山笑ふに関連した俳句の例をまとめました。
山笑ふを含む俳句例
初空や袋も山の笑ひより/千代尼
一片の転勤辞令山笑ふ/辻田克巳
人に生死国に興亡山笑ふ/山田豊
頂きに偽天守閣山笑ふ/井沢正江
片方の耳を動かし山笑ふ/笹木弘
天鈿女命笑へば山笑ふ/堀口星眠
山笑ふ神の茸ぞ命継げ/巌谷小波
山笑うたしかに長き馬の顔/仁平勝
杖を曳く母の饒舌山笑ふ/河村玲波
村一の長寿の父に山笑ふ/山田弘子
山笑ふ静けさに人働けり/玉木春夫
山笑ふ子供千人隠れゐて/平井照敏
山笑ふ野はさざ波の光満ち/手塚順
分校は四方の山の笑ふ中/今瀬剛一
馬叱ってそれから唄や山笑ふ/秋灰
一族の真ん中に母山笑う/伊関葉子
食卓に塩こぼしつつ山笑ふ/皆吉司
面つけて忽ち女身山笑ふ/角川春樹
伐口の大円盤や山笑ふ/阿波野青畝
金田の赤きさざなみ山笑ふ/橋本薫
俳句例:21句目~
里鴉啼いて大きく山笑ふ/影島智子
諍ひを水に流せし山笑ふ/関森勝夫
切口の大円盤や山笑ふ/阿波野青畝
初孫はいとしき獣山笑ふ/増田耿子
動脈は赤で描かれ山笑ふ/柴田奈美
牛小屋に牛の新角山笑ふ/皆吉爽雨
山笑ふ釘を使はぬ塔一つ/船木幸人
山笑ふわが顔避けて鏡傷/河野南畦
権現の一の鳥居や山笑ふ/大橋敦子
山笑ふ二上山は笑はざる/川崎展宏
山笑ふ時計三十分おくれ/藤岡筑邨
島山の笑ふをながめ磯づたひ/上村占
山笑ふみづうみ笑ひ返しけり/大串章
ことごとく雲を放ちて山笑ふ/村田脩
山笑ふ中の檜山は口重し/白岩てい子
山笑ふ今日の日和や洗ひ張/井上井月
山笑ふ放して釣らす鱒釣場/小林勇二
山笑ふ日や放れ家の小酒盛/井上井月
山笑ふ歳月人を隔てけり/鈴木真砂女
山笑ふ胎動ときにへその裏/仙田洋子
俳句例:41句目~
三畳の仏間より見え山笑ふ/長谷川双
川どれも海へ走れり山笑ふ/久野鈴一
手入良き仏足石や山笑う/脇本良太郎
手庇にすつと収まり山笑ふ/上井正司
杣の子に縁談のあり山笑ふ/長田穂峰
僧房に菜をきざむ音山笑ふ/角川春樹
古墳あり窯址ありて山笑ふ/福井圭児
検問所奥なにごとか山笑ふ/河野南畦
噴煙の仁王立ちして山笑う/仲丸くら
濯女の桶頭にのせて山笑ふ/遠藤梧逸
白球のゆくて筑波の山笑ふ/後藤郁子
太陽を必ず畫く子山笑ふ/高田風人子
羽音みな空へ還りし山笑ふ/堀米秋良
胸襟をやうやく開き山笑ふ/松山足羽
腹に在る家動かして山笑ふ/高浜虚子
自然薯にみだらな話山笑ふ/中山純子
釉厚きピカソの皿や山笑ふ/岡田貞峰
頂にたてば海見え山笑ふ/成瀬正とし
あたらしき禰宜の装束山笑ふ/佐川広治
帰郷する杜氏を見送り山笑ふ/伊東宏晃
俳句例:61句目~
ほろ~と土まろばせて山笑ふ/星野立子
ぽつねんと砂漠の果の山笑ふ/有馬朗人
裏白やからから笑ふ山の姥/伊丹さち子
みどり児に貝ほどの舌山笑ふ/辻美奈子
山笑ふとはこの景と思ひけり/高木晴子
足軽ろきときは四方の山笑ふ/高木晴子
逆光に山笑ひつつ暮れなづむ/佐藤春夫
穂が抜ける矢立の筆の山笑ふ/野村喜舟
余生とは歩くことらし山笑ふ/清水基吉
傘寿得て米寿を目ざす山笑ふ/竹下一記
喪の年となりし今年も山笑ふ/仙田洋子
外出のおしやれ眼鏡や山笑ふ/影島智子
大き日を掲げて笑ふ山いくつ/加藤耕子
夫婦に荷一つづつ山笑ひけり/細川加賀
女生徒が尻もちをつき山笑ふ/藤岡筑邨
山笑う梯子のかかり具合かな/永末恵子
山笑ふたしかに次の日も白髪/田波富布
山笑う生活保護を受けている/清水哲男
山笑う隠れてもまた隠れても/二村典子
山笑ひ傘で刺し合ふ会社員/田川飛旅子
俳句例:81句目~
山笑ふことに雑木の明るさに/安立公彦
山わらひはじめしころの夜の閏/灘稲夫
山笑ふうしろの山も笑ふなり/石川静雪
山笑ふあつけらかんと物忘れ/杉山青風
松かさでお手玉すれば山笑ふ/西本一都
山笑ふ藁麦が羽織を着てゐたる/龍岡晋
検診の一つ褒められ山笑ふ/府中谷幸枝
故郷やどちらを見ても山笑ふ/正岡子規
機関士のまゝに定年山笑ふ/野崎/夢放
神天降り大いに山の笑ふなり/角川春樹
山笑ふふるさとびとの誰彼に/楠本憲吉
笑ひ皺殖やして山の笑ひけり/林田江美
生き死は人の世のこと山笑ふ/半田陽生
山笑ふ日の古障子明けておく/野島島人
高浜虚子立つ背景の山笑ふ/成瀬正とし
笑ふ山から郵便夫来る足音す/今瀬剛一
笑ふ山に入りて親しき鼓動音/奈良文夫
笑ふ山を遶りて咽ぶ河瀬かな/島田青峰
箱あれば物を仕舞ふ子山笑ひ/宮原双馨
継体天皇杖に立ちまし山笑ふ/松山足羽