基督/キリストに関連した俳句の例をまとめました。
基督/キリストを含む俳句例
七月や銀のキリスト石の壁/大野林火
吾亦紅基督嫌ひ釈迦嫌ひ/別所真紀子
基督を漫画で説きぬ雲の峰/鈴木鷹夫
基督に肖る気なき聖樹かな/藤田湘子
秋の田をくる黒傘のキリストは/飛旅子
基督に肖し横顔が棉摘みに/平井さち子
汝が信ずキリストの麦黄熟す/斎藤空華
キリストも釈迦も家捨つ鰯雲/中川寛子
基督も仏陀も暦果てしかな/土橋たかを
宗教史星のキリスト花の釈迦/京極杞陽
キリストに肖る日曜日の猟夫/阿部娘子
キリストの像の鼻見て鼻寒し/菖蒲あや
戸来村田植終りてキリスト祭/小坂順子
キリストの顔の復元熱帯夜/山田めぐみ
キリストの奇蹟を信ず麦は穂に/長田等
キリストを借景と為す秋の暮/永田耕衣
秋芽ふく島にキリスト復活図/林十九楼
鼻長きキリスト吾は水洟かむ/山口誓子
基督もピエロもおなじ眼秋の雨/鈴木貞雄
踏むならばルオーの蒼き基督を/永島靖子
俳句例:21句目~
曼珠沙華キリストの血が流れだす/長田等
ここに立つ受難キリスト葡萄摘/山口青邨
ただ寒く佇つ青銅のキリストは/秦/夕美
冬耕のひとりキリストかも知れず/長田等
山又山夙に赤きはキリストか/阿部鬼九男
キリストの寵なき我や毛虫焼く/藤田湘子
屠殺場の寒さキリスト教の鐘/加倉井秋を
キリストの肋もつともすきま風/田中君子
キリストの足地に遠し胡麻の花/大西静城
キリストの胸板うすき淑気かな/那須淳男
キリストのうしろ白菜真二つ/波多野爽波
蒼白のキリスト水餅に触りて/小川双々子
露を置く野のキリストの足の釘/有馬朗人
髯の中のキリストの顔桜咲く/猪俣千代子
黄天にキリストのごと落伍せり/片山桃史
冬の虹キリストの骨釈迦の骨/和田耕三郎
キリストの鬚生やしたり毛蟹売り/寺田京子
キリストの鼻かむやうに夏の風邪/高澤良一
キリストも釈迦も信じて生誕祭/管野レイ子
キリストを着よとの勧め薬の日/田川飛旅子
俳句例:41句目~
薄氷にキリストの貌ブッダの貌/糸山由紀子
凍道にキリスト問ふ子恐れしか/山田みづえ
枯向日葵キリストもかく首を垂れ/水野宗子
浮浪者のキリストめきて夏の月/伊藤トキノ
基督者の墓地ある丘の木の芽吹く/藤沢周平
秘宝キリスト拝み出づれば鶲鳴く/堀口星眠
からすはキリスト青の彼方に煙る/阪口涯子
蔦茂る酒場にルオーのキリストが/川崎展宏
車座のキリスト者/梟が風を渡る/星永文夫
釈迦は富みキリスト貧し柚子一顆/小川軽舟
ずり落ちさうにキリストや春の月/細谷喨々
驢馬曳くはキリストに似し枯野人/松本節子
キリストが売られし日なり星朧/古賀まり子
キリストといふ語を吃り祈る秋/田川飛旅子
キリストに挿せし向日葵のみ新た/山口青邨
暗さが寒さ死せしキリストを運ぶの図/有働亨
案山子担いでゆくはキリストめく男/火村卓造
キリストを語りしあとの汗にほふ/遠藤若狭男
痩せぽっちのキリストを吹く枯木風/高澤良一
乞食が火を焚く/みごとな村民の死/星永文夫
俳句例:61句目~
凧の絵にルオーのキリスト描かばや/山口青邨
初蝶とわたしとイエス/キリストと/津田清子
キリストに告げざる言葉すさまじや/岩田昌寿
麦秋やよごれて優し絵のキリスト/櫛原希伊子
かげろひてキリストの髭邪魔になる/仙田洋子
金雀枝や基督に抱かると思へ/石田波郷「雨覆」
共に雑炊食するキリスト生れよかし/中村草田男
聖菓切るキリストのこと何も知らず/山口波津女
踏絵してキリストの眼のなくなりぬ/滝沢伊代次
寒い夜ののっぽキリストかもしれぬ/宇多喜代子
巡査は棒さげクリストは棒を持たざり/細谷源二
はるかの白衣を基督と識リルオーの秋/中村草田男
キリストを着よと手編のジャケツ賜ぶ/田川飛旅子
キリストの胸一痕の汗もなし/森田かずや「春岬」
笑うキリストの主題ありきや冬のネオン/田川飛旅子
蒲の穂絮にキリストは血の肌/大木孝子「藻臥束鮒」
固餅食べつゝキリストの青年期にならはん/磯貝碧蹄館
耶蘇基督神之子而救世主すなはちをいま食ひ了へつ/高橋睦郎
基督の真はだかにして血の肌見つつわらへり。雪の中より/釈迢空
新緑の中にひかりのこぼれきてキリストのごとく立つ黒き幹/浅野光一
俳句例:81句目~
宇宙より己れを観よといにしへの釈迦キリストもあはれみ教えき/窪田空穂
キリストの生きをりし世を思はしめ無花果の葉に蠅が群れゐる/佐藤佐太郎