孔雀に関連した俳句の例をまとめました。
孔雀を含む俳句例
一微塵払ふ秋光の孔雀羽/林翔
深窗に孔雀色なる金玉/飯田蛇笏
深窓に孔雀色なる金玉/飯田蛇笏
美しき孔雀の羽や春日さす/至青
白孔雀白鮮かな木の葉髪/山口誓子
熱帯の空白跣の孔雀くる/伊丹公子
長き夜の空に谺し孔雀経/横山白虹
屋上園孔雀交める防空裡/宮武寒々
紅孔雀母の扇を逃れけり/藤原月彦
初釜に孔雀天目初使ひ/下村ひろし
商人に孔雀親しむ秋の暮/攝津幸彦
地を擦る孔雀の羽や弓始/中島ふき
秋風や孔雀にありて鼻の穴/辻桃子
いと小さき孔雀の貌や初嵐/長崎玲子
孔雀抱卵欅は夜も花こぼし/堀口星眠
かの孔雀鉛を孕み土博つ翼/高柳重信
殉教や孔雀の前に膝をつく/仁平/勝
筆立の孔雀の羽根や老が春/野村喜舟
炎天の旅孔雀の尾持ち歩く/右城暮石
寒き檻充たす孔雀の翼拡げ/津田清子
俳句例:21句目～
颱風の前の風ある孔雀かな/内田美紗
岩稜の角鋭しとまる孔雀蝶/福田蓼汀
雪降りし朝や孔雀の声汚れ/加古宗也
雲降りて野は傾きぬ孔雀蝶/古舘曹人
大寒の孔雀兆して色付くか/和田悟朗
裏切りの二転三転白孔雀/宇多喜代子
行く春の寂光曳けり白孔雀/石田克子
花どきの空蒼涼と孔雀啼く/飯田蛇笏
花々の天に渦まく孔雀たち/平井照敏
孔雀の尾薬玉の緒と美しう/志田素琴
孔雀の尾開く広さに春の風/橋田憲明
黄落や三井寺が飼ふ青孔雀/伊東宏晃
三月は孔雀の季節三女生る/北野民夫
円の羽被きて孔雀若葉風/立崎ゆき子
縁蔭の孔雀を誰もいぶからず/鷹羽狩行
襖絵の孔雀は老いて秋陽欲る/横山白虹
象牙婚孔雀まで来て春日浴ぶ/松山足羽
遠火事に啼く孔雀あり百貨店/宮武寒々
闊歩する孔雀に天も地も盛夏/福田蓼汀
陽炎の乱れて孔雀飛ばんとす/石井露月
俳句例:41句目～
霜晨の孔雀色なるこずゑかな/鈴木白祇
霜見をり父が遺愛の孔雀たち/堀口星眠
ゆく春や孔雀の翅に玉模様/今井杏太郎
大幅の孔雀を掛けて春近し/石島雉子郎
城古び五月の孔雀身がかゆし/西東三鬼
多佳子忌や七曜啼けり白孔雀/本橋定晴
孔雀よりはじまる春の愁かな/藤田湘子
孔雀啼く緑蔭深きところかな/渡利渡鳥
孔雀捜し園丁が来る夏至真昼/原田青児
孔雀鳴くどくだみの花うち震ひ/大串章
師走閑に羽つくろへる孔雀かな/原石鼎
手を拍ちて孔雀怒らす遅日かな/橋本薫
日影して孔雀いろなる盆の市/飯田蛇笏
春ひらく孔雀の羽根の百の紋/岡田貞峰
寒明けの少しよごれし白孔雀/吉屋信子
春窮やよごれ飼はるる白孔雀/下村槐太
春著きて孔雀の如きお辞儀かな/上野泰
春風に尾をひろげたる孔雀哉/正岡子規
曇天やことに孔雀と乱れたり/久保純夫
朝光の金刷く初夏の孔雀歯朶/渡邊水巴
俳句例:61句目～
橙の孔雀開きの樹下ぬくし/百合山羽公
水洟や孔雀の間より鳳凰ヘ/佐々木六戈
春着きて孔雀の如きお辞儀かな/上野泰
満開の春閉ぢてゐる孔雀かな/藤谷和子
炎天のうしろ思へり孔雀鳴く/松山足羽
白孔雀涅槃の翅をひらきけり/渡辺恭子
真っ先に尾長孔雀の雷雨避く/右城暮石
ひでり野を孔雀は飛ばず走るなり/澁谷道
あかき夕われと孔雀と印度恋ひ/渡辺白泉
大根の葉をついばめる孔雀かな/岸本尚毅
ちかぢかと孔雀を見たる遅日かな/宮本邦
夢の世に孔雀散らかす春暮かな/攝津幸彦
腐敗まだ始まらぬ夜の孔雀かな/江里昭彦
ひらかねば孔雀は黒衣枯るる中/金子篤子
まちまちにゆれつつ雨の孔雀草/野口盾人
求愛の羽の凍てをる孔雀かな/大木あまり
花冷えや孔雀の紫金夜をめげず/飯田蛇笏
昼しんかんと悪をみせる大孔雀/安井浩司
孔雀歯朶手に～山の暁すゞし/佐野青陽人
孔雀まで吹かれて来たり春の暮/藤田湘子
俳句例:81句目～
春泥の孔雀汚れしこと知らず/小島千架子
大旱の砂に孔雀がうずくまる/田川飛旅子
薫風や孔雀ゆるりと羽根まわす/佐野千遊
天暑し孔雀が啼いてオペラめく/西東三鬼
日もすがら春の海見て樹の孔雀/野沢節子
愛鳥日の孔雀に影を踏まれをり/桂樟蹊子
雛つれて孔雀のあゆむ木下闇/福田甲子雄
夏木立自由で行き場のない孔雀/渡部光枝
鶸によく孔雀に馴れぬ少女かな/金森匏瓜
蛇や食みし孔雀の貌のぎら～と/佐野青陽人
護摩焚いて孔雀呪法の明けやすし/筑紫磐井
春泥や孔雀がかつと羽根ひらく/九鬼あきゑ
いんいんと黄沙降りくる孔雀かな/吉田汀史
崖からの求愛孔雀の羽で受ける/八木三日女
孔雀の羽根が噴水になつた夕焼/富澤赤黄男
雪山背にバレーのごとき白孔雀/加藤知世子
孔雀の抜羽誰も云ひつつ檻を去る/原田種茅
薬草を摘み居れば園の孔雀鳴く/河東碧梧桐
やまざくら孔雀は厚く尾をたたみ/佐野美智
鴉にも似たる孔雀の声うらら/阿部みどり女
