学ぶに関連した俳句の例をまとめました。
学ぶを含む俳句例
日日学ぶ心と形鏡餅/村越化石
良寛を学びて遠し筆始/中火臣
学ぶ子に蚕豆頒つ小鉢なり/林翔
絶望を学べ黄色い日曜日/畑井貴晶
中国は五台に学び土用灸/有馬朗人
生涯を学びて老の冬帽子/石田玄祥
新涼の机上漸く学ぶべく/和田西方
もの学ぶ冷たき頭つめたき手/青畝
枯れにけり芭蕉を学ぶ葉広草/素堂
夜を学ぶ少年鉄の匂ひ持つ/木田千女
学びして寝ずや頭巾の影ぼふし/召波
底紅忌学びて習ふこと愉し/小田尚輝
松阪に学びしことも宣長忌/吉川陽子
桔梗や学びて君を通過中/中尾寿美子
異郷にて学べり夜食支へとし/坂井建
よく遊び学び勤労感謝の日/河野美奇
学び疲れし子に樟脳舟浮かす/樋笠文
結界に学ぶ風貌さみだるる/遠藤孝明
学び舎に朝の唱歌と雀の子/山内遊糸
草鞋履く事から学び山開き/加藤春子
俳句例:21句目~
霜凍る山に学ぶ灯雉子色に/村越化石
鰻食べ茂吉の詩魂学ぶべし/福田蓼汀
学ぶこゑ太藺の水の上をくる/上村占
凡兆の句を学ばゞや冬籠/沢田はぎ女
学ぶ友殖えて集まる花菜漬/影島智子
学ぶ気の溢れし瞳三日過ぐ/澁谷亮子
句も生もすべて学びし翁の忌/森澄雄
学び舎の丸太二本の月の門/田村了咲
山の上の学び舎灯る十三夜/佐野靖子
底紅忌学びつ習ふこと愉し/小田尚輝
因数分解学び直して夏終る/西本真弓
撫子や父に仕へて画を学ぶ/深川正一郎
学び児等橋よりふらす散華かな/原石鼎
百日紅母校はいまも少女学ぶ/津田清子
学び舎に聳ゆる黄葉銀杏かな/永沼直行
学び舎に鼓笛の調べ水澄めり/深澤碧水
学び舎の古きを誇り文化の日/小野響洋
学べざりし気後れ今も敗戦日/岡田和子
獅子座流星群よく学びよく遊ぶ/山崎聰
亡き叔父の学びの庭の落し文/田中英子
俳句例:41句目~
人からは何も学ばず小鳥来る/加藤春子
学ぶ少女に苺の連想など愉し/友岡子郷
死の床に死病を学ぶ師走かな/相馬遷子
露けしや芭蕉身近に学びし日/桑田青虎
切山椒学びに終の言あらず/四条ひろし
遺伝子を学ぶうしろの鳥威し/小山三壺
輪番をおちて学べる火桶かな/飯田蛇笏
雁瘡も学びくすしとなりにけり/塙告冬
李白の詩学びそびれし雨蛙/布施キヨ子
学びする机のうへの蚊遣かな/與謝蕪村
暁を学びて薔薇のひらく見つ/朝倉和江
学ぶこと多き晩年着ぶくれて/廣瀬千代子
学べども柳にたらぬこころかな/水田正秀
語らんと学ばんと来し花野なる/山田弘子
谿雪崩うまれし径を来て学ぶ/石橋辰之助
谿雪崩学びの窓のしづけさに/石橋辰之助
青くるみ学ばんと思いつつ歩く/金子皆子
わすれ雪学費待ちつつ学びをり/福永耕二
冬の夜の学ぶ歓びありて老いず/松田雄姿
噴井あり学ぶ吾等のために噴く/山口誓子
俳句例:61句目~
学びたる呪術の初め野鳩の死/沼尻巳津子
春立てり四十路学ぶに遅からず/芦沢一醒
蟷螂の美学を学びジャコメティ/高澤良一
柿の主歌は赤人を学びけり/菅原師竹句集
幾何学を篤と学びし蜘蛛ならむ/高澤良一
学ぶ紅顔冬あたたかな木槌の音/成田千空
コウといふ学び舎冬のすみれ咲き/平松良子
うづくまる仙人掌の愚は学ぶべし/富安風生
この黴の書をふところに学びたる/市川虚空
これよりはまつすぐ学べ松の蕊/佐々木六戈
秋晴や帰らば亡き子も学びをらん/香西照雄
火に学ぶごとく焚火を囲みけり/木村淳一郎
学び飽き睦び倦み梅雨や三五人/松根東洋城
学び舎の灯に顔上げぬ夜桑摘み/石橋辰之助
学びの窓も以下同文で果てにけり/池田朋以
学ぶ子に暁四時の油蝉/橋本多佳子「信濃」
日焼子に学ぶを強ひてかなしさよ/岡田和子
同じ師に学びし日あり花野行く/八牧美喜子
教へ得ぬに学び得し子よ冬薔薇よ/香西照雄
凍むや門付一から学ぶことばかり/高澤良一
俳句例:81句目~
たま画を学びゐたりし友急逝す二句/友岡子郷
病みながら花散るさまを学びをり/殿村菟絲子
学び舎にのがれ来しまゝけふの月/大橋櫻坡子
向き合ひて虚子に学びし花の日々/今井千鶴子
風をよむ事より学び鮑蜑/外川正市「母の国」
冬くる護岸学びとるもの爪先から/磯貝碧蹄館
かしこくも羯鼓学びぬ鉾の児/召波「春泥句集」
爐火いれて学ばなくともよかりけり/佐々木六戈
足ることをほとほと学びクリスマス/田川飛旅子
学ぶ眼がつばさのごとし寒ンさなか/河野多希女
南都に学び北嶺に入り蟇となる/星野石雀「延年」
青胡桃雲にちかぢか学ぶ子等/中村草田男「時機」
鴎外の学びし街に菩提子垂る/上原瑞子/『燈台草』
フランスの詰彙を学べるわが上にああ月といふ此岸の出口/黒瀬珂瀾