小豆に関連した俳句の例をまとめました。
小豆を含む俳句例
初午や柳はみどり小豆飯/也有
八朔や犬の椀にも小豆飯/一茶
父も母も妻も仏や新小豆/森澄雄
山畑も三成陣址小豆干す/神蔵器
打首の童唇皓歯新小豆/香西照雄
白梅や天神さまの小豆飯/会津八一
初午や梅の蕾の小豆飯/岡本癖三酔
小豆煮る父の忌日や冬暖/田中冬二
水郷や小豆も草の実の数に/原月舟
村中が小豆飯炊く土竜打ち/福島勲
小豆賣小家の梅のつぼみがち/蕪村
風選の音とだえけり新小豆/飴山實
やぶ入の夢や小豆の煮るうち/蕪村
小豆干す縁側広き尼の寺/後藤節子
月山の麓より来し小豆売/岩月通子
赤石山脈最南端に小豆干す/原田喬
藪入りの夢や小豆の煮える中/蕪村
莢青き小豆莚の二三枚/池上/秀子
出稼の夫に戸棚の茄小豆/山口忘我
草の戸や天長節の小豆飯/正岡子規
俳句例:21句目～
親子に春小豆に加ふ白砂糖/細見綾子
いつまでも父母遠し新小豆/石田波郷
初午やのつぺい汁に小豆飯/小杉余子
十六夜も雨の中なる小豆かな/齋藤玄
葛城の神々の村小豆干す/松下風草子
蝦夷の海暗し小豆の畑展け/吉田一穂
釈迦堂の前の小家や小豆引/松瀬青々
野施行や大きく握る小豆飯/吉田笠雨
鉄骨に変る藁屋や小豆干す/福川悠子
雀の頭蝿の眼秋の小豆色/中村草田男
小豆引く言葉少き一日かん/細見綾子
巡邏して小豆作りの相談も/三浦健一
風選の音をかろやかに古小豆/飴山實
炉の上の小豆匂へり小正月/杉崎あさ
煮え具合指に潰して新小豆/町田敏子
冬されや狐も喰はぬ小豆飯/正岡子規
初むまや柳はみどり小豆めし/五車反古
雁がねや寺に蕎麦畑小豆畑/大岳水一路
日に弾く小豆の莢のうす煙/野見山朱鳥
ことことと小豆煮つむる細雪/加藤耕子
俳句例:41句目～
野施行や雨にほとびし小豆飯/今村霞外
新小豆いきなり月のあがりけり/中田剛
小豆打つ向ふの婆は尚小さし/高野素十
指入れて筵に流す新小豆/長谷川かな女
瞬けば小豆こぼるる彼岸かな/橋石和栲
めぐり棒調子揃ひて小豆打つ/尾石ゑい
ゆで小豆匙の丸さに従へり/長谷川秋子
片照りの山の辺の道小豆干す/谿/昭哉
白玉に小豆の色のにじみたる/井上茂子
八朔や吹きこぼれたる小豆飯/渡辺大年
敬老日とは煮小豆をことことと/及川貞
婆が揉む小豆筵も津和野ぶり/石塚友二
野施行や石に凍てつく小豆飯/長野蘇南
蕎麦を干し小豆を干して暖し/田中冬二
小豆乾す筵またぎて轆轤場へ/石川文子
小豆干して貧しくかなし平泉/原田青児
風作るごと箕に鳴らす新小豆/羽部洞然
小豆干すつつしみ深い両隣/本田ひとみ
ウインドの氷小豆に誘はるゝ/副島いみ子
二三日枡に小豆を盛りしまま/波多野爽波
俳句例:61句目～
小豆買うて煮んとぞ思ふ土用入/高浜虚子
小豆箱すぐその横に来て死ねる/飯島晴子
淑やかや磨きしごとき新小豆/中村草田男
手枕や小豆洗ひを聞きとめて/阿波野青畝
炉開や少しの弟子に小豆煮て/山崎不二子
打ちこぼす小豆も市の師走かな/水田正秀
小豆煮る香のして終る寒稽古/田中/蘇水
小豆煮る火のとろとろと盆の月/青木喜久
干小豆おのがはじけて箕を走り/北垣宵一
空澄めり土にはじけて小豆つぶ/松村蒼石
箕に今日も干す色おなじ新小豆/新井盛治
算盤鳴り下校や小豆をさびる母/香西照雄
継ぎ当てを大きく小豆干す箕かな/森田峠
枯桑を燃やし小豆を煮てくれる/沢木欣一
躊躇へば踏み入れと云ふ干小豆/牧野素山
新小豆母にぜんざい作らむか/西島あさ子
いそいそとお手玉に入る新小豆/矢島渚男
むさしのの太陽黄なり干し小豆/椎橋清翠
尋ねても耳がきこえず小豆揉む/中田みづほ
婆の小切れの袋いくつも粟小豆/清川富美子
俳句例:81句目～
とやかくとはかどるらしや小豆引/星野立子
小豆洗ふ綿雪となるしづけさに/石田あき子
つぎ當たる農婦のズボン小豆選る/富安風生
恵那山の晴れつつ晴れず小豆干す/木谷島夫
小豆揉むうぶ毛の生ふるもの思ひ/田中裕明
さむしろの夕ベの小豆たたまれし/岡井省二
小豆煮るにほひ吹雪に襲はれつ/殿村莵絲子
正月来る煉炭に夜通し小豆煮られ/古沢太穂
百姓やわけて小豆とることなんど/小杉余子
干しひろげ紅き小豆の暮るゝまで/百合山羽公
晴着試す子へ夜の小豆煮立つなり/鳥居おさむ
しるこあん蜜、妻よ石狩の小豆畑だよ/橋本夢道
かたむきし日をつめたしと小豆つみ/長谷川素逝
いろ濃くて小豆だましといふあはれ/百合山羽公
小豆干しはじめて泣ける母を見し死す)/長谷川秋子
