純白に関連した俳句の例をまとめました。
純白を含む俳句例
純白の布巾揃へて初厨/芝由紀
椿真紅椿純白霊気満つ/滝青佳
教堂に純白の壁原爆忌/飴山實
純白の棚の一線梨の花/酒向敏子
初釜や傘寿の衿を純白に/及川貞
純白の服もて日焼子を飾る/林翔
純白に砕けたり冬濤の黝/酒井京
太陽の純白の死の桜谷/攝津幸彦
睡蓮の純白のこす山の暮/桂信子
師と仰ぐ面影椿純白に/檜垣長子
鑑真の寺純白の蓮開く/倉持嘉博
純白の点訳楽譜小鳥来る/丹羽啓子
木犀の香や純白の犬二疋/高野素十
純白の服着て旅す陽市は/阿部完市
夏濤の発端純白立志めく/香西照雄
白鳥の純白をわが炎とす/高松文月
純白の想像/影が肩たたく/穴井太
白鳥の腋の純白恋兆す/平井さち子
菊純白にかなしみの香を放つ/龍太
若菜摘む空に純白天守と雲/林昌華
俳句例:21句目～
純白の眠りに入るや雪の鶴/渡辺昭
純白の放つ光に百合の花/今橋眞理子
純白の時間とまらず花辛夷/藤岡筑邨
元日の川純白な鳥の胸/鍵和田ゆう子
初秋の純白をもて参籠す/加倉井秋を
花野来て夜は純白の夜具の中/岡本眸
純白の砂漠に死にし黄金虫/仙田洋子
基地扼す大根純白且つ無数/町原木佳
純白へ試練まだある子白鳥/安居正浩
大滝の音純白と謂つべし/深川正一郎
子が持ち来夏純白の通知箋/相馬遷子
純白もて己れ縛せし春手套/田部谷紫
崖さむし海鵜の糞の純白に/矢島渚男
桜桃の花純白を通しけり/福田甲子雄
森に開く手帳純白日雀鳴く/橋本榮治
母の愛とは純白のさくら草/川原和子
狐火見し純白の夜を妊れり/齋藤愼爾
白の中の純白手袋妻へ買ふ/本宮鼎三
秋扇のその純白を愛しめり/楠本憲吉
純白で私を避ける雪ばかり/櫂未知子
俳句例:41句目～
鴉の子純白の糞落としけり/西本一都
純白のマスクぞ深く受験行/岸風三楼
純白の睡蓮われも目覚めよし/桑島啓司
久しぶりに純白シーツ冬のバラ/皆吉司
純白の結び目北風の遺骨一つ/成田千空
夏手袋純白の刻たいせつに/猪俣千代子
山百合の純白守り抜く香なり/廣瀬町子
純白の屍衣に翳なし雪満つ窓/内藤吐天
純白の紙にひたひたと蟲の闇/神生彩史
純白の手袋も買ひそろへたる/西村和子
朝の日に画布の純白小鳥来る/橋本榮治
林火先生純白諸事言う村咲く/阿部完市
杓子菜の茎の純白葉へ伸びて/香西照雄
純白の水泡を潜きとはに陥つ/三橋敏雄
純白の霧に夜明けて沼住ひ/石井とし夫
純白の鬱であり暗く大きな鱈/大西健司
純白の初蝉にして快翔す/竹下しづの女
純白の富士をたまはる十一月/川崎展宏
斑雪より純白の鳥舞ひあがる/斎藤信義
手を打てば純白の鯉年立てり/渡辺恭子
俳句例:61句目～
蓮落花泥にささりて純白に/中戸川朝人
街に雪この純白のいづこより/橋本榮治
身ごもれる子に純白の毛糸玉/渡部良子
遠花火思ひ出のみな純白に/田中とし子
去年今年いま純白の睡り来る/千代田葛彦
白木蓮に純白といふ翳りあり/能村登四郎
純白の心に今日の花ひらく/阿部みどり女
白萩に神純白ををしむなく/竹下しづの女
純白にこころをのせて餅を切る/岡田和子
朝戸出のマスク純白なるはよし/岸風三楼
純白の雪の進軍のかたちみえる/阿部完市
脱ぎ惜しむ手套純白海鳴る夜/鷲谷七菜子
息止まるほど純白のアマポーラ/吉原文音
陽の射さぬ純白の椅子むごい微笑/堀葦男
純白に子をくるまんと編む毛糸/赤松ケイ子
枇杷の花らしからぬこの純白は/夏井いつき
かりんの実純白同志の看護婦らに/友岡子郷
純白な鶏に冬日がまはり来る/阿部みどり女
飾り羽子純白えらびくれしかな/加藤三七子
口ケット純白地の汚穢に遺る者ら/神田はじめ
俳句例:81句目～
純白のマスクを楯として会へり/野見山ひふみ
沙羅散るや純白かくも錆び易し/関礼子「逃げ水」
