七種粥に関連した俳句の例をまとめました。
七種粥を含む俳句例
七種や今を昔の粥の味/鴻村
薺粥遠白雲に家冷ゆる/中拓夫
先づ春の匂ひも嬉し薺粥/二遊
南に洋ひらけたる七日粥/原裕
雪国の訛すこしく薺粥/長谷川櫂
丹田に応ふるものぞ薺粥/齋藤玄
天暗く七種粥の煮ゆるなり/普羅
鳥寄せてまたあそぶ木や薺粥/目
はし紙の汚れも少し薺粥/村木記代
七日客七種粥の残りなど/高浜虚子
七曜を忘れてすごす七日粥/檜紀代
薺粥箸にかからぬ緑かな/高田蝶衣
里心つましホテルの薺粥/今関幸代
薺粥母とむかひし齢かな/小林康治
その年のその日のいろの薺粥/龍太
受験子の紅き耳たぶ薺粥/松村多美
喪心を一掃七日粥を炊く/富田潮児
境内に薺摘みけり七日粥/大谷句佛
大釜で炊く宿坊の七日粥/山崎羅春
晴天の山ひとつ負ひ薺粥/廣瀬直人
俳句例:21句目～
髭の邪魔いかにきのふの薺粥/也有
七日粥母の言葉の今も生き/河野南畦
薺粥独りの音を立てにけり/渡辺桂子
七種粥欠けたる草の何何ぞ/鷹羽狩行
三猿にまだ徹しかね七日粥/富田潮児
薺粥家持ち上げる風の出て/上原富子
薺粥さらりと出来てめでたけれ/杣男
雪となる窓の明るさ薺粥/佐藤明日香
雨すぐに雪にかはりて七日粥/上村占
老の知る老のさびしさ薺粥/遠藤梧逸
薺粥妻も五十になりにけり/西本一都
薺粥六十路を父母は赭顔に/大熊輝一
くちびるを七種粥へ尖らせる/蔦三郎
赤松は躍れる木なり七日粥/宮坂静生
薺粥仮の世の雪舞ひそめし/飯田龍太
菜畑に雨の残りし七日粥/中野あぐり
畑のもの薺に足せり七日粥/滝村正道
病室も常の日となる薺粥/古賀まり子
蓋とれば野の明るさの薺粥/谷口稠子
七草や粥にあつまる門弟子/中川四明
俳句例:41句目～
小障子に峠の日あり七日粥/木村蕪城
手許には芹だけされど七日粥/及川貞
昨日大事明日大切に薺粥/大沢ひろし
アメリカの大屋根の下薺粥/秋本敦子
一椀を思ひ立ちたる薺粥/藤田あけ烏
妻に供く野の香稚き七日粥/雨宮抱星
黒楽茶碗七種粥の匂ふなり/近本雪枝
薺粥痴呆の母の口へさざなみ/安西篤
七種や薺すくなの粥すする/臼田亞浪
七草のまことに淡き粥の味/角川春樹
七草の粥のあをみやいさぎよき/青々
七草の粥煮ゆる間の炉の火色/井上雪
煮させけり七種粥を八日にも/林原耒井
兄のこと書いて母恋ふ七日粥/古舘曹人
耶蘇名持つ下宿子のをり薺粥/石川幸子
胸の闇濃ゆく七種粥冷ゆる/小松崎爽青
花拒み言葉を拒み祖母の咳く/橋本榮治
葉のさきや雪に焦げたる薺粥/室生犀星
薺粥とて世の母と在るごとし/田中鬼骨
薺粥はやくも不義理二つかな/江口千樹
俳句例:61句目～
食べごろの湯気あそばせて薺粥/檜紀代
あるままに野菜揃へて七日粥/川村甚七
けふすこし早起きしたる薺粥/守山琴女
たまきはる命あかりの七日粥/橋本榮治
なづな粥泪ぐましも昭和の世/沢木欣一
薺粥むさし野の雪消えぬまに/渡辺桂子
膝の児に覗く歯二本なづな粥/山田弘子
七種のどれも濃みどり粥の中/上田芳子
七種の三つがそろひて粥炊くも/谷迪子
吹くたびに緑まさりて七日粥/小沢初江
大釜の色かぐはしき七日粥/浅見咲香衣
大鍋に炊きあふれけり薺粥/高橋淡路女
炬燵居のふた草あらぬ七日粥/巌谷小波
七草の粥の米磨ぐひとにぎり/朝倉和江
七草の粥ふつくらと父は亡し/津田仙子
煮え立ちてはるけき色の薺粥/廣瀬直人
紅走るひと切れの餅なづな粥/茂里正治
わが摘みし芹の香めでて七日粥/斎藤道子
さゞんくわは名残の花や七日粥/渡邊水巴
おふくろと呼ばるることよ薺粥/永方裕子
俳句例:81句目～
いくさ深しすめらみくには薺粥/渡邊水巴
膝に来る子のいつまでや薺粥/深澤/厚子
母より先に起きしことなし薺粥/鈴木栄子
薺粥ながき眉毛のうちふるひ/吉本伊智朗
粥食のつづきの中のなづな粥/能村登四郎
比良すこし暮れて来りし七日粥/西田栄子
糸底の掌にこそばゆし七日粥/石田あき子
薺粥もしやの二人ごころして/諸角せつ子
喪ごもりのひととせが過ぎ薺粥/佐川広治
薺粥椀のうつり香よかりけり/鈴鹿野風呂
七草の粥まにあはず息絶えし/瀧澤伊代次
七日粥虫食ひの菜もきざみたる/中村泰子
七日粥うまし老境はじまるや/藤原たかを
すずしろのもつともあをし七日粥/長倉閑山
風邪の児にすこし熱くて七日粥/田中一荷水
杓子動かぬ七種粥を恐れけり/長谷川かな女
夜明けつつ弥陀にけぶるや七日粥/藤原如水
薺粥吹きくぼめつゝ香ぐはしき/逢坂月央子
吾が摘みし芹が香に立つ七日粥/小松崎爽青
みほとけに七種粥の灯を上ぐる/中川/みさえ
