植木に関連した俳句の例をまとめました。
植木を含む俳句例
市へ行く植木車や桜草/正岡子規
増上寺総門前の植木市/高澤良一
その中の勿忘草や植木市/石田勝彦
霜どけの境内広く植木市/高木晴子
植木市寺に郵便局も出て/川澄祐勝
地芝居の黒子三代植木職/中村勝臣
畑中の植木の棚や雲の峯/会津八一
植木市旅の吾等と先生と/吉野十夜
女等の一日遊びし植木市/小園末子
安行や蚊遣を吊し植木売る/堀古蝶
川べりに植木棚あり猫柳/鈴木花蓑
植木屋の門口狭き牡丹哉/正岡子規
お隣りと同じ植木屋松手入/高澤良一
植木市金柑数多実をつけて/嶋杏林子
植木市素通りさせぬ女おり/鈴木光彦
枳殻剪る植木鋏はドイツ製/高澤良一
高き天植木屋梯子置いて去る/松本旭
鉄線花買ふは老妓や植木市/松本秩陵
軍艦の泊まる港や植木市/栗原利代子
藪巻や思はぬみちに植木畑/石川桂郎
俳句例:21句目~
算盤で値引きかけ合ふ植木市/河野真
植木屋の夜店の跡や道の露/正岡子規
歳晩の植木溜りに葱囲ふ/中戸川朝人
植木市何か買はねば夏迅し/長谷川双
初弘法塀の限りに植木市/奥村木久枝
強面の人より値切る植木市/西内千里
植木市師の体温に甘え蹤き/石塚友二
新宅や植木芽をふく窓の先/正岡子規
日光黄菅括られ窶る植木市/都筑智子
日暮里や只植木屋の冬木立/正岡子規
植木屋の裏は小田なり桜草/正岡子規
くくられしところに蕾植木市/倉田紘文
長身の僧の見てゆく植木市/岩淵喜代子
鳩鳴くや眞晝睡たき植木市/石田あき子
噴水の聞こえて来たる植木市/岸本尚毅
夕立のあとから来たり植木売/正岡子規
夜は夜店植木は春の花咲きぬ/細谷源二
山梔子や植木畑を田のかこみ/石川桂郎
年の瀬の隅に押しつけ貨植木/中村汀女
教会を出て日の恵み植木市/上田日差子
俳句例:41句目~
早暁の荷を運びこむ植木市/青柳志解樹
梅の花になひおこせよ植木売/井原西鶴
植木屋の山茶花早く咲にけり/正岡子規
植木屋におちぶれ顔の牡丹哉/正岡子規
植木屋に下宿するてふ麦青む/田中裕明
植木屋に賣殘りの菊皆枯るゝ/正岡子規
植木屋の仕事の跡や春の泥/有本たけし
植木屋の妻の訃知りぬ十二月/沢木欣一
鳴瀧の植木やがむめ咲にけり/蕪村遺稿
植木屋の打水ふんで苗えらぶ/宮井保彦
植木屋の無口めでたし松落葉/石川桂郎
植木屋の花うれぬ間に盛かな/高井几董
植木屋は今日も木の上更衣/八牧美喜子
植木屋ハ来ラズ庭ノ茂リカナ/正岡子規
植木市春星に似た名をさがし/児玉悦子
植木市釣竿買うてもどりけり/中尾白雨
車椅子に積める苗選る植木市/矢野文彦
水打つて星まで濡らし植木市/福田紀伊
狐釣り植木のあたりたいへん/阿部完市
舟につむ植木に蝶のわかれ哉/高井几董
俳句例:61句目~
しもつけを地に並べけり植木売/松瀬青々
まくなぎや枝道互生の植木村/平井さち子
植木市夜となる水を打ち合へり/菖蒲あや
冬至の日きれい植木屋木の上に/山口青邨
植木屋の松に惚れつつ手入かな/京極杞陽
植木市当て字ばかりの名札付く/右城暮石
城よりの落花を浴びて植木市/中戸川朝人
秋晴の植木かつぎて日比谷かな/岸本尚毅
植木市母校が見えて汽車が過ぎ/千田一路
植木屋の弟子叱りをり日脚伸ぶ/水原あゆ
更紗木瓜解けば風あり植木市/水原秋櫻子
植木屋の垣の山茶花咲きにけり/正岡子規
植木屋の鎌とぐ長さ木下闇/阿部みどり女
夫と歩くたのしさ植木市でよし/中山長寿
華鬘咲き田を打捨ての植木村/水原秋櫻子
植木市すなはち乳房ふくらめり/寺崎治郎
辻埋めて初金刀比羅の植木市/富岡掬池路
雲を喰い尽くした植木屋の消息/平田栄一
カーテンの鈎付け長夜の植木算/高澤良一
植木屋の住居も闇し花盛/ぜぜ少年-半朱
俳句例:81句目~
植木屋のトラック一日春の雨/かみや久仁彦
植木屋に嵩む拂ひやきりぎりす/石田あき子
値札みなホチキス留めや植木市/瀬原田純子
植木屋がぼつちやんと呼ぶ春の暮/野中亮介
植木屋さんの鋏さくさく冷夏切る/清水伸子
雨はれしからかささげて植木市/大橋櫻坡子
植木屋の日の丸立ててみどりの日/添野光子
マフラーをして植木屋と打合はす/谷口摩耶
秋晴れの植木かつぎて日比谷かな/岸本尚毅
花つけぬ植木もまぜて樹のまつり/細谷源二
植木棚に落ち梅ならべ子なきなり/原田種茅
植木屋の値切られ上手みどりの日/鈴木三四郎
八つ手を松に替へて年果つ貸植木/百合山羽公
霧噴いて灯影涼しや植木市/三宅孤軒「孤軒句集」
木のてつぺんにゐる植木屋や神の留守/成瀬桜桃子
青嵐吹やずらりと植木売/一茶/文化十二年乙亥
一日松の葉手入れしていた植木屋と夕べ温泉の中/荻原井泉水