椰子を使用した俳句

椰子に関連した俳句の例をまとめました。

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椰子を含む俳句例

夏雲や大王椰子の幹の瘤/内田百間

大空の春さりにけり椰子の花/篠原

琉球のいらかは赤し椰子の花/篠原

椰子団扇手に黄衣の御僧達/福井圭児

衣更はるかに椰子の傾ける/横光利一

椰子の間百葉箱のやうな家/高澤良一

納涼映画裸電球椰子に吊り/水田光雄

砂つ子に海一碧の椰子の空/河野南畦

忘らるる棗椰子の辺冬晴に/小池文子

椰子の花こぼるゝ土に伏し祈る/篠原

椰子の葉に琉歌ひと節冷し酒/川勝春

昼寝覚椰子五六本突立てり/高澤良一

虫干や遺影の兄は椰子に凭り/轡田進

楽澄めり椰子の瑞葉は影かざし/篠原

椰子筍を煮て軍属舎年逝かす/皆川白陀

椰子颯々糶りて西瓜の二つ割/桂樟蹊子

浜蓆に椰子かげ移り愛語継ぐ/河野南畦

碧きまま昏れて流星椰子の上/高澤良一

秋天や相かたむける椰子二本/山本孕江

耕人に夕日の落つる椰子の丈/桂樟蹊子

俳句例:21句目~

酒盛の椰子葉囲ひに灯の涼し/桂樟蹊子

鰐の居る夕汐みちぬ椰子の浜/高濱虚子

椰子の陰に語れ牡丹を芍薬を/正岡子規

奴隷泣く椰子の木陰や不如帰/会津八一

椰子汁飲む空白貿易風のなか/伊丹公子

喜代門に今も茂りて椰子一樹/高木晴子

椰子仰ぐ口漱ぐにも炊ぐにも/山本歩禅

椰子涼し一番星はどこに出る/岩崎照子

夏草の微かや椰子に亀もどす/小池文子

大ゆれに椰子の影あり夏の月/皆川白陀

大年の椰子林転進部隊行けり/皆川白陀

椰子大樹美少女の泣く晩夏かな/佐川広治

椰子の月別れの酒に酔へずをり/皆川白陀

風の椰子鸚鵡は籠にひとりごと/山本歩禅

霜の椰子突き傷黒くひろげたる/高井北杜

鉈割りの椰子の水飲み卒業す/大西八洲雄

日盛や椰子にをさまる椰子の影/福永耕二

椰子一本倒壊家屋の時空に立つ/伊丹公子

椰子の丘朝焼しるき日日なりき/金子兜太

流れ椰子も祀られて柵や汐干人/久米正雄

俳句例:41句目~

十字星まさしく椰子の葉かげなる/森田峠

喜雨雫カナリー椰子の刺にかな/高澤良一

黒砂の浜椰子泳ぎ子土語ばかり/河野南畦

背高の椰子に西日の這ひのぼる/土生重次

櫂の如き椰子の葉柄落ちて冬/大岳水一路

椰子一本ずつの祈りに日本墓地/伊丹公子

黄金色の正午からんと椰子殻干す/伊丹公子

オーシスの椰子葉招いて月のぼる/寺田寅彦

椰子のぼる火焔かづらや守礼門/河村むつ子

ダマスカスナイフの月が椰子の横/高澤良一

尾を立てて猫月に吠ゆ椰子の原/殿村莵絲子

患者等は椰子蟹売りをかこみゐて/高橋馬相

月の椰子倦めばまざまざ人の鼻/殿村莵絲子

椰子とヨツト空が碧増す色に炎え/河野南畦

椰子/棕梠をまじへ南紀の木下闇/鷹羽狩行

椰子風を呼ぶ声明のうすごろも/伊丹三樹彦

雪来るかワシントン椰子海なりす/巌谷小波

椰子乱るあたかも雨に似たるかな/横光利一

烈日をかへして椰子の葉は勝てり/高橋馬相

椰子の葉のざんばら髪の溽暑かな/鷹羽狩行

俳句例:61句目~

椰子の葉鳴るばかり殷賑去った町/伊丹公子

移民史の店へさわらゆららと椰子/伊丹公子

落ちさうな冬オリオンヘ椰子黒し/都筑智子

椰子汁呑む遠祖を海の民と定め/伊丹三樹彦

うつくしき窪みをもちて椰子芽吹く/中村和宏

椰子の葉と影戯れるハンモック/小笠原須美子

椰子の木の吊床に降る星の声/狩野従子「絆」

刈り込みのワシントン椰子夏空へ/清家美保子

椰子の樹蔭クロスワードに人怠け/田川飛旅子

四迷終焉の日もかの椰子炎えたりや/伊丹公子

椰子ジュースひたひた赤道近くの音/伊丹公子

サーフライダー浜椰子朝から波囃す/河野南畦

ひとねむり椰子の高みのハンモック/高澤良一

日没椰子の前方ジョッキーの背の弾丸/伊丹公子

どの椰子に倚りても見ゆ夫沖へ泳ぐ/平井さち子

風死すや白髯垂れし翁椰子/山崎冨美子「低音」

特攻基地址北風に椰子の葉ささら鳴り/奈良文夫

こはサマセット/モームの木椅子椰子ホテル/伊丹公子

スコールが来るぞ来るぞと騒ぐ椰子/古谷彰宏「四季選集」

椰子の葉を葺きし亭あるプールかな/二塚元子「かつらぎ選集」

俳句例:81句目~

ほんたうの空はそれほど高くない椰子がこすればあらはれる青/井辻朱美