古稀/古希に関連した俳句の例をまとめました。
古稀/古希を含む俳句例
相恃む妻は還暦古稀の春/西本一都
越年を古稀と世紀が合流す/黒田節
古稀といふ春風にをる齢かな/風生
古稀の健唐酒宋茶と軒の梅/遠藤梧逸
陽炎や古希の情熱かと思ふ/橋本敏子
古稀翁にへんぽん赤き鯉幟/山口青邨
蕪鮓の麹をなめて古稀迎ふ/大坪景章
満齢古稀給油所に聞く梅便り/杉本寛
喜寿の兄古稀の弟田螺鳴く/今村/薫
屠蘇祝ふ古稀には古稀の志/清崎敏郎
寒芹の根の白々と父の古稀/皆川白陀
あたたかや古希の鶴亀定期券/徳永珠石
かき氷恋をせし頃古稀のころ/小島宇人
蛞蝓不徳と言ふも古稀すぎぬ/小林康治
花月夜古稀の命を坊に寝て/町田しげき
久闊の教へ子は古稀松葉蟹/高橋せをち
人ごとと思ひし古稀や泥鰌鍋/永井丈夫
古稀の眉いまはしづけき寒佛/松村蒼石
向学のまつすぐ古稀へ蕪汁/赤松ケイ子
古稀いまだ孫なき日々や衣被/青木重行
俳句例:21句目~
余生とは未し古希へ畳更ふ/殿村莵絲子
古稀も又一瞬なりし帰燕かな/加治幸福
絶頂や雪にたてたる古稀の杖/会津八一
十一月流れのままに古稀祝ふ/石村善郎
古稀祝ふ茶室びらきや女正月/花房敏子
古稀という春風にをる齢かな/富安風生
古稀といふことを諾ひ露涼し/岸風三樓
古稀といふ仄と楽しき初手水/神尾季羊
古希といふ春風にをる齢かな/富安風生
古稀過ぎの貌煤けたる年男/下村ひろし
古稀といふ絶体絶命冬もみぢ/木村敏男
懸大根二連を軒に喜寿と古稀/望月紫晃
古稀翁の袴着て来る初句會/下村ひろし
古稀にして細楷をよくす筆始/中川四明
牛守の古稀の白髭おぼろかな/太田土男
富士詣古稀の自祝に果せしと/本川晴代
残雪や祝はれて愧づ古稀の貌/青木重行
古稀迎年吾に老心更になし/小原菁々子
古稀過ぎて亀の歩みの登山靴/河村岳葉
人ごとの様に古稀なり初日の出/峯尾栄子
俳句例:41句目~
人や古稀櫻樹また古稀寒に入る/黒田杏子
初伊勢や古稀を迎へし妹を祝ぎ/大橋淳一
古希すぎし自分のために買ふ雛/高橋笛美
古希といふ発心のとき花あらし/野澤節子
古希過ぎて一誌を興す雲の峰/山口超心鬼
古稀すぎて着飾る日あり女郎花/津田清子
古稀といふ童心にあり喧嘩凧/延平いくと
古稀自祝一天辛夷あかりかな/落合ヨシ子
古稀迎ふ酔とろとろとあやめ酒/河野南畦
魯迅忌や古希となりても母恋し/綱田酔雨
古稀近し雲の端より柚子を妨ぐ/近藤一鴻
古稀過ぎて一誌を興す雲の峰/山口超心鬼
古稀過ぎの居合い決まりし夏袴/三浦良子
大福茶うかうか古稀に近づきて/大谷史子
柿食うやあなたの古稀の独り言/大沢せい
梅咲くや古稀過ぎし友優しかり/南雲快子
父に似つ母に似つ来て古稀の春/京極杞陽
生かされて古希発心の初句会/今井田敬子
眠る山は内福の相古稀祝ぎに/平井さち子
秋風の島の芒を古稀の眼に/阿部みどり女
俳句例:61句目~
裏白と一夜明くれば古稀の父/百合山羽公
読初や古稀のこころを新たにす/鈴木達哉
透明になりゆく葛湯古稀を越ゆ/禰寝雅子
中国史読み初めに古稀うべなへり/杉本寛
鬱金桜今を盛りに古稀となる/松本夜詩夫
古稀にして初湯ゆたかに溢れしむ/澤野純子
師の古稀に集うて甲斐の青菜飯/伊藤いと子
年惜しむ古希の坂まで来てしまふ/勝田享子
土用三郎古稀てふ未知に乾杯す/村上ふさ子
負ひ目なく生き爽やかに古稀迎ふ/伊東宏晃
春の尾につかまつたまゝ古稀の人/川崎展宏
春色やさずかる古稀の齢抱き/長谷川かな女
古稀過ぎの光陰螻蛄の鳴くに似て/澤田緑生
古稀過ぎし眼力木瓜を開かしむ/守田椰子夫
うたかたの間に古稀となり冬紅葉/清原花子
涅槃雪ふりかぶりつつ古稀となる/中村敏子
古希過ぎの光陰螻蛄の鳴くに似て/澤田緑生
古稀自祝土蜂を追うて眼の灼けて/中島斌雄
古希以後のひと日大事に糸瓜咲く/岸風三楼
古稀過ぎは誰もはらから島ざくら/荒井正隆
俳句例:81句目~
古稀迎ふ自祝の梅を漬けにけり/北見さとる
古希すでにうしろにありし雑煮汁/廣瀬直人
古稀までの時雨小春を生きんかな/京極杞陽
短日のつもりて古稀となりゆくか/西本一都
古稀の手でみかん苗植う海霧の中/閑田梅月
パール色のさんざしの花母古稀に/川崎慶子
チユーリップ園に燦爛師は古稀に/木村蕪城
かりそめの世とは思はじ古稀の春/後藤夜半
喜寿の師に古稀の教へ子福茶うく/加藤康人
掛け大根いつの間に古稀至りけむ/上野さち子
何時かは来るその古稀が来て冷かに/石塚友二
初日拝す古稀の目がしらうるみけり/高橋青湖
古稀の手に喜寿の手重ね良夜かな/宇都宮丸台
虔みて古稀の茅の輪をくぐりけり/下村ひろし
色鳥が寄り古希々々と喜寿々々と/阿波野青畝
白桃むく古稀ときめきのなほありて/小坂かしを
古稀に処すこころ寒にも処しながら/石井とし夫
古稀にして見えくるものや石蕗の花/勝野八重子
古稀としてみかんのあまきほか思うことなし/荻原井泉水