氷河に関連した俳句の例をまとめました。
氷河を含む俳句例
岩燕氷河尖端村に入る/松本旭
撩乱の氷河頭上に金鳳華/有働亨
月蒼き氷河長身横たはる/有働亨
北極の氷山氷河旅九月/河野静雲
邂逅へ胸の氷河が始動する/渋谷道
蜻蛉や少女が憩ふ氷河跡/堀口星眠
春星やとはの氷河を村の空/有働亨
憂ひなし桔梗の空に銀氷河/有働亨
船笛に遅るる谺氷河より/品川鈴子
神眠る蒼き氷河に雲の峰/仙田洋子
勿忘草神々の座に氷河照り/有働亨
淋しさを氷河と頒つ岩の上/有働亨
山霧を行かせ蒼白なり氷河/有働亨
夏白き氷河垂れたり牧草地/有働亨
夏空の一滴蒼く氷河透く/仙田洋子
雪割草氷河の水に根を濯ぐ/依田明倫
雲の居の氷河は昏しさくら草/有働亨
夏氷河よりの雪代流れ急/小原菁々子
足下より煌きわたる大氷河/高澤良一
氷河懸るこの寂けさを雲湧きて/林翔
俳句例:21句目~
氷河飛ぶ秋光の鳥頬緊めて/伊澤秋家
大氷河烟り音なき白夜かな/仙田洋子
白夜なる氷河に神の爪の跡/仙田洋子
大氷河神の鋸もて切らん/山口波津女
天上氷河地上花野よ徒渉る/斎藤俊子
天懸る氷河や避暑の木組荘/桂樟蹊子
真輝く氷河を前に道消ゆる/高澤良一
群青の氷河湖見えて夏木立/中村昌恵
氷河照りガイドの村に祭礼日/有働亨
一万年経たる氷河の端を踏む/山口速
葛飾や落穂を込めて初氷/河村むつ子
過ぎりしは鷹か眼前氷河照り/有働亨
億年を氷河に漂ひゐたる石/有馬朗人
毛蟹さえ小刀ほどの氷河抱き/渋谷道
新宿や氷河の色のラムネ瓶/後藤眞吉
新年を歩く氷河湖いろの街/伊丹公子
勇捕る碧き氷河に神がゐて/角川春樹
おのが胸抱いていたはる風氷河/有働亨
おんおんと氷河を辷る乳母車/中村苑子
霧おろす氷河を樅の空に見たり/有働亨
俳句例:41句目~
青林檎氷河の裾にひと夜寝て/村上光子
音も無く氷河の上を水はしり/高澤良一
氷河照るやくの牧場の草紅葉/白井眞貫
鬱の日の点ともならず夏氷河/笠井道子
氷河見て独りの鈴は掌に転ぶ/古舘曹人
鼬跳ぶ氷河のあとといふ岩場/高木良多
動悸打つごとく氷河の雫かな/高澤良一
雑炊を吹く日も空の氷河照る/坪内稔典
水餅のやうに氷河の横たはる/高澤良一
氷河飛ぶ計器の針の敏き搖れ/品川鈴子
乾杯は氷河の水や避暑たのし/岩崎照子
傾く/汝れが氷河の円錐仮説/加藤郁乎
約束の虹立つてゐる氷河かな/仙田洋子
冷まじや氷河を懸けし奇峰群/桂樟蹊子
初夏の氷河くづれて神目覚む/仙田洋子
紙コップ氷河の雫うけて飲む/品川鈴子
夏星の座の組み変はる青氷河/小澤克己
肺活量少なく踏むは青氷河/竹中碧水史
大氷河はるかの地中海めざし/鷹羽狩行
大氷河暮れ虫の声ばかりなり/仙田洋子
俳句例:61句目~
月下にてこころ氷河の匂ひ満つ/有働亨
太陽をOH!と迎へて老氷河/鷹羽狩行
色濃ゆし氷河の跡の鳥かぶと/山下智子
芥子咲くや氷河をのぼる朝の雲/有働亨
草の花氷河すさりし跡に充つ/高澤良一
氷河の霧さびしき雨を落しそむ/有働亨
星寒く氷河重たくありにけり/依田明倫
春光をしづめて蒼き氷河かな/三宅一鳴
遠い声きみの氷河に釘を打つ/松原秀行
きらめくにまかす氷河や夏の果/仙田洋子
氷河見よやかく新たなる夏日照り/有働亨
氷河ありける空の藍より岩燕/文挟夫佐恵
栗鼠あそぶ氷河の裾の花野かな/城谷文城
マーガレット氷河への径石ころ径/有働亨
光度増し氷河息づきゐるごとし/高澤良一
足元に日の艶出でて氷河の秋/鳥居おさむ
サングラス断てり氷河の乱反射/高澤良一
氷河仰ぐ花束ほどの日だまりに/古館曹人
空谷へ氷河のいろにさくら咲く/近藤潤一
樺咲くや氷河に逝きしガイドの墓/有働亨
俳句例:81句目~
目くるめく光体となり氷河馳す/高澤良一
夏氷河果つ岩黄蝶翔ぶを見し/小原菁々子
大氷河無のしづけさに人等立つ/大橋敦子
山ホテル氷河明りに壁炉燃え/小原菁々子
巨き氷河下りくる雲の中に消ゆ/山口青邨
氷河割れサーカス団の来る明日/滝口千恵
雲に日の入れば氷河の憮然たり/高澤良一
氷河湖に赤き喉もて立ちくらむ/五島エミ
胎動は氷河きらめくときにあり/対馬康子
炎天に蒼い氷河のある向日葵/富澤赤黄男
氷河の貌見つつ紅葉くぐりゆく/伊藤敬子
飛天女となれり氷河を後にして/品川鈴子
氷河見てはじめの牛乳を温めよ/古舘曹人
ごきぶりや氷河を滑り来たる艶/小檜山繁子
アルペンローゼ真昼の氷河音もなし/有働亨
サングラス氷河に青く我立てり/中田てる代
エンチアン摘み氷河の石を持ち帰る/有働亨
常に移動氷河吾佇つそのときも/佐藤三千子
氷河湖を天使が漕ぐのは黄昏どき/伊丹公子
生ビール氷河のごときセロリ食む/松山足羽