聖書に関連した俳句の例をまとめました。
聖書を含む俳句例
開きたる聖書を膝に朝桜/西山睦
聖書科の白紙答案寒茜/友岡子郷
退屈でひらく聖書や秋簾/池田澄子
声にする聖書一行秋薔薇/那須淳男
月白の戸口にゐたり聖書売/辻桃子
青嵐聖書背文字の金こぼす/長田等
旧約の聖書の中の木の葉髪/長田等
文机に落葉聖書にうす埃/石川桂郎
口語訳聖書麦秋来りけり/橋本榮治
虫売の老や聖書を傍らに/大場美夜子
書初めの一字を聖書より選ぶ/長田等
絵ガラスの聖書物語新樹光/守屋房子
手秤の葡萄ひと房聖書ほど/小倉通子
すでに汗垂るる聖書の一頁/石川桂郎
夏の夜の聖書の自動販売機/夏石番矢
むかし汝に贈りし聖書晩夏光/三谷昭
秋深む天金褪せし詩書聖書/村田白峯
差入れの聖書に挟み初便/山内傾一路
子の喋る聖書のことば霜の朝/石寒太
子の書架に黒きは聖書鳥雲に/安住敦
俳句例:21句目~
復活祭手擦れ聖書に夫の文字/及川貞
聖書講義に起る爆笑春隣/田川飛旅子
下積の聖書こほろぎ通ふ路/津田清子
聖書まで転がり毛糸玉止まる/長田等
聖書借る春夕焼の坂をのぼり/小林進
聖書棚覗く懸巣も眼鏡して/堀口星眠
風光る点訳聖書ひもとけば/神山果泉
胸の上聖書は重し鳥雲に/野見山朱鳥
かんじきと聖書と一つ壁にあり/久保武
かかへゐし聖書の重み昼寝覚/木村蕪城
紙死して聖書の言葉亡ぶなし/井沢正江
紅葉す石の聖書を読むために/対馬康子
コートみなきちんと畳み聖書会/森田峠
支倉忌母の手擦れの聖書かな/升本栄子
立冬の堆書にかさね聖書あり/亀井糸游
秋風に飛ぶ聖書より落ちしもの/長田等
何事も信じてクリスマス聖書/平松竃馬
教会の聖書ぼろぼろ花水木/大木あまり
祈り初厚き聖書に手を重ね/田川飛旅子
入学を誓ふ聖書に手を置きて/品川鈴子
俳句例:41句目~
冬を病む聖書の言葉壁に貼り/菅原独去
冬薔薇や聖書に多き科の文字/原田青児
復活祭聖書は兄の遺品なる/内海よね女
愛着すうす黴みえし聖書かな/飯田蛇笏
懐手聖書をおほひなる詩とし/西島麦南
罪とは何夏手袋に聖書耀る/秋元不死男
罪の掌に聖書は重し冬の虹/成瀬櫻桃子
夕雲雀聖書読む唇うごきをり/小川軽舟
秋風に聖書大なりただ置かる/細川加賀
聖書今ユダの裏切り野分来る/友定栄子
子の聖書置かれし薔薇の垣の上/石寒太
聖書抱き戻り園児に巣立の日/石塚友二
枯木星聖書のつづき読み聞かす/長田等
春愁や聖書の上のルームキー/坂田淑子
黒蟻の密集ギリシヤ語の聖書/有馬朗人
料理書の底の聖書や十二月/中戸川朝人
引出しに常に聖書と厚い枯葉/対馬康子
秋近く夜毎聖書を読む灯哉/石島雉子郎
啄木鳥や聖書数行たどり読む/堀口星眠
長き夜の詩集のあとの聖書読む/長田等
俳句例:61句目~
初日いま大字聖書の天金に/田川飛旅子
冬薔薇や聖書に多き罪の文字/原田青児
青猫をめでゝ聖書を読み初む/飯田蛇笏
聖書いま荒野の章に紙もをり/井沢正江
素朴なる卓に秋風の聖書あり/水原秋櫻子
さびた咲く牧夫の聖書傷ふかき/神田/岩
カステラと聖書の厚み春深し/岩淵喜代子
聖書ありあるときはなし置炬燵/京極杞陽
ネル着たる肉塊の女に聖書かな/島田青峰
聖書ひらけば栞くの字に枯野光/嶋田麻紀
元日の聖書重たしたなごころ/古賀まり子
元旦の目覚めホテルに聖書あり/品川鈴子
聖書伏せて娘は白桃に爪立つる/渡辺桂子
元旦の聖書重たしたなごころ/古賀まり子
初読はホテルの聖書かもめどり/鈴木鷹夫
北風の灯を近づけぬ聖書地図/田川飛旅子
夕焼けの温もりを抱き聖書売り/吉田与恵
大き聖書置かれ二日の説教台/古賀まり子
聖書読めと誘ふ遥かな稲妻は/田川飛旅子
聖書講座火取虫火を取り放題/上田五千石
俳句例:81句目~
天金こぼす神父の聖書秋夜汽車/齋藤愼爾
聖書閉づ凍てたる音に今日終る/亀井糸游
胡桃割る聖書の万の字をとざし/平畑静塔
子を連れて聖書売来し子供の日/河府雪於
胼しるき修道女の指聖書くる/大木かず子
膝におく聖書に緑さしにけり/桑原千穂子
若き日の文語の聖書シクラメン/高田拡夫
茱萸熟れて聖書の中が夕昏れる/村上清香
落葉掃く聖書の終りしか知らず/対馬康子
薔薇の束石の聖書の見開きに/平井さち子
薔薇呉れて聖書かしたる女かな/高浜虚子
桜しべ降る木の卓に置く聖書/池田/悦子
蜂赤し聖書開きしまま置かれ/中戸川朝人
椎落つる石の聖書のひらく上/中戸川朝人
水澄むや退職の荷に聖書あり/田川飛旅子
綿虫や聖書の文字のこまかくて/内藤吐天
沈丁や聖書のはなし長くなる/竹内千枝子
涼風の揺椅子に添ふ聖書かな/中戸川朝人
秋汐を指す聖書離さぬ神父の手/内藤吐天
香水の瓶と聖書の置かれをり/高橋しのぶ