仏壇に関連した俳句の例をまとめました。
仏壇を含む俳句例
仏壇の灯りも加へ種選/黛執
仏壇の十日の菊の香かな/蝶夢
光つつ仏壇沈む秋出水/東條素香
仏壇を閉ぢて仏間も蚕飼ふ/浜牧
仏壇の花の中より鉦叩/吉川信子
仏壇も仏も春の光り哉/正岡子規
仏壇へ十一月の山の影/鈴木厚子
飯山の仏壇町の捩花/西原田鶴子
浅草へ仏壇買ひに秋日傘/岡本眸
仏壇や春潮を羽つよき鳥/上村占
仏壇の妻の写真も日短か/森澄雄
仏壇に梨の坐りの全しや/高澤良一
立春の水仏壇にこぼれけり/原田喬
仏壇に浄瑠璃本の夜寒かな/針呆介
雪の日の仏壇へ水運ぶ母/鈴木鷹夫
仏壇に置く金柑と宝くじ/奥村文洋
仏壇の山吹散りし茶湯哉/正岡子規
仏壇と電話の黒き簾かな/依光陽子
仏壇の扉開かせくる雪崩/対馬康子
仏壇の柑子を落す鼠かな/正岡子規
俳句例:21句目~
仏壇の灰を貰いに藜の杖/樫村栄江
仏壇の白百合二本海に向く/井上雪
仏壇の奥行しらず夏椿/正木ゆう子
仏壇の街というもの寒昴/対馬康子
仏壇の金をくもらす蒸し藷/檜紀代
仏壇へ花の散り込む時を見き/柏禎
仏壇をゆすりに来たり青嵐/原田喬
仏壇を磨く帰郷や春障子/吉川能生
仏壇に雛段からの金花糖/中山純子
余呉人の大き仏壇夕蛍/肥田埜勝美
仏壇に初灯明の火を捧ぐ/笠間愛子
仏壇に十日の菊のにほひかな/蝶夢
八朔や仏壇の中こゑのして/浜明史
仏壇に在す父母冬ごもり/河野静雲
仏壇に坐らぬ柿は父の柿/鈴木鷹夫
帯の文仏壇に映ゆ十二月/宮武寒々
仏壇の大きな家の春の暮/藤田湘子
彼岸花莟ばかりのお仏壇/高澤良一
春の夜の仏壇見ゆる燈哉/正岡子規
仏壇に朝日が当り夏疲れ/桑原三郎
俳句例:41句目~
仏壇の妻より貰ふ桜餅/高原喜久郎
荒梅雨や仏壇吊るす輪中村/澤田正子
仏壇の灯に遠からず走馬灯/山田弘子
立待のライター仏壇に戻す/池田澄子
空蝉ばかり仏壇巨大なる村は/林唯夫
仏壇も他宗かぶれや繭の主/大谷句佛
仏壇の中の暑さを尋ねけり/守屋明俊
仏壇も露も大きく芋の秋/大峯あきら
神棚も仏壇もなく神の留守/山内遊糸
男根担ぎ仏壇峠越えにけり/西川徹郎
燈台の仮仏壇も御忌支度/岡本無漏子
仏壇にのせある手紙散牡丹/山田弘子
仏壇を吉野の花に開きあり/沢木欣一
仏壇の秋暑の扉開けてあり/斉藤美規
林檎のみあたらし瞽女のお仏壇/一都
仏壇の間に朧夜の母ひとり/廣瀬直人
仏壇に似し金閣よ水を打つ/岩田由美
仏壇の十字架崩し紋の黴/小原菁々子
秋暑し友が来て仏壇に立つ/松村蒼石
仏壇の裏を金屋通りけり/八百板俊子
俳句例:61句目~
仏壇の裏通ひ路や嫁が君/名和三幹竹
仏壇に御難の餅として供ふ/名取文子
仏壇に据ゑられ桃の尻潰ゆ/品川鈴子
仏壇に桃活けてある三日哉/正岡子規
仏壇に水仙活けし冬至かな/高浜虚子
拝まれて仏壇の柿渋抜ける/武田和郎
仏壇の宙に生きもの春の塵/鷹羽狩行
仏壇を空つぽにして盆支度/鈴木たけ
仏壇に顔入れて煤払ひけり/永方裕子
仏壇のある間も泊めて鮎の宿/林夾山
塗り替へし仏壇戻る盆の月/浅井敦子
仏壇を閑めて始めし畳替/山村美恵子
初物の枇杷仏壇にまづ供へ/岡田敬子
虫の宿代々百姓の仏壇よ/成瀬正とし
仏壇の燭消してより涅槃雪/田中英子
仏壇の梨に経あげ腐らしぬ/円城寺龍
仏壇にかざりてぞあらん古雛/正岡子規
仏壇にひゞき秋夜の汽車通る/梶井枯骨
仏壇の夫暑からん扉を開ける/谷脇春子
仏壇に先祖こみあふ涼しさよ/長谷川双
俳句例:81句目~
仏壇に実梅の青の十ばかり/毛呂刀太郎
仏壇に尻を向けたる団扇かな/夏目漱石
仏壇に供へておのが桃確保/中田みなみ
仏壇に電球の買ひ置き花慈姑/宮坂静生
仏壇のおせんたくてふ涼しき語/杉本寛
仏壇のバーゲンセール年の暮/柏原眠雨
仏壇の中のつめたき良夜かな/大森理恵
仏壇の中の暗きに百合ひらく/菖蒲あや
仏壇の中も茶ぼこり焙炉どき/大森積翠
仏壇の兄はみどり児小豆粥/深見けん二
仏壇の小さき戸じまり枇杷の花/檜紀代
仏壇や夜寒の香のおとろふる/飯田蛇笏
日持ちよき安房金盞花仏壇に/高澤良一
仏壇を買ひし今年や草の市/大場白水郎
仏壇の華に遊びしかたつむり/加藤抱蘭
仏壇の水替へてゐる帰省の子/長野啓女
山梔子や合壁に人形師仏壇師/福田蓼汀
仏壇の鉦の色もて石蕗が咲く/高澤良一
扉のあはぬ仏壇とざし二日灸/亀井糸游
日反しき西陽に仏壇返しかな/西口昌仲