看護婦/ナースに関連した俳句の例をまとめました。
看護婦/ナースを含む俳句例
看護婦の大き叱声春隣/高澤良一
看護婦の黒髪深く金亀子/原月舟
室咲やナースコールの用ひ方/原裕
夜十時より看護婦の年忘/樋口陵雨
円満な正月顔の看護婦よ/石塚友二
情強き看護婦の白白鳥は/柴田奈美
検温の看護婦の声明易し/野口孝子
看護婦の布靴急ぐ花の昼/西村和子
看護婦の双手惜しまず袋掛/石田波郷
病院は緑陰ナースは白き風/高澤良一
海市見に子供病院看護婦長/折井眞琴
ナースらの爪先走り聖五月/村越化石
束ね髪解いてナースの花衣/小西潔美
朝寒の血管叩き出すナース/溝淵久子
針祭る看護婦寮に立つ灯影/村田眉丈
紅をさす看護婦産院聖夜来る/杉本寛
春燈といふも看護婦詰所のみ/斎藤玄
看護婦の妻の転勤とりぐもり/山口剛
水仙や看護婦に腋拭はるる/石川桂郎
看護婦に身体拭はれ巴里祭/吉田鴻司
俳句例:21句目~
緑の羽根胸に日曜看護婦たり/松山昌子
細嬢看護婦寝起きの声掛けぬ/高澤良一
来ては去る秋の漣ナースたち/岩崎嘉子
看護婦の青き底意地梅雨の夜/三好潤子
看護婦ら集つて秋夜の屍拭く/岩田昌寿
細嬢看護婦寝起きの声掛けぬ/高澤良一
看護婦の声かけてゆく夜寒かな/後藤薫
春の夜を看護婦消灯触れ廻る/高澤良一
稲妻や非常ベル鳴るナース室/岩下幸子
看護婦の手の甲にメモ弥生尽/橋本韶子
看護婦の言葉短き愛の羽根/岡部名保子
看護婦の一語納得サイネリア/高澤良一
看護婦の肘のまろさよ颱風過/石田波郷
ナース技あり採血室に萩一枝/山本令夏
パン分つ看護婦の胸春日満つ/岩田昌寿
病院船酷熱看護婦らめまひ/長谷川素逝
看護婦や夏痩せたるが美しき/寺田寅彦
看護婦は教え子なりき秋深む/尾形思秋
看護婦と岸辺駆け出す彼の肺/阿部完市
看護婦の休日紫苑高く咲け/杉山あけみ
俳句例:41句目~
看護婦の恋育て来よ小正月/八木林之助
冬の雨看護婦の話きいてゐる/藤木清子
看護婦の非番の空に雲雀鳴く/高橋富里
ナース来て銀杏拾ふ夜勤明け/下山宏子
看護婦のピアスの金も夏景色/綾部仁喜
除夜の鐘ナース小窓にある偽薬/姉崎蕗子
よべの火蛾掃きて看護婦交替す/竹本白飛
アメリカに看護婦仲間紅葉晴れ/坊城中子
クローバに看護婦も来ぬ快復期/伊東宏晃
十字架祭看護婦いでて秋花剪る/飯田蛇笏
夜明け待つもの青萱と看護婦と/飯田龍太
日中や汗にほはさぬ看護婦たち/石川桂郎
朝寒の光りつつ来る看護婦ら/猿橋統流子
朝空の青さ看護婦の声の高さ/石橋辰之助
毛糸編む看護婦のふと深き息を/藤後左右
看護婦にころがされつゝ更衣/小山耕一路
看護婦にたばかられたる春夜かな/上村占
看護婦の一と日の疲れ髪洗ふ/水無瀬白風
看護婦の巡視の灯の輪青葉木菟/石田波郷
看護婦の手が出て花の窓を拭く/畠山譲二
俳句例:61句目~
看護婦の手さげの中も秋の茄子/高橋栄子
看護婦の父でありたり山田守/瀧澤伊代次
看護婦の胸よりもらふ愛の羽根/朝倉和江
看護婦は乳房を持ちし鶴ならむ/栗林千鶴
看護婦もわが家の家族屠蘇の膳/市村不先
看護婦らの声光りあう朝の廻診/住宅顕信
看護婦ら蹴鞠なせり鋪道に出て/宮武寒々
緑蔭を看護婦がゆき死神がゆく/石田波郷
聖五月看護婦に白きヘヤーピン/川崎慶子
花衣脱ぎて夜勤の看護婦に/阿久津渓音子
除夜の灯を看護婦常の如く消す/砂塔一虹
雁ないて看護婦石となりにけり/片山桃史
高い窓に睡る看護婦縄に捲かれ/阿部完市
ナースらの涼しきこゑの固まり来/岸田稚
ナース室事なく西瓜囲みをり/北見さとる
雪もよひ剃刀役のナース来る/鳥居美智子
ヒゲをそるナースの匂い春満月/松沢多門
いま山頂に汗よろこびて看護婦達/飯田龍太
看護婦の一人髪結ふ芭蕉かな/久保田万太郎
看護婦として春愁を知られまじ/野口てい子
俳句例:81句目~
看護婦をやめるときめし単衣縫ふ/増子悦子
看護婦を笑はせて淋しき日始まる/十河霞崖
含羞草いつも触れゆく看護婦あり/石田波郷
看護婦睡る永くかすれた航海して/阿部完市
ナース消えた植物の茎すきとおる/松本恭子
看護婦らこゞむほとりに冬水湧く/岩田昌寿
コスモスや看護婦ふたり住む官舎/田村了咲
小走りやむナース帆船となる屋上/角田重明
看護婦のマスク布団を干す時も/青葉三角草
跫音高し青きジャケツの看護婦は/石田波郷
はな水や看護婦老いて耳うとき/河東碧梧桐
看護婦に先づ御慶述べ妻見舞ふ/村木海獣子
すいとんに太る看護婦茄子の花/北見さとる
立春やナースコールに小走りす/石井真理子
かりんの実純白同志の看護婦らに/友岡子郷
看護婦の手元で折れてしまう百合/対馬康子
看護婦となりて帰郷やシクラメン/工藤芳久
雪まろげ非番看護婦も加はりぬ/星野麦丘人
雪告げに来し看護婦のまぶしくて/原田青児
雪嶺や頭を寄せ合つて唄ふ看護婦/岩田昌寿