土塊/に関連した俳句の例をまとめました。
土塊/を含む俳句例
日盛や土塊の影蝶の影/島村元句集
切崖を落ちる土くれ春惜む/辻桃子
土塊も昼の孔雀も全裸なり/攝津幸彦
花種を蒔く幼年の土くれに/対馬康子
死免がれず限前に土塊寒し/村上鬼城
土くれの乱礁の間螻蛄泳ぐ/石田波郷
植木鉢のみに土塊スキー宿/山田弘子
土塊に匂ひありけり西行忌/望月百代
青北風や土塊荒き馬場の朝/上野草子
土くれを刻み刻みぞ春の暮/会津八一
土塊を鉢に植ゑをる佛生会/清水径子
土くれを抱く空蝉のくらさかな/原裕
土塊に新甘藷赤く躍りけり/高濱年尾
土塊を一つ動かし物芽出づ/高浜虚子
土くれにまじる蚰蜒痩花壇/松本可南
土塊をはたく香具山半夏生/宮坂静生
土塊をはさみて末黒野の芒/浦野哲嗣
苗床の土くれあらし春の霜/西山泊雲
雲黒し土くれつかみ鳴く雲雀/西東三鬼
土くれに風もぐりこむ冬耡ひ/大熊輝一
俳句例:21句目～
しだかれし蜂土塊をかなしめり/原石鼎
土くれや木の芽林へこけし音/飯田蛇笏
土塊が動きて蟇が動き出す/森松美智子
球根植ゑ土塊も雨の糸をひく/成田千空
夏の鴨動き出したる土塊は/高野ムツオ
土くれを啄む軍鶏に秋の来る/大石悦子
啓蟄の土くれを掃く昨日けふ/松尾静子
寒明けぬ緬羊につく土くれも/矢島渚男
土くれと思ひしが翔ち初雲雀/嶋田麻紀
山蟻の土くれなどは軽く越ゆ/細見綾子
師を埋むどの土塊も秋日もつ/巌谷小波
貞操や春田土くれくつがえり/西東三鬼
土塊の日當るみつつ風邪ごこち/石川桂郎
初蝶が土塊訪ひ続ぐねぎらふや/香西照雄
ぬかご落つ土塊は夢破られて/河野多希女
土くれはどんな味する燕の子/正木ゆう子
土塊の翳ふかき朝を空豆蒔く/一之瀬王路
中共勝つ荒鋤の田にみつる土塊/古沢太穂
春となる雨土くれの上に降る/長谷川素逝
土くれと濡れ朝の日の柿落葉/長谷川素逝
俳句例:41句目～
土くれにはえて露おく小草かな/村上鬼城
土くれに二葉ながらの紅葉かな/村上鬼城
土くれや芋の芽しかと玉巻ける/西山泊雲
引抜けば土塊躍る野蒜かな/阿部みどり女
土塊どもへ目力をくれ薯植うる/村越化石
土塊に語りかけつつ苗木植う/福永みち子
地震あとの土塊ぬらす夜露かな/渡辺水巴
土くれをむちうてばみな蛙かな/会津八一
夜へ沈む土くれの貌雪着くまま/村越化石
土くれに鍬の峰打ち山ざくら/上田五千石
被きゐし土塊抱きて百合芽伸ぶ/米沢徳子
土塊をちんとひねりし雛のかほ/高田正子
土塊にくつついてゐる子藷かな/松藤夏山
土くれのやうに雀居り青草もなし/尾崎放哉
涼しさや木の虚にある土くれも/正木ゆう子
漆掻き子が土くれを投げて呼ぶ/加藤知世子
土くれのもともろもろや花まつり/池田澄子
いづれは土くれのやすけさ土に寝る/山頭火
若くて俗物こおろぎの土塊草の中/金子兜太
三日月の研がる青北風土塊積む/新谷ひろし
俳句例:61句目～
土塊にかくれてしまひ春の虫/阿部みどり女
引き抜けば土塊躍る野蒜かな/阿部みどり女
春めくと指をよごしぬ土塊に/吉武月二郎句集
土塊のしやべりだしたる穀雨かな/小島とよ子
日本の蛙荒鋤きの土くれに土くれに/金子兜太
土くれといはずあめつち梅雨に入る/長谷川素逝
いよゝ凍てし土くれに日の流れ来し/長谷川零餘子
花にひまなし土くれと見る芙蓉の芽/長谷川零餘子
土塊に二葉ながらの紅葉かな/鬼城句集/村上鬼城
玉虫交る土塊どちは愚かさよ/中村草田男「火の島」
畑を打つ土くれ足になだれよる/雁来紅/野田別天樓
土くれに逆毛吹かるる毛虫かな/村上鬼城「定本鬼城句集」
ひと冬を鳴く鶸ありきたましひは崖にこぼるる土くれの量/前登志夫
