精霊に関連した俳句の例をまとめました。
精霊を含む俳句例
鮭飯の鮭の精霊十三夜/鬼房
恐山湖に漂ふ精霊舟/津村浅次郎
精霊船港長者の大舳/下村ひろし
西方も闇や精霊舟下る/鈴木飛鳥女
精霊に添ひて芥も流れ出す/岬雪夫
原発の海へ精霊舟を突く/味元昭次
帽深く被る夫婦の精霊会/古川塔子
精霊火浮びあがりし山容/広瀬町子
船台に河の干満精霊舟/米澤吾亦紅
父担ぐ精霊舟の大きかり/吉間栄子
魔除鎌腰に精霊送り行く/梅村公彦
邯鄲や精霊来る径つづり/羽部洞然
遍照の月に精霊舟のゆく/阿部夕礁
精霊舟送りて泳ぐ暗き湾/山口超心鬼
精霊舟腰まで浸かり流しけり/柚口満
炎々と精霊舟を荼毘にして/小野/穣
精霊舟潮に入りては争はず/平尾圭太
爆竹を手向け精霊流しかな/瀬戸久子
西方へ曳綱張れり精霊舟/中戸川朝人
藁定紋打つて精霊屋形かな/西本一都
俳句例:21句目~
戦後長し精霊舟を道に置き/清水基吉
一跳びに精霊ばつた日の央/宮坂静生
精霊舟乗せたる酒に傾けり/山口誓子
箱膳並べたれば精霊蜻蛉くる/辻桃子
大廣間黴の精霊静かなる/佐々木六戈
精霊舟朽つるいくつも熊野川/森澄雄
結界に精霊が集ひ犠を割き/横山白虹
精霊蜻蛉熔岩原の宙に澄み/友岡子郷
精霊舟曳子八人扇びらき/中戸川朝人
抱かれて精霊舟の小ささよ/福島五浪
今年竹竜骨とせり精霊舟/中戸川朝人
明け方の沖へ引かるる精霊舟/岩澤京
精霊船淡路通ひの汐迅し/阿波野青畝
精霊船出合ひ頭に鉦連打/下村ひろし
松の木に松の実青く精霊会/長谷川櫂
海の霧精霊ばつた濡らしたる/上村占
背を押して母の精霊舟ゆかす/樋笠文
精霊舟前を通りぬ合掌す/田原那智雨
精霊舟送る香煙畦に燃ゆ/米沢吾亦紅
いちはやく西へ流るゝ精霊舟/千原叡子
俳句例:41句目~
置かれある精霊花に山の雨/金箱戈止夫
罷り出て精霊ばったの御曹司/高澤良一
藺の花に精霊蜻蛉来初めけり/松田大童
かくれ岩捌きて行きぬ精霊舟/高平春虹
赤い糸曳いて精霊とんぼかな/田部谷紫
くろぐろと精霊舟を曳きし跡/高澤良一
富士よりの風ごと~と精霊棚/中川宋淵
島も果精霊舟の打ち上がり/大星たかし
座礁せる精霊舟の夜明かな/中村たゞし
わらべ唄かなで精霊流しかな/佐川広治
打上藻精霊舟にてらさるゝ/吉岡禅寺洞
濁流にのせて底透く精霊舟/百合山羽公
燭尽きて精霊舟のさまよへり/宮下翠舟
祈る手の精霊ばつた野に放つ/今枝立青
精霊の凍みる雪夜を牡丹照る/渡邊水巴
精霊の来べき道ぞと草ひける/木津柳芽
精霊の麦藁舟のいでにけり/吉岡禅寺洞
精霊を鎮むう歩踏み踏歌舞ふ/駒木逸歩
精霊船に四方八方波ばかり/鈴木真砂女
精霊火消えしいくつや湖の風/山岸治子
俳句例:61句目~
精霊火焚く道天へ続きけり/竹内弥太郎
精霊舟いづる波音間遠なる/吉岡禅寺洞
精霊舟のせて死せるが如き海/篠崎圭介
精霊舟水面の虫を照したり/米沢吾亦紅
精霊舟海のうねりのあつまる村/中拓夫
精霊舟蝋どめ松葉さはに葺き/西本一都
精霊舟見送るわれも漂へり/戸田ひろし
精霊蜻蛉御巣鷹山を下り出す/黒岩有径
精霊のにぎやかな灯を竹林より/野澤節子
木が売れず木の精霊がよく育つ/松本勇二
明け方や濡れて精霊ばつたゐる/児玉輝代
賑やかに視野を出てゆく精霊舟/岡田治子
精霊舟ふれゆく草は水漬く草/米沢吾亦紅
精霊舟打ち寄せ湖は荒れてをり/柴沼忠三
精霊舟発たせて星の満つる空/植田のぼる
如意妙法万精霊の火を点ず/長谷川かな女
精霊路のどこも水音ばかりかな/関戸靖子
精霊舟まだまだ飾り足らぬなり/綾部仁喜
精霊舟淡路を其処にして漂ふ/米沢吾亦紅
人が流す精霊舟のうつくしき/大川洽一郎
俳句例:81句目~
背負はれて精霊ばつた風の中/猪俣千代子
灯ともして精霊棚の混みあへる/藺草慶子
精霊舟手離さばすぐ浄土の船/加倉井秋を
精霊舟草にかくるゝ舟路あり/米澤吾亦紅
精霊舟つづき流れてまはるあり/高野素十
ふなべりに蝋涙たりぬ精霊舟/安田千鶴女
灯きえて精霊舟の見ゆるあり/吉岡禅寺洞
精霊舟送るも航くも隠岐ことば/岩宮武二
火葬精霊春の吹雪にあひにけり/松村蒼石
精霊会あまたの虫が火をよぎり/柿本多映
阜の精霊口より吐くは曼珠沙華/横山白虹
おほぢがふぐり外精霊の石塊に/佐々木六戈
くらがりの水尾しかと曳き精霊舟/大石悦子
精霊とんぼ群れ飛ぶ世紀末七月/八木原祐計
精霊流しやうやくへりて浪の音/高橋淡路女
烏賊干せる軒より精霊舟出づる/野崎ゆり香
おくれいづ精霊舟のはなやかに/吉岡禅寺洞
精霊舟舟あしかろく出でゆけり/高橋淡路女
精霊棚ともして匂ふ草/水/火/櫛原希伊子
潮に乗るまで蜑のつきゆく精霊舟/鈴木良子