震災に関連した俳句の例をまとめました。
震災を含む俳句例
白粥に大き梅干震災忌/館岡沙緻
震災忌老婆喫泉抱へ飲む/岡本眸
父の命母の命や震災忌/京極杞陽
本願寺南無炎上震災忌/松村蒼石
震災忌大鉄橋を波洗ふ/松村蒼石
頬白の声の一灯震災地/永見貴子
抽出が抽出押す震災忌/荒/巷樹
震災日妻は町内防災員/高澤良一
南無本願寺炎上震災忌/松村蒼石
蛇口より水の塊震災忌/高澤良一
燃えてゐし洋傘や震災忌/京極杞陽
六甲の水の安売り震災忌/栗山妙子
寒暁や水深く飲む震災忌/戸恒東人
震災忌置く箸の音匙の音/三橋敏雄
空つぽの虫篭の闇震災忌/勝井恒子
震災の難民めきぬ冬帽子/千原草之
震災をうつつに都踊かな/山内山彦
震災地傾ぐ橋下を燕飛ぶ/菅沼洋子
大楠に風の集まる震災忌/草野千里
大正の書生絣よ震災忌/百合山羽公
俳句例:21句目~
朔日の雀は知らず震災忌/高澤良一
朝の茶に梅干二つ震災忌/川村紫陽
風鈴の古糸一縷震災忌/百合山羽公
煙突は煙突として震災忌/坊城俊樹
二三人使ふ身となり震災忌/中火臣
新しき家を決めたり震災忌/水田悦子
地下鉄も苦手の一つ震災忌/福井一歩
大伯父の移住の由来震災忌/島田悦子
大正は生まるる前や震災忌/渡邊和夫
米基地の網なす中や震災忌/石塚友二
自分史の糸口ほぐす震災忌/加藤三陽
里山に津波の碑あり震災忌/武政礼子
天の下人にすべなし震災忌/松村蒼石
東京の空の碧さよ震災忌/甲斐謙次郎
老記者は今も貧しく震災忌/吉井莫生
ビル番に傘借る退社震災忌/亀井糸游
天皇は那須に座しぬ震災忌/藤田湘子
葉桜や歩くに馴れて震災後/山田弘子
廃校は村の避難所震災忌/名高栄美子
二三日東京にゐて震災忌/大橋櫻坡子
俳句例:41句目~
懐中電灯枕辺に置く震災日/高澤良一
我が齢の生れ年なる震災忌/門屋大樹
起震車に行列出来る震災忌/保持幸子
着ぶくれて震災砂漠歩きけり/本橋節
花水木のみ震災の前のまま/三村純也
水の上に赤き毬浮く震災忌/館岡沙緻
雲ひとつなき東京の震災忌/尾池和夫
電線のからみし足や震災忌/京極杞陽
震災の闇の地つづき猫の恋/白井房夫
震災忌はたち余りの道路工/石塚友二
震災忌上野の山は蝉時雨/降幡加代子
齣早き活動写真や震災忌/神田とみ子
震災忌蛇屋の瓶に蛇つまり/岩崎健一
震災忌昼餉の心暗うしぬ/高橋淡路女
震災忌続けし父も今はなし/京極高忠
父に聞く祖父の話や震災忌/嶋田一歩
震災忌耳のようなる菌喰べ/伊藤三代
頒つ火に燭増ゆ阪神震災忌/宮津昭彦
箸深くさすふかし藷震災忌/石飛如翠
あをあをと空あり阪神震災忌/角川春樹
俳句例:61句目~
うす日して震災堂の玉あられ/飯田蛇笏
おとろへてゆく人々や震災忌/京極杞陽
水減りし阪神大震災忌の花瓶/森田智子
江東にまた帰り住み震災忌/大橋越央子
沼海老の水の色なる震災忌/雨宮きぬよ
野毛坂に月上げてきし震災忌/青木重行
にごり江の臭ふ貸間や震災忌/星野石雀
わが知れる阿鼻叫喚や震災忌/京極杞陽
積み上げし本何時崩る震災日/高澤良一
震災忌地下鉄出口闇に向き/山下知津子
震災忌るると縋りて稚子地蔵/松村蒼石
聞き伝へ語りつたへて震災忌/星野立子
中学生バット担きゆく震災忌/遠藤梧逸
玉虫の破壊をおもう震災以後/若森京子
十二時に十二時打ちぬ震災忌/遠藤梧逸
震災忌昨日の神戸を通り過ぐ/塩津珠子
古びたるバイブルを掌に震災忌/塩由造
震災忌紅きはだしで歩く鳩/平井さち子
吾を胎しゐし母なりき震災忌/岩崎健一
足濡らす波のありけり震災忌/川崎陽子
俳句例:81句目~
図書館の鍵ひそと開け震災忌/嶋田麻紀
路地深き煮ものの匂ひ震災忌/平川雅也
震災忌日に生れてよく泣ける/皆川白陀
震災忌路地を鼠の走りけり/鈴木真砂女
渓流にたつぷりの水震災忌/伊藤いと子
震災日廃棄と決めし時計鳴る/徳永茂代
青空に敷布干されて震災忌/田中芙紗子
未明、星増え震災の日の神戸/山岸竜治
われ病みて國敗れたる震災忌/京極杞陽
餓鬼の飯とりわけ旅の震災忌/小林康治
震災忌谷中に残るポンプ井戸/弦巻淑子
それからのあつといふ間や震災忌/瀧春一
テントに雨たまり阪神震災忌/山崎ひさを
震災といふこのさまざまな夢の中/妹尾健
万巻の書のひそかなり震災忌/中村草田男
家ぬちをやんまが抜ける震災忌/皆川白陀
稲の香に面吹かるる震災忌/阿部みどり女
震災/引揚/水禍一生そぞろ寒/近藤一鴻
空ばかり見てゐてけふは震災忌/松本康男
琴の音のしづかなりけり震災忌/山口青邨