夢見に関連した俳句の例をまとめました。
夢見を含む俳句例
春の夜の夢見て咲や帰花/千代尼
郭公何の夢見る陰陽師/正岡子規
面白い夢見る顔やねはん像/鳥酔
金屏に夢見て遊ぶ師走かな/支考
春風や何の夢見る朽柳/正岡子規
水風呂に夢見る朧月夜かな/支考
極楽寺百日紅の夢見時/高澤良一
蟷螂の夢見て逃げる胡蝶かな/如行
西方を少し夢見の白日傘/鈴木鷹夫
いやな夢見た朝の爪をきる/山頭火
産湯して嬰は夢見の初笑/杉本和子
蝶々や何を夢見て羽づかひ/千代尼
猟人の夢見て鹿の角落す/正岡子規
仏頭の墜ちる夢見し冬隣/鈴木鷹夫
即仏を夢見る如し涅槃像/塩谷華園
余生いま夢見にも似る菊膾/谷内茂
朧夜の鶏が夢見る白世界/能村研三
引入て夢見顔也かたつぶり/炭太祇
あしかびや雁が夢見の奥淡海/岸田稚
春の夜や何の夢見て蝶一つ/正岡子規
俳句例:21句目~
くちなはの夢見て伸ぶる黒髪か/黛執
大き夢見てゐる山のよく眠る/三宅桂
笑み涼し何を夢見て赤ん坊/高澤良一
つきまとふ眞晝の夢見松の芯/渋谷道
秋の雷汝の夢見し悔しさよ/鳴戸奈菜
春暁やあさき夢見し夢の中/草間時彦
目の見えぬ夢見て泣けり霜の中/照敏
浮寝鳥宇治十帖を夢見るや/鈴木鷹夫
少年の如し夢見て日記買ふ/高石高平
毛蒲団やこわい夢見る後夜の鐘/涼菟
幼子の金に化けたる夢見たり/谷活東
毛ふとんやこわい夢見る後夜鐘/涼莵
夏蝶の夢見る状に翅うごく/今井竜蝦
母の夢見し朝風鈴吊しけり/前橋春菜
泊り山夢見る雉の声すなり/正岡子規
御姿は夢見たまへる衾かな/正岡子規
春富士に夢見心地の道祖神/小野宏文
世の中の夢は夢見る胡蝶哉/正岡子規
父の夢見て母を訪ふ木守柿/中村甚一
仏頭の夢見て朝の寒さかな/和田悟朗
俳句例:41句目~
身動きも夢見ごころや寒の鯉/森澄雄
遼東の夢見てさめる湯婆哉/正岡子規
春の虹旅を夢見る子と仰ぐ/堀口星眠
百年千年夢見て青き冬景色/寺井谷子
鷺草の風出て夢見心地なる/柿谷房子
麦鶉猫の夢見て鳴きにけり/正岡子規
夢見がち覚めがち蟲の音が囲む/及川貞
夢見ざる枕まつ白ほととぎす/岩永佐保
夢見ざる眠りまつくら神の旅/小川軽舟
夢見よく覚め陶枕の彼方なる/千田百里
夢見るか夢見しあとか冬蕨/青柳志解樹
夢見るはほたる袋の腕の中/安藤登免代
大晦日馬に追はるゝ夢見たり/正岡子規
恐ろしき夢見て夏の夜は明ぬ/正岡子規
花合歓の夢見るによき高さかな/大串章
春燈下正座して夢見ておりぬ/原子公平
昭和夢見し少年倶楽都鳥渡る/高橋康菴
暑き夜や夢見つゝ夢作りつゝ/相馬遷子
桜よりあはし会津の夢見蕎麦/橋本榮治
極楽の夢見て覚むる夜長かな/折井愚哉
俳句例:61句目~
母の夢見て霜焼の耳がかゆい/木下十三
王朝の夢見る月の牡丹かな/小川原嘘帥
簾のゆるる明暗昼を夢見をり/宮津昭彦
籠枕浅き夢見ず酔ひもせず/南/英四郎
芽柳の夢見るための眠りかな/野澤節子
衰へし夢見に鹿を死なしむる/高柳重信
いろいろの夢見て夏の一夜哉/正岡子規
足袋はいて寝る夜ものうき夢見哉/蕪村
さかさまに何の夢見る草の蝶/正岡子規
さまざまの夢見て夏の一夜哉/正岡子規
また道に迷ふ夢見て夜の長し/中嶋秀子
阿蘇銀河など病床に夢見ては/藤崎久を
霊園に詣る夢見て秋の昼/阿部みどり女
冬蝶の夢見むとゐる伽藍かな/藤田湘子
合歓咲いて蓮咲いて余呉夢見ごろ/林翔
麗しき夢見てをらむ残る鴛鴦/堀口星眠
同じ夢見ててゆるるや二輪草/久留和子
龍の夢見て日高見国の冬蝗/高野ムツオ
たらちねの母を夢見の柚子の花/望月精光
すかんぽや夢見る頃の空の色/櫛原希伊子
俳句例:81句目~
花辛夷夢見れば亡き子に逢へる/根岸善雄
夢に夢見て蒲団の外に出す腕よ/桑原三郎
藁塚裏の陽中夢見る次男たち/福田甲子雄
おのが子の夢見てさめぬ泊り山/正岡子規
小豆干し峡を出る夢見ずなりし/清水径子
囀りやけさの夢見の井戸はこれ/鳴戸奈菜
卯月の夜夢見むための身の眠り/村越化石
氷下海は夢見るごとく釣られける/齋藤玄
なめくぢの夢見て脱ぐや蛇の皮/正岡子規
千号を夢見て逝かれ黄泉の春/深川正一郎
雪のせて古巣は去年の夢見をり/堀口星眠
雪の夜の夢見るものに海鼠かな/高橋睦郎
雪明り死者は夢見ることありや/折笠美秋
一睡の夢見や伊勢のいかのぼり/高柳重信
月明かく夢見る如き除夜なりき/相生垣瓜人
夢見茣蓙巻きかかえねば失せやすき/澁谷道
薔薇咲かせ園芸家をわが夢見し日/伊東宏晃
同じ夢見しかに鵜飼終はりけり/藤田さち子
仰向き寝るは夢見るすがた雲の峰/宮津昭彦
悪しき夢見ること多しフロイト忌/興津知明