仔牛に関連した俳句の例をまとめました。
仔牛を含む俳句例
囀を捉へ仔牛の耳動く/栗山妙子
牛の子の角や待つらん年忘れ/荊口
青柿や丹波黒牛その仔牛/右城暮石
母牛と仔牛一体虻払ふ/橋本美代子
残雪や黒き仔牛に黒き母/矢島渚男
牛の子に二タ株つけし芋茎かな/一笑
福藁に仔牛の誕生待つ農家/横溝養三
糶市へ仔牛跳ねゆく萩の風/松本幹雄
郭公が囃す仔牛の小さき角/手島靖一
通されて子牛の穴の鼻寒し/正岡子規
跳躍の仔牛何時捲む花茨/岩城のり子
冬浜へ一声仔牛呼びかへす/木村蕪城
牛の子にくひ残されし菫哉/正岡子規
牛の子に荷のつけ初めや春の草/乙由
仔牛はや隆まる後姿夏野原/奈良文夫
仔牛放つ清明の日の風の中/鈴木圭子
牛の子の大きな顔や草の花/高浜虚子
藁に寝て子牛守る爺神楽宿/田中英子
舌捲いて乳吸ふ仔牛葉月雲/中島斌雄
冬の雲生後三日の仔牛立つ/飯田龍太
俳句例:21句目~
冬渚仔牛馳せゆき汚れなし/木村蕪城
冬萌や海と平らに仔牛の背/須並一衛
草千里まだ番号の無き仔牛/品川鈴子
売札の仔牛擦り寄る星今宵/井口秀二
草の花仔牛とばせて面白し/西山泊雲
放牧の仔牛来て飲む野の泉/田中英子
親の股くゞる仔牛や草の花/西山泊雲
校庭に仔牛馳せさせ朝ざくら/木村蕪城
仔牛の目涼しく水を飲みをはる/大串章
仔牛の角まだやはらかに樟若葉/有働亨
仔牛生る郭公近く啼きめぐり/羽部洞然
牧びらき焼印こばむ仔牛ゐて/中村翠湖
水牛の背より飛込む裸の子/常盤しづ子
牛の仔に角らしきもの風光る/平賀扶人
苜蓿まだ濡れいろの仔牛立つ/中村房子
売る仔牛梳きて永き日永くしぬ/西村琢
牛の子に鼻木通すや今朝の秋/高田蝶衣
草萌やパンダ模様の仔牛ゐて/阿部恵子
薮入に生れておりし仔牛かな/穴井研石
牛の子や作る鳥羽田の作り道/井原西鶴
俳句例:41句目~
馬の仔は跳ね牛の仔は伏せ牧場/檜紀代
耕牛に仔牛もついて畔を跳ぶ/小原菁々子
親牛も仔牛もつけしげんげの荷/高野素十
起重機に初荷の仔牛鳴きにけり/橋本榮治
露の灯をかざせば仔牛生まれをり/鈴木元
飾臼を仔牛の濡れし鼻が嗅ぐ/木場田秀俊
まくなぎや仔牛の角のむず痒き/田中俊尾
うららかや牛の子も積む石炭船/田中英子
しんがりの仔牛しぐるる牧仕舞/久田澄子
牛の仔が啼いて林檎の木に林檎/細川加賀
すれちがふ仔牛のぬくみ霜の夜/笠原和恵
牛の仔の望のひかりに顔を出す/稲田草男
牛の仔はおとなしきもの梨の花/遠藤梧逸
ほととぎす仔牛に大き耳二つ/渡邊千枝子
馬の子と牛の子とゐる野菊かな/夏目漱石
ゆふすげや仔牛の顔の蠅まみれ/堀口星眠
光りたる仔牛の尿やほととぎす/堀口星眠
売られゆく仔牛鳴きゐる草の絮/山口順子
桔梗や足しなやかに仔牛来て/岡本まち子
梅雨寒や子牛をしきり舐むる牛/三宅句生
俳句例:61句目~
牛の子よ椎の実蹄にはさまらん/加舎白雄
新藁の敷かれて仔牛の保育小屋/中村和子
綿虫やむらさき澄める仔牛の眼/水原秋桜子
淡雪嘗めて貨車の仔牛の旅つづく/加藤秋邨
舐められて仔牛よろめく草の花/藤井寿江子
牛の仔を量る新藁平らに敷き/長谷川かな女
今年藁仔牛にしかと敷いてやる/佐藤冨士夫
まくなぎや仔牛の角のむず痒き/田中/俊尾
子牛蹤きゆく春田の牛の鞭うたれ/加藤楸邨
おんばこや息やはらかく親仔牛/つじ加代子
風花は火山のあいさつ仔牛跳ね/村上一葉子
秋の蝿生れしばかりの牛の子に/粟津松彩子
仔牛の目かやつり草にかこまれて/藤田湘子
元朝に生まれし子牛しかと立つ/五十嵐波津子
仔牛群れク口ーバにみな蹄かくす/戸塚時不知
ジヤケツの胸突如仔牛になめられて/飯利勝郎
垂乳根の乳の仔牛にあかとんぼ/長谷川かな女
鳴きかける仔牛を牛車きしり出でぬ/原田種茅
牛の子が旅に立也秋の雨/一茶/文化八年辛未
牛の子の皃をつん出す椿哉/一茶/文化二年乙丑
俳句例:81句目~
大根の花の蔭仔牛を見る人の顔が動いて居る/安斎櫻カイ子