口開けに関連した俳句の例をまとめました。
口開けを含む俳句例
口開いて矢大臣よし初詣/青畝
獄は口開け寒卵売通す/斎藤玄
早鞆の風に口あけ燕の子/飴山實
鶏も犬も口開け村暑し/上村シマ
広島や卵食ふ時口開く/西東三鬼
老守衛口開け歌ふ労働祭/轡田進
釣られざま鱸真紅の口開く/磯直進
刈田光即身佛は口開く/秋元不死男
初蛙口開けて何念ふ子ぞ/細川加賀
平皿に呆と口開け揚げ鰍/高澤良一
口開けし鯊の絶命鯊日和/鈴木鷹夫
炎昼や蛸壺暗き口開いて/高井北杜
帆立貝反戦の口開きけり/松田秀一
殺される女口あけ菊人形/木村杢来
子持鱈口閉ぢ雄鱈口開く/右城暮石
口開けて髭剃る男秋の雨/田中朗々
春昼や鳥が口あけ浄土変/古舘曹人
秋風や太刀すこし口開けて/有働亨
雪沓の百の口開け嫁を待つ/山崎秋穂
雪天へ活火の火口口開けて/茨木和生
俳句例:21句目~
人形は軽く口開け梅雨寒し/対馬康子
西行も口開けて寝し桜の夜/今瀬剛一
八月の口開けてゐる夢の中/高澤良一
口開けの浜に届きて蓬餅/中戸川朝人
子持ち鱈口閉ぢ雄鱈口開く/右城暮石
蛤のぱつと口開き電話鳴る/八木秋子
舞獅子のかっと口開く村の奥/源鬼彦
鼻上げて象口開く春日かな/野沢/雄
口開いて百姓雁を迎へけり/松藤夏山
浅蜊椀無数の過去が口開く/加藤楸邨
昼顔が口開けている無人島/五島高資
口開けて次の嚏を待てる顔/長尾樟子
外来の巨が口あけ池普請/本山卓日子
地獄湯の鰐が口開く春の昼/小林修水
口開けて笑う羅漢に冬の雨/宇咲冬男
口開けて腸を抜き取る拳かな/高橋龍
春のどか小鮒口あけ合唱す/安田龍泉
うつすらと口開けてゐる孕鹿/中山秀子
冷まじき念力舎利仏口開くは/野澤節子
匙を見て母が口開く木の芽寒/岡本高明
俳句例:41句目~
匙運ぶ前に口開き土用あい/中戸川朝人
口開けて向き合ふ烏雲の峰/池内友次郎
口開けて正月休みの登り窯/竹中碧水史
口開けて死が待ってゐる万緑/栗林千津
口開けて餌を乞ふ小鳥秋暑し/福本天心
口開けの銭湯広しいとど跳ぶ/平山嘉子
向ふの世へ入る口開き墳の冬/吉田紫乃
吸入の妻が口開け阿呆らしや/山口青邨
土用照り真鯛大きな口開けて/工藤寿子
塩鮭の口開くままに母の家/宇多喜代子
大津絵の口あけ笑ひ月たかし/中山純子
天に口開く反射炉四方枯るる/毛塚静枝
春愁のマネキンほうと口開く/安澤節子
春灯へ丸い口開けている湯呑/高橋信之
月光を仰ぐ歯の無き口開けて/右城暮石
椎の花村中ぽっかり口開けて/小林園公
石炭を口開け見惚れ旅すゝむ/金子兜太
虎落笛木偶人形の口開いて/山本やす子
鮟鱇の吊られ大愚の口開けて/日置草崖
鵙の贄叫喚の口開きしまゝ/佐野青陽人
俳句例:61句目~
口あけ見る雪渓ここは暗く陥ち/友岡子郷
口開けの味噌に色なき風入れて/武居國子
口開けて鶴を見てゐる望遠鏡/中田みなみ
四月馬鹿貝が口開け売られゐし/渡辺恭子
口開けて鴉のありく晩夏かな/あらたに梢
口開いて蛸壺げんげに転がれず/和知喜八
口開けや匂ふまで研ぐ若布刈鎌/佐々木稔
口開けしあけび白痴の白を見す/三好潤子
朝市の口開けといふ蝦蛄を買ふ/能村研三
古墳みな口開けてゐる朧かな/冨田みのる
原爆屍かつと口開け灼けつく地/中島斌雄
今は昔の口開けている秋の河馬/坪内稔典
躙口開けられてあり笹子鳴く/広瀬由紀夫
目借時口開けおわす埴輪たち/松山智恵子
けさは鬼が口あけ口の水すまし/坪内稔典
かつと口開けて岩の焼かれけり/長谷川櫂
頬刺のみな口開けて干されけり/高間礼子
口開けの切幣肩に和布刈海女/町田しげき
鯉のぼり口開けしまま畳まるる/岡田守生
恋しさも暑さもつのれば口開けて/草田男
俳句例:81句目~
お歯黒となりて口開く春の夢/鳥居真里子
鶏小屋の鶏は口開け暑に耐ふる/富田範保
大き口あけ悲嘆の女寒波来る/鍵和田ゆう子
口開けて子燕顔を失へり/前田恭子「命脈」
喪の家暑く猫ももいろの口開ける/川口重美
呆けつと口開けたる陶狸日脚伸ぶ/永井博義
口開けて姥百合の実のがらんどう/矢野京鼓
口開けてせりふ述べさう壬生の面/穐山珠子
父われが冬夜口あけ家路にあり/石橋辰之助
頸動脈が口開けているクリスマス/夏石番矢
食べさせてもらふ口あけ日脚伸ぶ/日野草城
口開けた木彫りの神にとらわれる/伊丹公子
秋風にくわつと口あけ死ぬもよし/鳥羽三郎
口開かぬ浅蜊ごときは天の邪鬼/北見さとる
日ざらしの河馬が口あけ一日あけ/坪内稔典
茘枝熟れ魔女のごとくに口開く/池野よしえ
賀辞述べし口開けられて咽喉診らる/槫沼清子
ねずみ捕り口開け置かれ梅雨に入る/菖蒲あや
口開けて叫ばずシャワー浴びており/五島高資
身に入むや窯は火を待つ口開けて/鈴木真砂女