病人に関連した俳句の例をまとめました。
病人を含む俳句例
病人の駕も過けり麥の秋/蕪村
病人の機嫌鋭し秋薊/石田あき子
行春を病人多き都かな/正岡子規
病人に一つ徳あり時鳥/正岡子規
病人の門迄出たる柳哉/正岡子規
病人の仰向になる日永哉/正岡子規
病人の足に黴浮く二月かな/龍岡晋
病人に夾竹桃の赤きこと/高濱虚子
病人に寒き旦暮や猫柳/宮部寸七翁
病人の覆盆子貪る寐台哉/滝川愚仏
病人に忍の雫かかりけり/宮坂竹緒
病人の蚊にうち負し団哉/正岡子規
病人の耳滓春の塵として/嶋田麻紀
病人の汗は流れず縷紅草/石田波郷
病人に遅き朝餉や春の雨/木村蕪城
身邊に病人多き暮の秋/吉良比呂武
病人と靜かに語る師走哉/正岡子規
新豆腐より病人の食戻る/藤浦昭代
秋風に病人のある岸の家/野村泊月
病人の駕で遊ぶや秋の晴/正岡子規
俳句例:21句目~
病人の顔出す窓や春の風/正岡子規
病人に一人の時間水中花/稲畑汀子
病人に一枝見せん梅の花/正岡子規
栗飯ヤ病人ナガラ大食ヒ/正岡子規
病人の枕ならべて五月雨/正岡子規
病人の車て出たる花見哉/正岡子規
病人に鯛の見舞や五月雨/正岡子規
いつまでも在る病人の寒卵/佐藤鬼房
病人ニ八十五度ノ殘暑カナ/正岡子規
病人花活けるほどになりし/尾崎放哉
秋立ちしこと病人の力得し/松尾緑富
秋風や吾は奈良の病人なり/正岡子規
蝿除をして病人の皿あはれ/中村汀女
病人と思はれぬほど初笑/中田みづほ
切られる花を病人見てゐる/尾崎放哉
初夢が覚め病人に戻りけり/小林一泉
病人と鉦木に寝たる夜ざむかな/丈草
嵩もなく病人眠る秋の蝉/今井つる女
病人に一間を貸しぬ花茗荷/星野立子
病人に問ふて払へり盆の掛/春藤山雨
俳句例:41句目~
打よりて病人すゑつ花の窓/尾崎紅葉
病人に秋繭少し掻かれあり/萩原麦草
病人が紙わしづかみ西日中/奥坂まや
病人に逢はずに帰る盆の僧/廣瀬直人
病人に酒しふる春の名残哉/正岡子規
露けしや指の先まで病人に/朝倉和江
病人に鰈煮てをり春の雨/鈴木真砂女
病人の尿を聖樹の蔭に置く/品川鈴子
病人の巨燵消えたる余寒哉/正岡子規
病人の蚊帳の高きを喜べる/西村雪尾
病人は齢とりやすし秋の風/朝倉和江
病人をかくすよしなし青簾/鈴木花蓑
病人を負うて一里や閑古鳥/中村汀女
病人がときをり開く白障子/岩城久治
病人がひとりまじりて福笑/細川加賀
病人が哭くよ素麺閊へると/後藤綾子
日脚伸ぶ病人の手のうで時計/橋本鶏二
病人の拭きころがされ爽かに/浜地潮香
病人の暑さも言はぬこと悲し/吉岡恵信
病人も医師もしづかに聖戦下/藤木清子
俳句例:61句目~
冬の雁病人の辺に少し寝る/細谷ふみを
病人に結うてやりけり菖蒲髪/高濱虚子
病人に朝飯はやし山ざくら/島村元句集
病人の近づいてゆく桃の花/須山おもと
病人に昼風呂立てぬ麦じまひ/木村蕪城
日々に病人づくや雁帰る/久保田万太郎
病人が唇あけてゐる花ぐもり/長谷川双
病人のある気がかりや初芝居/高浜虚子
病人に干草のいきれ迫りけり/杉田久女
曼珠沙華病人の顔捨てに来し/朝倉和江
病人の起きて蚊を焼く夜半哉/正岡子規
病人に声かけてゐる跣足かな/西本一都
病人に二更の榾を焚きにけり/清原枴童
病人に一と間を貸しぬ花茗荷/星野立子
梨子二つ大なり病人の枕もと/尾崎紅葉
病人に一と間を借しぬ花茗荷/星野立子
病人へ嘘いくたびや棕櫚の花/嶋田麻紀
病人が盆栽の梅も咲きにけり/正岡子規
病人へ鰆をほぐしゐたりけり/嶋田麻紀
病人の出す枇杷の種大きかり/高澤良一
俳句例:81句目~
病人のうなされて居る夜長哉/正岡子規
病人のうまいして居る夜長哉/正岡子規
病人のかたはらに来る秋彼岸/広瀬町子
病人の一と匙で足るのつぺ汁/前内木耳
病人にかき餅焼くや茨の花/島村元句集
病人のつゞきてさびし螢籠/五十嵐播水
病人の寝床に掛けし菖蒲かな/正岡子規
病人のあるき出しけり秋の空/正岡子規
病人のあるき出したり春の風/正岡子規
病人の息たえたえに秋の蚊帳/正岡子規
病人と青水無月を過ごしゐる/山崎房子
病人のねむりおちたる雛かな/きちせあや
胼の手を病人に詫び足さする/鈴木早通甲
病人のくひたきといふいちご哉/正岡子規
日焼して来て病人を励ませる/後藤比奈夫
病人の手が秋の蚊をつかみけり/保坂伸秋
葭切や病人乗せし舟いづこ/阿部みどり女
病人と鉦木に寐たる夜さむかな/内藤丈草
病人もあるらしくして飼屋かな/松藤夏山
病人をかかへいそしむ蚕飼かな/橋本鶏二