空港に関連した俳句の例をまとめました。
空港を含む俳句例
空港の管制塔に鏡餅/塩川雄三
空港の大格納庫大西日/森田峠
空港に眼鏡の力士雲の峰/吹野保
海港に展く空港雁渡し/倉橋弘躬
月明の空港暗き一部分/池田秀水
空港に朱欒輝き雨上る/高橋悦男
空港に終便送る海紅豆/羽田岳水
芹摘みが来れば空港白々し/静塔
空港の寒さ金属音ばかり/池田秀水
宵闇の武漢空港友の待つ/後藤緒峰
空港の雨の涼しさ殊のほか/森田峠
空港へつづく旧道桐の花/杉田栄子
降誕祭空港とみに星多し/麻生和子
空港の爆音ざらし鵙の贄/西川雅文
空港の灯は赤と青芝涼し/田中蘇冬
着陸を待つ空港の星月夜/岡安仁義
空港の全面鋪装地虫出づ/塩川雄三
空港や大末枯をいそぐなり/鈴木楢谷
いと小さき島に空港遠雲雀/福田蓼汀
いわし雲空港百の硝子照り/福永耕二
俳句例:21句目~
空港は別るるところ冬夕焼/谷中隆子
イースター近き空港混雑す/山本歩禅
空港の青き冬日に人あゆむ/西東三鬼
空港に肥後赤酒や漱石忌/星野麥丘人
乾鮭を提げ空港の端よぎる/小林康治
八丈島空港仏桑花の迎へ/伊藤やすを
空港の整備に月の不寝とし/柴田黒猿
空港の恐ろしきかな肺活量/星野一郎
星月夜空港つぎの離陸待つ/石崎素秋
空港から死角の梨の花の家/脇本星浪
空港に流す琴の音三日かな/直野秀子
空港の長き通路や夜の秋/若林杜紀子
空港に月と猫の子残さるる/加藤秋邨
空港の迎へ夜寒となる遅著/肝付素方
空港に青蜜柑買ふ旅ごころ/小坂順子
空港は別るるところ寒夕焼/谷中隆子
空港や駆け寄る人の夏帽子/和田健三
空港近く蜜柑二三の夜の刻/桜井博道
花朱欒島の空港つばらかに/西田キヨ
初夢に息子を乗せて空港へ/中野太浪
俳句例:41句目~
空港や春の蠍座しかと見て/宮坂静生
空港に初夏の自動車輝き来/成瀬正とし
空港に子供の多し子供の日/佐久間道子
空港に居りて永き日終りけり/宮津昭彦
翼の数かぞへ成人の日の空港/鈴木鷹夫
空港のソーダ水より旅ごゝろ/大槻右城
空港の別れその後のソーダ水/泉田秋硯
空港の端見えてをり干蒲團/八木林之介
三鬼忌は万愚節なり空港に/秋山巳之流
傘雨忌や空港に腰浮かしゐて/小林康治
地の果のごとき空港茅花照る/横山白虹
夏雲の空港に別れ来たりし手/阿片瓢郎
異国語もまじる空港秋暑し/後藤軒太郎
落花生掘り空港に近付きぬ/山田東龍子
蛇穴に入る空港を翔び立てり/金堂豊子
空港と言えど枯野の一部なり/中村耕人
真白きトランク初夏の空港に/成瀬正とし
白夜呆け醒め空港の霧に佇つ/小原菁々子
空港が待ち合はせ場所ソーダ水/本間一萍
蹠やわらかし故国の空港踏み/久米富美子
俳句例:61句目~
涅槃西風海に空港出来つつあり/辻善次郎
空港になるかならぬか麦を踏む/松山足羽
開襟少年空港ビルの屋上駈く/加藤かけい
晦日そば下げ空港に降り立ちぬ/高木紫乃
年明けの朝の空港ジャズ流る/長谷川冬虹
帰る子を待つ空港の星月夜/五十嵐波津子
セロリなど空港へ急ぐ初荷なり/岡田貞峰
空港の黒旗に追われ患者ら発つ/藤後左右
空港に着けば酒ありなまこ食ふ/横山白虹
革ジャンの裏は浮世絵パリ空港/中野英歩
台風の報聞く帰国のエアポート/八巻絹子
いつも靡いて空港の猫じやらし/池田秀水
空港のかかる別れのソーダ水/成瀬櫻桃子
空港のたんぽぽ地に張りつきて/後藤夜半
空港につヾく曠野の麦の秋/久保田万太郎
空港のロビー遍路杖突きをさめ/飯島晴子
空港で鞄にすわるチューリップ/田中裕明
空港の灯の点に胃をあたためる/林田紀音夫
狐の提灯広き空港の端に咲けり/岡部六弥太
倒れるまでタイヤ転がる寒い空港/三橋敏雄
俳句例:81句目~
空港に曼珠沙華見て阿波に入る/能村登四郎
空港ににつぽんの虹濃かりけり/町田しげき
霧の空港ボスも黄色い傘さすよ/八木三日女
空港出て田植ゑ汚れの電柱立つ/波多野爽波
とりあへずカレーを秋の空港にて/正木ゆう子
かなしみなり空港で海産物購うは/八木原祐計
空港ロビーの対話慇懃に掠める機影/小倉緑村
寒星と発つ灯と着く灯エアポート/嶋田摩耶子
やうやくに辿りつきたる空港に時差を加へし顎の髭伸ぶ/青田伸夫