病室に関連した俳句の例をまとめました。
病室を含む俳句例
病室に七夕笹の釘探す/年尾
病室の大窓仰ぐ立葵/中村時空
病室の窓黄落の百号よ/辻田克巳
病室へ土用鰻の御用聞/開田華羽
寒灯消し病室に夜が又/藤木和子
病室の蝿虎と仲よしに/牧野春駒
病室の四人四様の初暦/高橋千美
病室に巣箱作れど燕来ず/石田波郷
病室の窓の四角の星月夜/稲畑汀子
病室の檸檬ひときれ皿の端/石寒太
病室の窓いつまでも種瓢/矢野藍女
病室の空のいづちへ揚雲雀/斎藤玄
病室の煖爐の側や福壽草/正岡子規
病室四人話のもとの心太/影島智子
病室や大き火鉢の去年の灰/有働亨
母の日の花束空路病室へ/谷/流石
病室は誰も叫ばぬ夜の桜/対馬康子
病室の隅のクレヨン星祭/井堀博子
早い雨音の秋が来た病室/住宅顕信
病室の冷房しばし無明音/松田秀一
俳句例:21句目~
病室に八十八夜冷ありし/松本圭二
病室に夕刊とどく漱石忌/中村明子
病室に届く熊手も酉の市/高濱年尾
病室の薬玉にふれ屍去る/古賀まり子
病室ヤ窓アタゝカニ秋ノ蠅/正岡子規
病室も常の日となる薺粥/古賀まり子
病室より白昼の海海の日よ/杉山ふさ
病室を二つ訪ひけり露夕べ/山田弘子
風光る汝が病室の中に来て/山岸竜治
薔薇活けて外料病室に花鋏/品川鈴子
藤垂れて病室まぎれなくにほふ/龍太
蚕豆のような病室暮れ残る/対馬康子
星月夜病室といふ船が出る/増田春恵
春寒や病室のドア廻るのみ/横光利一
春愁や病室の何に目を移さむ/斎藤玄
春雪や病室かろく別れ出づ/小池文子
書初の墨病室をかをらしむ/石田波郷
南風や処女来てわが病室に/石田波郷
水中花置き病室の翳ふやす/織田玲子
病室で過す昼餉や白子干/奥野美枝子
俳句例:41句目~
病室に元日の雨の傘をつく/石田波郷
病室に子恋つのらす十三夜/福永耕二
病室に差し込む夕日蘭の花/田中信夫
病室に春蔭の濃くなるを待つ/斎藤玄
病室に物煮てあるや春の雨/吉田冬葉
病室に豆撒きて妻帰りけり/石田波郷
病室に降る煤のあり半夏生/石田波郷
病室に雨の七夕昏れにけり/村越化石
病室に鴨引く声の縷となりぬ/齋藤玄
病室のけふを飾りし吾亦紅/今村泗水
病室の湯婆の側や福寿草/広江八重桜
病室の夫が見てをり冬の虹/金子敬子
病室の宵さ飛しさよ木犀花/会津八一
病室の小さき爼胡瓜もみ/石田あき子
病室の懈怠は知らず雪の山/矢崎幸枝
病室の煖炉のそばや福寿草/正岡子規
病室の窓はんぶんは冬の海/五島高資
をみならの病室桃の花活けて/渡辺立男
こほろぎの壁病室を上へ重ね/宮津昭彦
冬夜踏む病室の床音をしのぶ/石田波郷
俳句例:61句目~
病室の中まで黄葉してくるや/石田波郷
ももさくら死は病室を兎跳び/浦野菜摘
病室にむらさき充てり諸葛菜/石田波郷
病室に忘れし手套寒ゆるぶ/石田あき子
病室に蚊帳の寒さや蚊の名殘/正岡子規
二月半ばの病室に百合置かれ/金田咲子
病室の忘れ日傘も暮れにけり/斉藤史子
病室へ帰るほかなし月を見て/朝倉和江
病室は真四角で帰る雁きこゆ/佐野良太
病室へ妻会釈して春着きて/鳥居おさむ
病室の窓見え残暑きびしき日/高濱年尾
水中花病室の椅子足らざる日/朝倉和江
病室の竹の風鈴鳴りにけり/今井杏太郎
病室のとなり余寒の旅鞄/阿部みどり女
病室へ来し紫陽花の色変はる/朝倉和江
病室の部屋ごと年の瀬の掃除/高浜年尾
向日葵のどちら向いても病室よ/森田峠
目貼する病室故に急かさるゝ/高濱年尾
葉牡丹や病室むつと暖かし/高橋淡路女
葡萄洗ふ病室の隅まづ灯し/石田あき子
俳句例:81句目~
野をおもふ病室に蓼届きては/朝倉和江
病室の隅の未明やアマリリス/石田波郷
病室の湯呑みの脇にバナナの斑/高澤良一
病室にひと日の春着着て仕ふ/石田あき子
温室の花病室賑やかなるがよし/相馬遷子
幼ならは病室にとほく雪を唄ふ/原田種茅
誘蛾灯泣く子を抱いて病室へ/玉木こうじ
豆を撒くつひのすみかの病室に/朝倉和江
病室へ入り来破魔矢の鈴鳴らし/右城暮石
十五夜の病室に妻よんであり/土橋石楠花
夏至の日の病室にまだ詰めてゐる/今橋寿子
病室の湯気いきいきと年つまる/望月たかし
病室にかゞやけるもの林檎のみ/大星たかし
威風もてやんまが過ぎぬ病室を/赤城さかえ
病室の嗽のコップに梅を挿す/かわなますみ
てつという字が病室に入りきらぬ/折笠美秋
たいくつな病室の窓に雨をいただく/住宅顕信
ビアガーデン灯る病室の真向かいに/横山房子
カーテンで仕切る病室冬ぬくし/長谷川嘉代子
龍龍龍龍という字が病室に入りきらぬ/折笠美秋