平和に関連した俳句の例をまとめました。
平和を含む俳句例
平和像虚ろな春の雲浮かす/原裕
春の虹断頭台の平和主義/丸山嵐人
初霞無人境には平和あり/香西照雄
冬銀河かぶり平和へ道一本/城取信平
十二月八日徴兵なき平和/加川美代子
平和祭真中の川を子が泳ぐ/鈴木貞雄
平和論竹巻き締めて南瓜育つ/飴山實
平和論掻く粉炭の底息づく/桜井博道
春の暮屋根反り平和脅かす/森田智子
戦争と平和と暮の餅すこし/原子公平
蝌蚪に肢不思議な平和充満し/北登猛
平和なり雀隠れの紙コップ/鈴木鷹夫
平和なる樟脳や冬の樟脳や/三橋敏雄
平和祭龍舌蘭も花擧げて/下村ひろし
鳩どつと翔つ平和像氷菓売/酒井鱒吉
鶯が遠のく平和も遠のくや/香西照雄
現実の平和と眼前の冬麗と/相馬遷子
兎唇の太陽を指し平和像/八木三日女
韮粥に頬燃ゆる平和論果てず/和田新吾
遺児育ち記念樹育ち平和祭/五十嵐秀一
俳句例:21句目~
まづ水を供へひろしま平和祭/川口崇子
遠花火平和ないろと思ひけり/吉野義幸
被爆時報平和の泉いま激す/下村ひろし
胡麻叩く平和の音の響きけり/吉田利子
書初の平和の二文字忘れざれ/石塚友二
一願は平和/地球儀に初日/西尾千佳子
紅葉山踏んで平和といふ重み/志摩知子
昼の蟋蟀鳴き寄る平和女神像/蓮田双川
二なし啻平和給び給へ冬日神/石塚友二
沖縄の除夜を灯せる平和の灯/野原培子
命ひとつぶ平和像下に光る蜂/友岡子郷
男子生る平和論者を父として/出井哲朗
平和裡の汗こそ貴と人撃つな/石塚友二
天指して冬なまぐさき平和像/青木重行
如月やガラスの如くある平和/中尾弘美
ゴリラほど草負えば容易い平和/小柳/準
ベンチみな噴水に向く平和かな/鈴木鷹夫
咲く薔薇が平和の砦戦後の家/伊丹三樹彦
夏菊に干すハンカチの平和かな/鈴木鷹夫
平和の礎灼かれて女子供の名/岡崎たかね
俳句例:41句目~
平和への鐘心へ撞きて原爆忌/城間トミ子
平和乞ふタリバンの母冬木立/本田万里子
平和大会遠のく胡瓜の捩じ曲がり/穴井太
平和祭の地に伏し汚れ塗装工/鈴木六林男
鶺鴒の水浴びに鳴る/平和の鐘/富永敏子
教会の十字架おぼろ平和な村/柴田白葉女
平和なる薄荷の自分嗅ぎにけり/攝津幸彦
泰山木崇し祈りは平和のこと/小松崎爽青
白百合を一本買ひて日々平和/宍戸千多江
目玉焼の平和いつか秋天でした/伊丹公子
蝌蚪生まる平和論者の輪の中に/丸山嵐人
祈りても詠ひても灼け平和像/加藤知世子
終戦の日なり平和の日なりけり/久松久子
胸うたる七夕笹に平和の二字/田川飛旅子
脈を計っただけの平和な朝です/住宅顕信
萍の吹き寄せられてゐて平和/岡野ひさの
つわの連弾山国の平和なくらし/山岡敬典
ほととぎす非武装平和まぼろしか/鈴木弘
傷兵の残った片手とならぶ平和/石川日出子
仏桑花平和つて何もかも眩しい/伊丹三樹彦
俳句例:61句目~
白桃が三つテーブルにある平和/古田けいじ
平和どこまで朝刊いつも火の匂い/松坂凡平
老はみな居眠る駅舎の沈んだ平和/伊丹公子
平和おそれるや夏の石炭蓆かぶり/金子兜太
口あけて口あけて口あけて平和祭/攝津幸彦
ゆっくりと目刺を噛んでいる平和/池口幸子
飽くほどの平和おそろし七変化/伊丹三樹彦
真の平和へ初あかねふつてくる/日下部正治
平和像の裾掻く熊手/夜明けはまだ/市橋一男
野菜サラダを盛り上げてゆく平和主義/森須蘭
いい顔ばつかり赤トンボ平和宣言/村田ヒロ子
平和の灯冬日と燃ゆるやすらぎか/久保田月鈴子
箱を毎日しばっておれば平和くるか/五十嵐研三
李花咲いて平和な村のすがたなれど/長谷川素逝
不明な平和にはげしい皿鳴り食堂混む/五十嵐研三
平和とは月のうさぎがはつきり餅つく/荻原井泉水
ウランを平和へ河鹿死んでも合掌する/八木三日女
平和がほしい誰にもにおう夜の木の芽/栗林一石路
わかれて一人平和まつりの團扇を手に/栗林一石路
新緑がもえても平和の鳩がとびたゝない/吉岡禅寺洞
俳句例:81句目~
平和をたたかう地上に虹の足はげし/赤城さかえ句集
さしみ作っただけ売れてゆく村の平和だ/河内登美子
飛行雲がながれる平和の仮装服のように/吉岡禅寺洞
平和へ平和へ玉菜はつねに蝶をかかげ/赤城さかえ句集
電話のダイヤルどこを廻しても平和でいい/雑賀茄子王
ジェット機音のないときうろこ雲に平和がある/吉岡禅寺洞
月の夜きり~すもこおろぎも平和をもとめている/吉岡禅寺洞
生き残り何に栄えある世とは見む平和の像の此処にある限り/築地正子
やわはだの匂いも汗して夜はしんしんと平和な肉體への嗅覚/橋本夢道