野遊びに関連した俳句の例をまとめました。
野遊びを含む俳句例
野遊の一番先の末子かな/上野泰
野遊の帰りの話風に飛び/上野泰
野遊や路山に入る麥畠/会津八一
野遊や父老遅しと顧る/小野素茗
野遊びの口笛何ぞ高音なる/林翔
野遊びを誘ふ野崎の花暦/前内木耳
野遊びを誘ふ寒山拾得図/小原紫光
老僧の花野遊びは苦行とも/齋藤玄
野遊びやたつて腰うつ春の暮/信徳
野遊びや草のむしろも譲り合/雙鳥
野遊の人見に登る天守かな/谷活東
女患らが病廊に出て野遊す/齋藤玄
野遊びの一番先の末子かな/上野泰
野遊びの終り太平洋に出づ/大串章
野遊びの我れが水晶玉の中/今井聖
野遊や霊園行のバスに乗り/瀧春一
野遊や筍早き嵯峨の寺/松根東洋城
野遊びの大西洋に車椅子/斎藤夏風
野遊びの妹にして人の妻/南川成樹
野遊の人沈みゆく起伏あり/佐藤朴水
俳句例:21句目~
野遊の女がぬぎし羽織かな/野村喜舟
野遊の弁当赤き紐ほどく/深見けん二
野遊の心たらへり雲とあり/高濱年尾
野遊やあらぬ方より男だち/石井露月
野遊びの着物のしめり老夫婦/桂信子
野遊びの橋渡るとき川覗く/小杉風子
野遊の誰もの声を瀬が奪ふ/中村汀女
野遊の遥に水をもとめけり/会津八一
野遊びと世は異ならず白遍路/森澄雄
野遊びのつづき遊覧船の上/小林呼渓
野遊びの子にひつじ雲兎雲/根岸善雄
野遊びや霊園行のバスに乗り/瀧春一
野遊びや老の一日すぐ暮れる/菅敏夫
妹あわれ野遊の飯食みこぼし/三谷昭
野遊びや泡吹虫の泡も見て/小島國夫
野遊びに昏れ兄妹の同じ声/杉本雷造
野遊や小松がもとの物語り/会津八一
野遊びに祖先の雲の大きかな/里見静
野遊びの父に教はる草木かな/上野泰
野遊びの切株に置く犬の服/小林波留
俳句例:41句目~
野遊や夕餉は連れの友の家/鈴木花蓑
野遊や口ついて出る唄の節/野村喜舟
野遊びの遠い人影三鬼亡し/佐藤鬼房
野遊や人目なければ頬被り/岡本松浜
野遊びの逢魔が時の橋こつ/牧瀬千恵
野遊やよそにも見ゆる頬冠/村上鬼城
野遊びの横顔ばかり墓地をゆく/今井勲
野遊びの水のしみだす一ところ/辻桃子
丘の上に並びて終る野遊びよ/高柳重信
野遊びの皆伏し彼等兵たりき/西東三鬼
印籠に野遊の絵のふくれをり/大石雄鬼
野遊びの離れ居りしは炊ぐなり/鈴木元
野遊びや我等役職官位なし/市野沢弘子
野遊びや水の上くる火の匂ひ/田部谷紫
野遊びや江戸は目黒の不動尊/門脇山卯
野遊びや略図に太き川渡り/櫛原希伊子
野遊のひと日得て飯握るなり/森川暁水
野遊のをとこが汲んで谿の水/大石悦子
野遊びや赤子の口に箸入れて/安部元気
野遊の心のままに別れけり/水田むつみ
俳句例:61句目~
野遊の時間を油断しすぎたる/山田弘子
野遊の果の船渠にうづくまる/大石雄鬼
野遊びや近く寄りくる淀の鳥/吉田冬葉
野遊や肱つく草の日の匂ひ/大須賀乙字
野遊びに足らひし妻か夕支度/中島斌雄
野遊びのあつまりて皆直面/吉本伊智朗
野遊びのこけし並びに縄電車/奥田恵美
野遊びのしるべの一樹囀れる/橋本榮治
野遊びの刃物が光る彼方かな/原子公平
野遊びの声に湧き来し稚の群/河野南畦
風出でて野遊びの髪よき乱れ/西東三鬼
野遊びの子ら全身を声にして/清水明子
野遊びの心たらへり雲とあり/高浜年尾
野遊びの挙手を幾たび縄電車/島村久枝
野遊びの二人は雨の裔ならむ/河原枇杷男
野遊びの昼餉の中をわが通る/八木林之助
俘虜の列野遊びのごと還るなり/平畑静塔
商ひの遠出野遊びごころにも/宮井しづか
書を繰りて野遊びの夜の指粗し/山田弘子
百姓にまされる休躯野遊びす/榎本冬一郎
俳句例:81句目~
野遊びの続きにありぬ養老院/小泉八重子
野遊びの袂を風にふくらませ/山口波津女
野遊びや家の暗きにいつも母/中川須美子
野遊びの児の尻花粉まみれなる/江里昭彦
野遊びや一死もとより屠龍の技/加藤郁乎
野遊びの山の名聞きてすぐ忘れ/今瀬剛一
野遊びの野に月上げておどろ髪/攝津幸彦
野遊びやリユックにごつと洋酒壜/小島健
野遊びの児等の一人が飛翔せり/永田耕衣
野遊びの人たまり来る渡舟かな/行方克巳
野遊びの戻りつまづき石の橋/遠藤若狭男
野遊びや肱つく草の日の匂ひ/大須賀乙字
野遊びの服を叩いて起ち上がり/高澤良一
野遊びの少年ナイフ隠し持つ/永島十三湖
野遊びのつひには川を徒渉る/猿橋統流子
野遊びのつづきの二人松に入る/中嶋秀子
野遊びの天に歩みてゆくごとし/平井照敏
野遊やいちごの味の子のあくび/田中幸雪
野遊びのため一湾をよぎり来し/鷹羽狩行
野遊や宇治をめぐりて小半日/田畑三千女