寝息に関連した俳句の例をまとめました。
寝息を含む俳句例
牛蛙明日退院の太寝息/上月大輔
雪女馬の寝息の中を来る/今井聖
遠山火寝息生絹のごとくゆれ/龍太
秋山と一つ寝息に睡りたる/森澄雄
人丸の寝息や残る朝の霧/椎本才麿
風神の寝息聞こゆる寒の月/森本満
満開の花の香に入る児の寝息/林翔
山河して寝息となれり籠螢/松山足羽
赤ん坊の寝息が軽い灸花/小木ひろ子
暗中に聴きえし寝息あたたかし/楸邨
亡き母の寝息聞こゆる籠枕/大西一冬
子の寝息確かめ消しぬ春灯/西村和子
大部屋の患者寝息の朧なる/高澤良一
猪鍋や山の寝息の定まらず/角川春樹
冬畳父が善意の寝息つたふ/友岡子郷
冬眠の蝮のほかは寝息なし/金子兜太
露の中萬相うごく子の寝息/加藤楸邨
勾玉の寝息がまじる冬霞/平松彌榮子
水鳥の寝息にそそぐ雨の糸/飯田龍太
月夜茸山の寝息の思はるる/飯田龍太
俳句例:21句目～
擁きて夜寒の寝息分つなり/小林康治
老母と寝る二夜の寝息初明り/安井昌子
肩越しの寝息は羽音たる銀河/対馬康子
胃を照らす月光囲りには寝息/片山桃史
みちみちて水の寝息の植田村/熊谷愛子
赤ん坊が寝息を立つる養花天/富安風生
八月暁紅若き寝息の同志四囲/古沢太穂
短夜の連添ふ寝息きこえけり/井上静川
冬満月囲ひし芋の寝息きく/高野喜八郎
冬眠の寝息こぞるか山の音/石川恵美子
友の寝息晴夜の山は親しき黒/大井雅人
夜なべ村猪の寝息の間近かな/久保厚夫
大綿のたとえば母の寝息かな/青木栄子
嬰児の寝息のように大根煮る/吉尾広子
嬰児籠に寝息うかがふ蚕飼季/池元道雄
子の寝息妻に東京遠かりき/石橋辰之助
寝息あるはうへ寝返り冬の暁/谷口桂子
寝息より軽しと思ふ夏蒲団/山田東海子
岳人の寝息さだまる炉火太し/岡田貞峰
日当たつてをり鴛鴦の寝息かな/小島健
俳句例:41句目～
家中の寝息たひらに冬の雨/長部多香子
晩秋や鳥籠に吊る父の寝息/増田まさみ
梟や森の寝息の漏るるごと/無田真理子
明日へ繋がる寝息雪嶺足先に/太田土男
深酒の寝息も花祭の笛に通ふ/友岡子郷
病む母の軽き寝息や春遅々と/石川栄枝
眠りたる山の寝息とおもふ風/朝倉和江
短夜のしばらく更くる母寝息/斎藤空華
死の灰や黴いつせいに寝息の中/桜井博道
良夜かな赤子の寝息麩のごとく/飯田龍太
ねんねこの中の寝息を覗かるる/稲畑汀子
みどり児の寝息冬日の中にあり/清本幸子
冬ぬくし寝息もらさず猫眠る/三坂雅二郎
牡丹雪ほたほた母の寝息へ降る/岡本庚子
月明り山の寝息のきこえけり/大井戸/辿
木枯も使徒の寝息もうらやまし/西東三鬼
子の寝息妻を誘ひてしぐれけり/杉山岳陽
極寒のをさなき寝息ふけてゆく/保坂敏子
花茣蓙を外れし寝息をつづけをり/森澄雄
建国日蛇は寝息を立ててをり/関口眞佐子
俳句例:61句目～
子の寝息妻が寝息や木の実降る/福本啓介
部屋々々の寝息しづかや花の雨/清原枴童
銃口の此の世のごとき寝息かな/大屋達治
陽だまりの屏風に虎の寝息かな/岩尾可見
青山椒父の寝息のすこやかに/新保フジ子
子より幼く雪夜寝息に加はりぬ/猪俣千代子
子の寝息高しひと日の潮浴びに/藤原たかを
瓜蝿に寝息を立ててゐたりけり/佐々木六戈
旅にかなしき女の寝息添水の音/加藤知世子
子の寝息知らぬまま過ぐ春夜かな/谷口桂子
良夜の寝息たましいほどけてゆく/吉原陽子
軍神碑うらの冬草寝息のごとし/相原左義長
冬の雨癒えし寝息にさそわれ寝る/古沢太穂
除雪夫の寝息冴えきて寝むらえぬ/石橋辰之助
子の寝息やすらに年のしらみけり/金尾梅の門
身ほとりに子等の寝息や除夜の鐘/佐藤美恵子
凍つる夜のふところにあり子の寝息/皆川白陀
くらがりに寝息きこゆる蚕飼かな/大橋櫻坡子
寒の暁ツィーンツィーンと子の寝息/中村草田男
月の大戸しめて牛の寝息をきいてHる/栗林一石路
俳句例:81句目～
すやすや寝息たてている子のことで争つている/松尾あつゆき
