土産に関連した俳句の例をまとめました。
土産を含む俳句例
拳玉も終大師の袖土産/朝妻力
御身拭袖の香急げ京土産/言水
家づとや咄のさくら花火船/調泉
案の定母の土産は桜餅/青/和子
木曽の橡浮世の人の土産哉/芭蕉
土産の焼蝗の軽い袋だ/大橋裸木
京土産紙や捻りて早稲二穂/含粘
大内の砂を土産や相撲とり/蓼太
船長の土産の美男葛かな/山口剛
皸へ筑波土産のがま膏/岡野寛人
白紙に包みし土産蕗の薹/高浜虚子
土産めいわく風は物かは山桜/九露
海猫と土産話の通ふかな/鈴木孝信
江の島の蛤分つ土産かな/正岡子規
山焼の人出を前に土産店/久保五峰
土産屋の金銀遠し磯遊び/大野林火
鳥帰る土産忘れし急ぎ旅/本宮珠江
高野山高野豆腐を土産とす/石寒太
一握り程の土産の茗荷竹/二宮武子
一様に筍さげし土産かな/高浜虚子
俳句例:21句目~
底冷えや堂守婆は土産売/牧野寥々
上方の土産話しや蚕飼ふ/松藤夏山
蒟蒻の花に人寄る土産店/宮田俊子
夜長し卓に土産の火山弾/太田土男
晩秋や漬物京の土産なる/松本文子
初秋の旅土産軽き吉野葛/山田弘子
初詣誰にともなき土産物/鈴木花蓑
葛餅を土産に嫁の里帰り/柴崎紫華
花槐アイヌが妻の土産店/石塚友二
旅の土産丹波野草と蛍籠/稲畑汀子
龍門の花や上戸の土産にせん/芭蕉
鯖街道旅の土産にふぐの鰭/長野敏子
土産買ふ祭太鼓に誘はれて/角田サチ
お土産は地酒一本山笑ふ/齊藤フク子
地蔵会や祠とりまき土産店/西山泊雲
天竜を下りし笠も避暑土産/高橋千雁
持ち重る土産の栗よ山薯よ/山田弘子
家土産の松蕈匂ふ夜汽車哉/正岡子規
枝柿の青きをもらふ土産哉/正岡子規
掛香の匂ふ小箱を京土産/市野なつ女
俳句例:41句目~
旅人に浜の土産屋目刺焼く/斉藤友栄
旅土産の螢籠はや水吹かむ/皆吉爽雨
春播きの種を土産に十三夜/田中冬二
朴落葉二枚もあれば山土産/高澤良一
柳青む湯元へ近き土産茶屋/桝田国市
浪花女の十日戎の土産かな/高浜虚子
冬ぬくく臭の街に土産買ふ/合田涼子
玉蜀黍を二人互に土産かな/高浜虚子
初午の土産の絵馬の二三枚/後藤夜半
空也忌や死土産なる玉の数珠/素風郎
紙風船土産に雲の浦を発つ/高澤良一
名物の一つに酢橘阿波土産/宇山白雨
臼杵の玩具土産や初日護摩/高木蒼梧
船虫や島にひしめく土産店/山田節子
菱採を見て柳河の菱土産/古賀青霜子
筍を小荷駄につけて土産哉/正岡子規
買初や母に土産の万華鏡/松田知佐子
踏破る紙帳の穴やおき土産/内藤丈草
送火や土産団子は三つ焼く/巌谷小波
顔あふぐ山寺土産の渋団扇/高澤良一
俳句例:61句目~
鬼凧を買ふほかはなし壱岐土産/原裕
鬼灯や掴み出したる袖の土産/炭太祇
寒紅を土産にくれし宿屋かな/田中冬二
此頃や土産にもらふ江戸団扇/正岡子規
島土産あんせい柑の味見して/高澤良一
鬼やんま帰省の土産かすめ飛ぶ/大串章
掛香ヤ紅粉ヤクサヾヽ京土産/正岡子規
わが土産われも食ひて帰省の夜/大串章
杉の実や同宿の友に土産買ふ/相原茲明
誰か云ふ冥途の土産の紅葉狩/高澤良一
蝮蛇干す鳴子の峡の土産店/本屋千枝子
盆棚にハワイ土産の絵蝋燭/竹内和歌枝
マフラーの蛇なせるパリ土産/今井竜蝦
万両の鉢を土産に母見舞ふ/伊阪美祢子
春撒きの種子を土産に十三夜/田中冬二
伊豆土産つんと鼻つく山葵漬/黒木龍子
宮島に土産物買ふ良夜かな/冨田みのる
利一忌や上海土産の酒減らず/森下賢一
蝦夷からの土産水虫薬とは/加藤あさじ
向日葵を土産に提げて風の畑/細田/誠
俳句例:81句目~
夏休ミ夜店ニ土産トヽノヘテ/正岡子規
白神の土産の手造り巣箱かな/高澤良一
葱坊主ばかり飯場の置土産/百合山羽公
土産の栗栗飯にしてなほ余る/高澤良一
天道虫母に土産と差し出す子/岡本一代
土産屋に藷の苗売る薩摩かな/小林洋子
抱へくる相撲土産は重るもの/高澤良一
花茣蓙に山の風呼ぶ土産茶屋/飯田弘子
奈良扇子土産軽々の深夜バス/菊池志乃
秋めくや貝ばかりなる土産店/久米正雄
浅草の菓子を土産や春の夕/広江八重桜
新海苔の一帖づゝを土産かな/正岡子規
新社員母へ土産の名刺かな/大久保白村
ブローチはローマの土産支倉忌/橋村幸代
伊勢講の婆の土産は破魔矢なり/楠/節子
出稼ぎの土産に新酒下げて来し/亀井幸子
喪の旅の土産つややかの丹波栗/大橋敦子
土産屋をひやかし霧冷え宿浴衣/高澤良一
留守たのむ雛への土産何買わん/武田和郎
商船学校赤し子の土産船にせむ/細谷源二