち寄りて/小川/守
還暦の宴寒鯉の血を飲めと/茨木和生
雑炊となりし宴に浪の音/中戸川朝人
片側は女人ばかりや月の宴/石井露月
ルンペンのうたげの空の星一つ/篠原
春惜む心うたげの半ばにも/高浜年尾
熊祭しばしうたげの濁り酒/小暮恵三
苺皿うたげの光ちりばめし/西岡正保
利酒や胡桃を割つて宴なす/笠原古畦
月はいま真上とおぼゆ舟の宴/林原耒井
擂り鉢のままの山芋夜宴張る/高井北杜
日出づるところの天子菊の宴/福田把栗
春月に地壇の宴を惜しみけり/荒井正隆
曲水の宴にはべりて眉うすく/西野文代
地の底の宴はをはり牡丹の芽/藤田湘子
河豚の宴吏をまつ雨の乗用車/宮武寒々
温突や膝組み入れて昼の宴/上川井梨葉
灯の入りて宴のごとし雛の店/梛すゞ子
花の宴庇に沿うて灯りけり/阿波野青畝
花の宴果ててなほ呑む未練酒/野崎昭子
俳句例:81句目~
花の宴琴弾かさりし不興かな/正岡子規
花の宴銃眼に置く缶ビール/山口超心鬼
菊形の菓子賜はりし御宴かな/寺田寅彦
これより夏砂州を舞台の花宴/高澤良一
蚊遣淋し宴つづきの果てし宵/富田木歩
蝋涙の富貴なさまや雛の宴/安藤橡面坊
さなぶりの宴一日つづきをり/岸下庄二
さねかずら八雲大王入日の宴/夏石番矢
のみつぶす身代をかし月の宴/野村喜舟
ひとり出て宴のさなかや冬の星/大高翔
ほこほこと菊の宴の炬燵の火/木村蕪城
野の宴へ良夜の靡推して入る/前田秀子
野の色を活けて月待つ宴かな/今村征一
伝法となりゆく宴やふぐと汁/小坂順子
牧場の月見の宴に招ばれけり/太田土男
露の世に在さば此の席此の宴/高木晴子
鬼押しの死者の宴や黄落期/四倉喜美子
夜の雉子望郷の宴張られたり/村越化石
妹が頬のほのかに赤し桃の宴/正岡子規
星たちの深夜のうたげ道凍り/相馬遷子