日蔭に関連した俳句の例をまとめました。
日蔭を含む俳句例
音楽の中の日陰や寒卵/宮津昭彦
日蔭蝶追うて林間学校へ/高浜虚子
笹鳴や日向日蔭へ道伸びて/岸田稚
麦秋の日陰流れて軒の旗/内田百間
日陰蝶追うて林間学校へ/高浜虚子
灯台の日蔭の麦を踏みにけり/篠原
青無花果の日蔭の重さ父の郷/原裕
日蔭より伸びて日南や女郎花/黙禅
霧寒し日蔭のかつら袖につく/暁台
十月の日向日陰に童声/柴田白葉女
日蔭より声の不馴な蕨売/永作火童
夏雲に岬の松は日蔭なる/内田百間
鎌倉は日蔭日向の藪柑子/川崎展宏
釘を打つ日陰の音の雛祭/北野平八
婆が寄る日向日陰の柿の村/中拓夫
中年や百日草に日蔭なく/高橋さえ子
佐倉照り日陰は黝き稲架襖/北野民夫
舟小屋のうしろ日蔭の花南瓜/上村占
木犀や同じ時刻の日陰増え/宮津昭彦
つちくれの小さき日陰に菫かな/虚子
俳句例:21句目~
千両や日陰をつねの遊女塚/中村翠湖
千振を日陰干して杣の家/大久保重信
日向より日陰の白椿見て/柴田白葉女
水神の花括らるる日蔭かな/山本洋子
日向より日陰親しき椿径/上野さち子
日蔭にも強者の声のきりぎりす/狩行
水馬日陰好みと知られけり/高澤良一
大船の日蔭へまはる筏あり/永井龍男
夕立の跡柚の薫る日陰かな/立花北枝
藪椿日蔭を好みかくれ咲く/高井北杜
蕗の葉の日向日陰をめぐる蟻/中田剛
寒の日陰音失ないて登校児/大井雅人
日陰れば芒は銀を燻しけり/米岡津屋
梅白し日陰日向に岩ありて/大井雅人
消えがての日陰の雪や初天神/土方花酔
石像の日蔭つめたき二月かな/会津八一
竹の皮日蔭日向と落ちにけり/高浜虚子
竹の皮日陰日向と落ちにけり/高浜虚子
どくだみの白美しき日陰かな/小野茂川
なでしこやまゝはゝ木々の日陰花/一茶
俳句例:41句目~
粥腹や日陰の花の八ッ手咲き/石川桂郎
薄暑はや日蔭うれしき屋形船/高浜虚子
遅桜二木がつくる日陰かな/大場白水郎
釣堀の主の座いつも日蔭なし/山本悠水
駱駝いま運ぶ屍の日蔭持つ/小檜山繁子
光る鳩守衛はさむい日陰の芯/大井雅人
叢に咲く百合にして日蔭無し/久米正雄
古代文様日蔭のごとく土用干/田中裕明
寒菊の日向日陰を掃きにけり/渡邊水巴
山桃の日蔭と知らで通りけり/前田普羅
御神馬の芦毛つやめく秋日陰/岡田壮三
杉林春の日蔭をつくりけり/大場白水郎
日蔭にて沖のかなしむ刻となり/松澤昭
日蔭より日南に凍る風ありぬ/高橋馬相
烏瓜日蔭の花を咲かせけり/成瀬櫻桃子
日陰ゆく日に弱き身や金鳳華/森川暁水
日陰より日向に出でし子蟷螂/斉藤夏風
日陰りて張子天狗の凍みつ鼻/高澤良一
日陰村より糸出でていかのぼり/衣笠葉
杉林春の日陰をつくりけり/大場白水郎
俳句例:61句目~
沖めざす花の日陰に脱糞して/安井浩司
かたくりの十輪ほどの日陰かな/浅賀君女
引いて悲しき日陰の草の根無草/相馬遷子
花八つ手日蔭は空の藍浸みて/馬場移公子
ぜんまいの筵日陰となりて留守/小川公巴
はこべらの芽の半分は日陰かな/如月真菜
寒くなりぬ日陰は椿咲きつらね/太田鴻村
日蔭より日向の妻を見てゐたり/小川軽舟
わが湖あり日陰真暗な虎があり/金子兜太
日向黄に日蔭は蒼しうさぎの眼/岩田昌寿
枯蔓の日陰日向と綯ふひかり/水原秋櫻子
梅干して人は日蔭にかくれけり/中村汀女
梅干にすでに日蔭や一むしろ/河東碧梧桐
乾飯に日陰りて鮓はなれにけり/高濱虚子
日陰りしサルビアの赤沈黙す/嶋田摩耶子
わが湖あり日蔭真暗な虎があり/金子兜太
出て遊ぶ蜥蜴に日蔭なかりけり/高浜虚子
七五三日向日蔭に鳩をまじへ/永井東門居
額の花すこしはなれて日陰あり/後藤夜半
日陰りて木賊に引立てらるゝ家/高澤良一
俳句例:81句目~
風露草日陰は風のゆるやかに/渡邊千枝子
濃き日蔭ひいて遊べる蜥蜴かな/高浜虚子
枯蔓の日蔭日向と綯ふひかり/水原秋桜子
鮭を吊るくらがりに妻日陰の寺/大井雅人
日蔭鬘われら家曲のままに坐し/安井浩司
石南花は日陰をよしと盛りなる/高濱年尾
砂にかく日蔭の寺へゆび入れて/安井浩司
日陰なる南瓜飽く迄青きかな/坂本四方太
日蔭鬘かの母を地に投げる者よ/安井浩司
春寒やのび損ねたる日陰獨活/芥川龍之介
ここにして日蔭ただ恋ふ異邦人/稲垣きくの
やがて咲く日蔭の花もありぬべし/北原白秋
わが湖あり日蔭真ッ暗な虎があり/金子兜太
やみくもに垂れて木ぶしの日陰谷/高澤良一
残蝶の日蔭をわづか離れしのみ/加倉井秋を
日蔭より定家かづらは咲き上る/後藤比奈夫
日陰より定家かづらは咲き上る/後藤比奈夫
注連飾日蔭かづらを掛けそへたり/村上鬼城
日向より日蔭が澄みぬ花八つ手/馬場移公子
日と日陰残雪は斧ふりかざし/すずきりつこ